「column」カテゴリーアーカイブ

現代時評《私費での不倫は不倫ではない》山梨良平

安倍政権らしいニュースが飛び込んできたようだ。あまり一般紙=忖度大マスコミは報道しないが安倍首相補佐官と厚労省女性幹部が公費で「京都不倫出張」。菅官房長官は例によって和泉氏から報告を受けた内容として「公務として手続きを取った上で出張し、京都市内の移動は私費で支払われている。適切に対応したと聞いている」と述べ、「公私混同」との指摘を否定した。 続きを読む 現代時評《私費での不倫は不倫ではない》山梨良平

現代時評《官房長官も官僚も大変だ。「平穏に年を越せるのかな」と余計なお世話してみる》山梨良平

アフガンで銃撃事件が起き、中村哲さんが同行の護衛などのアフガン人とともに殺害された。とても残念な事件だった。アフガンの人々にとっても、我々日本人にとっても「希望の星」であり、誇りだった。安倍首相も「通り一遍のコメント」を出したようだが、なぜか心に響かないと思ったのは、私だけなのか…。 続きを読む 現代時評《官房長官も官僚も大変だ。「平穏に年を越せるのかな」と余計なお世話してみる》山梨良平

現代時評「政権との癒着を断て!」片山通夫

韓国にハンギョレ新聞という名前の新聞がある。ハンギョレとは「一つの民族」あるいは「一つの同胞」という意味だそうだ。

1987年6月の民主化宣言直後の9月に発刊準備委員会が構成され、翌1988年5月に創刊された。漢字を一切使わない紙面は読みやすさを追求した結果だと聞いた。また大手の新聞が当時は漢字交じりの縦書きだったのを、創刊号から横書きを採用した。

軍政時代にむんしゅかを主張してその職を追われた記者が中心となって設立し「書きたいことを書ける新聞」だった。 続きを読む 現代時評「政権との癒着を断て!」片山通夫

現代時評【虚偽自白を引き起こす特信条項】井上脩身

~滋賀・看護助手冤罪事件が教えるもの~

 入院患者の人工呼吸器を外したとして殺人罪が確定、服役した元看護助手(39)が「(初公判で)否認しても本当の私の気持ちではない」との上申書を捜査員に書かされていたことが最近になって判明した。元看護助手について今年3月、再審開始が決定、来年3月末にも無罪になる見通しだが、自白を維持させる目的で強要したとみられる供述書の存在が明るみに出たことで、冤罪の元凶の一端が浮き彫りになった。

 事件は2003年5月、滋賀県東近江市の湖東記念病院で、入院中の男性患者(当時72歳)が死亡しているのを看護師が発見。元看護助手が「院内を巡回中に人工呼吸器のチューブを外した」と自供し、殺人容疑で逮捕された。元看護助手は公判で無罪を主張したが懲役12年の判決が確定した。第2次再審請求審で大阪高裁は2017年12月、「自然死の可能性がある」として再審開始を決定、最高裁で確定した。検察側は今年9月、新たな有罪立証をしない方針を示し、再審で無罪になることが事実上決まった。

 自白維持のための上申書の存在がわかったのは今年10月。上申書は2004年9月の初公判の3日前、元看護助手が取り調べ担当の捜査員に滋賀刑務所の拘置スペースで書かされた。冒頭「(初公判で)嘘をついて否認しようと考えました」とあり、「今まで警察や検事さんに言ってきたのにと思うと、本当のことを言って一生かけて償っていきます」「もしも否認しても、それは本当の気持ちではありません」などとつづられている。(10月24日付毎日新聞)

 11月8日付同紙によると、元看護助手は捜査段階で「人口呼吸器のアラームが鳴ったが放置した」という趣旨の供述をしている。だが警察はこの供述書を地検に提出しておらず、「チューブを外した」との自供が有罪の決め手となった。

 チューブが外れたのでなく被告人が外した、と証明するには、目撃者がなければほとんどの場合自白以外に証拠はない。

憲法は「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない」(第38条3項)と規定。ところが刑事訴訟法には「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人の不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる」(第322条1項)との例外規定が置かれている。この条項で問題なのが「特に信用すべき情況」。「特信条項」と呼ばれ、「自白裁判の武器」になっている。

 元看護助手の裁判では、大津地裁判決は「自白に迫真性がある」と判示している。迫真な自白であるがゆえに「特に信用できる」というわけだ。この裁判でも特信条項が援用されたみるべきだろう。

 内田博文・九州大名誉教授(刑事法学)によると、この条項は「自白が任意にされたものでない疑いがあるとき以外は自白に証拠能力を付与」したもので、「裁判所にとって自白の任意性を否定するのは困難。(なぜならば)裁判官の検察・警察に対する仲間意識(裏返せば裁判官の必罰主義)があるから」(『治安維持法と共謀罪』岩波新書)と指摘する。平たく言えば、裁判官と検察官がぐる同然の司法界では、特信条項がまかり通っているのが実態というのだ。

 この事件では、再審請求審で弁護側が「患者は致死性不整脈で病死した可能性がある」との医師の意見書を新証拠と提出したことで、再審開始決定につながった。しかし、一審裁判官が自白について、誘導された疑いがないかなど厳密に判断していれば、無罪という結論が導きだされた可能性を否定できない。今なお冤罪が司法界にはびこっていることをいみじくも表した裁判といえるだろう。

 特信条項はすでに述べたように憲法に対する例外規定である。したがって極めて限定的な規定でなければならない。「特に信用すべき情況」という文言には何ら限定的な文辞はない。裁判官が信用しさえすればどんな自白も証拠にできる規定なのである。私はこの特信条項は憲法違反だと考える。

 冤罪は虚偽自白から始まるといって過言でない。その温床は特信条項である。冤罪をなくすため、特信条項は廃止されねばならない。

現代時評《流言飛語を信じるな!》片山通夫

 関東大震災の混乱の中で、官憲や民間の自警団などにより多数の朝鮮系日本人および朝鮮人と誤認された人々が殺害された事件があった。その時殺害された人々の数には数百名~約6000名と、非常に幅広い差がある。今もって確定できていない。

 そして2019年の今年、沖縄・那覇の首里城が炎上した。この稿を書いている11月4日午前現在、まだ原因は特定されていないようである。ただ、「正殿内に外部から侵入した形跡はなく、県警は放火の可能性は低い」と県警はみている。

 ところがインターネット上には、火災発生当初から「中国・韓国人による放火」「プロ市民の仕業」などというデマ情報があふれだした。そしてこのデマは拡散されてお祭り状態になっているという。また、韓国出張中の玉城デニー知事に関し「韓国に避難している。(知事が)指示したかも」という中傷も一時流れた。動画投稿サイトには「犯人は僕です」との投稿があり、炎上したが現在は削除された。

 いったいこの現象はなんなのだろう。筆者が思うところを書く。

朝鮮人の犠牲者数は、在日本関東地方罹災朝鮮同胞慰問班が官憲の協力を得られないまま調査を進めた結果であり、あまり信頼出来そうもないようだ。とまれ、実際に虐殺は起こった。以下ペディアから引用する。

 震災発生直後の9月1日午後3時以降、東京や横浜などで「社会主義者及び鮮人の放火多し」「不逞鮮人暴動」といったデマが発生していったが、デマの中には警察や軍が流したものもあった。これらの報道や伝聞による噂に接し不安を煽られた各地の民衆や有志によって自警団が結成されたが、中には地域の管轄警察の主導・指導で組織された自警団もあった。これら自警団の一部によって朝鮮人・日本人・中国人らが虐殺されていった。陸軍や警察はこの混乱を奇貨として社会主義者や労働運動家らの抹殺を画策し、10名が軍隊に虐殺された亀戸事件および無政府主義者が憲兵大尉らに殺害された甘粕事件が実行されたが、こうした「白色テロ」に対する責任追及や批判は低調だった。当時の社会にとっては治安維持と被災者救援活動の一環であり、軍や政府や警察が威信を取り戻したとして歓迎される状況になっていた。

 澤明の自伝『蝦蟇の油―自伝のようなもの』の中では、当時中学2年生だった黒澤の関東大震災時の体験が語られている。その中に黒澤の父親が長い髭を生やしているという理由で朝鮮人に間違われ暴徒に囲まれた話や、黒澤が井戸に書いたラクガキを町の人々が「朝鮮人が井戸に毒を入れたという目印」だと誤解し騒ぎになるというエピソードがある。

 一部では官憲の主導で自警団が結成されというから、おぞましい。

  ここに見るように「官憲の指導のもと」とまではともかく、今は「匿名で無責任にデマを飛ばせる」状況である。首里城の火災、台風19号などの自然災害などが起こった時に無責任なデマを飛ばす神経が分からない。一般に日本人は秩序正しくて優しく

思いやりがある民族だと定評がある。阪神淡路大震災時や、東日本大震災時の混乱時にも、略奪などの暴動は起こらなかった。外国人から見れば驚くほどの我慢強さと秩序正しさだといわれている。

 それが関東大震災時から、この首里城火災に至るまでの長い年月、日本人は自然災害にも耐えてここまで来た。それをあざ笑うようなデマでぶち壊しに「なろうとする危険がある。無責任だし、醜い。私たちは他人を貶めてほくそ笑むそんな人間ではなかったはずだ。 

 デマの拡散には気を付けなくてはならない。

現代時評《神戸の小学校の教師いじめ問題》井上脩身

 神戸市の小学校で4人の教師が若手男性教師をいじめていたことが、バラエティー番組の格好の衝撃ネタになっている。「教育者としての資格がない」との声が高まり、市は有給休暇中の4人を無給にする方針という。テレビで放映されるいじめ動画を見ると、確かに目を覆いたくなるほどに悪質だ。いじめは昨年春ごろから行われていたという。1年間も表沙汰にならずにいじめ行為が継続していたのだ。教育現場の閉鎖性が叫ばれて久しい。学校への管理統制が進むなか、いま我が国の教育界は危機に瀕している。

 問題になったのは神戸市須磨区の市立須磨東小。20代の男性教師が「(先輩教師から)嫌がらせを受けた」として今月11日、兵庫県警に被害届を提出。この教師は体調を崩して9月上旬から休職している。県警は暴行容疑で捜査する方針という。

 報道によると、若手教師をいじめていたとされるのは、40代の女性教師と30代の男性3人。昨年の夏休みに乳首を掃除機で吸われたのをはじめ、羽交い絞めにされ、激辛カレーを口に入れられた(2018年9月4日)▽ビール瓶を口に突っ込まれて飲まされ、ビール瓶で頭をたたかれた(18年、運動会後の飲み会)▽ドレッシング、焼き肉のたれ、キムチ鍋のもとなどを大量に飲まされた(18年末の飲み会後)▽車に大量の灰皿の水をまき散らされた(19年5月)▽「(被害教師の)学級、めちゃくちゃにしたれ」と言われた(19年春)▽携帯電話を隠された(19年6月)――などはいじめ時期がはっきりしているケース。

 平手打ちにされたり、蹴られたりする(毎日のように)▽かばんに氷を入れ、びしょびしょにされた(18年から数十回)▽児童に配布するプリントに水を垂らされた(18年から何度も)▽「性病」「くず」「くそ」「うんこ」「ごみ」などと呼ばれる(毎日)▽首を絞められて呼吸困難になった(複数回)――などもあり、いじめは手を変え品を変えて毎日のように行われていた。

 若手教師の代理人弁護士によると、いじめは昨年春に始まり、毎日のように手打ちする▽熱湯の入ったやかんを顔につける▽ジーンズをビリビリに破る――などの被害に遭った。「お前の父親はろくでもない」といった暴言をはかれ、「教室が汚れるから来るな」と授業見学を断られたこともあり、いじめ行為は約50種類にのぼっている。(10月12日付毎日新聞)

 平手打ちや熱湯やかんを顔につける行為などは、戦時中、下士官や上等兵が二等兵にビンタを食らわせる場面を想起させるが、今回の4人の教師の行為は、もっと陰湿で執拗だ。だれが見ても常軌を逸している。それにもかかわらず表面化しなかった。運動会後の飲み会や年末の飲み会後のいじめ行為については、他の教師も目撃していたはずだ。酒の席をいいことに4教師に同調したか、少なくとも見て見ぬふりをしていたのだろう。だれ一人止めようとしなかったのだろうか。

 残念ながらこの世の中には、弱い者をいじめることによって自らの精神の平衡を保つ心の貧しい人がいる。いじめのターゲットにされたくないため、いじめに加担する者がいることも現実だ。こうして、いじめ加害者―いじめ加担者―いじめ被害者という形でいじめは常態化しえいく。私はこれを「構造いじめ」と呼んでいる。今回のケースは構造いじめの典型であろう。

 こうした構造いじめがあると、その組織は淀んで血が詰まったような状態になり、陰鬱な空気に包まれる。これを防ぐには、組織に窓を開けて風通しをよくする以外にない。

 学校はかつて地域の文化センターであった。地元の人たちが運動会や学芸会だけでなく、なにかにつけて訪ねてきた。今は校門がぴしゃりと閉ざされ、卒業生ですら一歩も入り込めない。「児童、生徒を守る」を錦の御旗に、学校は地域社会との間に壁をつくり、一種の閉鎖社会となっているのだ。それを教育行政が推し進めてきた。教育委員会―校長―教頭―教員という縦のラインを構築することで、管理統制がしやすくなるからだ。

 今回のいじめが「神戸方式」に原因がある、との声がある。人事について校長に大きな発言力があることを指しているようだ。これを機に、市教委は学校管理をいっそ強めようとするだろう。だがそれはいじめ問題の解決策にはほど遠い。

 窓を開けよ、と私は言った。それは教師が自主的に行うことであって、教委が命令で行うことではない。そのことに気付いていないとすれば、教育現場の風通しは決してよくならない。

現代時評《表現の不自由時代》片山通夫

 愛知トリエンナーレが再開された。そして「表現の不自由展」が話題になったことは周知のことなのでここでは書かない。ただ名古屋市長が座り込みをして再開に反対したということだけは書いておく。

 このニュースを聞いていてふと思ったことがある。戦前、特高警察が小林多喜二をはじめ多くの人々が思想犯として逮捕、拷問そして獄死に至らしめた。

 《多喜二に限らず、戦前、思想犯として数十万人が逮捕され、その内7万人以上が送検、400名以上(1,503人とも)が獄死したとされます》(「朝日新聞・平成29年6月1日朝刊)。

 また「あの人の人生を知ろう~小林 多喜二」 に次のような文が掲載されている。

《書くこと自体が生死を賭けた戦いだった…この国にはそんな歴史がある。それも明治や江戸時代の話ではなく、昭和のことだ。

 特別高等警察、略して特高。手塚治虫の『アドルフに告ぐ』にも登場するこの組織は、体制に反対する労働組合員や反戦平和活動家など、政府に逆らう思想犯を徹底的に取り締まる目的で明治末期に設立され、その後敗戦まで強権をふるった。

特高は国家反逆罪や天皇への不敬罪を武器に、密告とスパイを活用して“非国民”を手当たり次第に検挙し、残忍な拷問で仲間の名前を自白させてはさらにイモヅル式に逮捕していった。》

 さてここから本題。

もし先に挙げた多喜二をはじめとする「思想犯」ら400人(もしくは1,503人)の人々の像を彫刻されたらこの企画展に物言った人々はどのように反応するのだろう。戦前の天皇の名のもとに不敬罪などで特高警察が取り締まり、拷問し、挙句の果てに死に至らしめた「罪」に対してはどのように考えるのだろう。やはり不敬だの済んだことだと、いや当時の法律を犯したのだからと、取り繕うのだろうか。

 今我々の持つ憲法や法律は「表現の自由」は保証されているはずだ。だから名古屋市長も、おそらく本来ならば許可されない「公共の建物・敷地内」での示威運動も警察権力など公的機関からの排除もされずに「無事最後まで」座り込みができた。

 そうもわからないというか、理解に苦しむ公権力の在り方・・・・。

現代時評《体質ぴったりの政策を!》片山通夫

 台風19号の被害にあわれた人々にお見舞いの言葉をお届けしたい。まだまだ被害は増えてゆくような報道もあるので、十分な対策をおとりになるよう祈っております。

 ところで、政府・与党のこの事態をどうも真正面から対応していないように感じられるのは、筆者だけなのか?

 ここに気象庁が発表している《災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)》というデータがある。約30年にわたる記録だ。  

 毎年、大雨というか豪雨や台風などの自然災害で被害を受けている。はなはだしい年では、10件も発生している。言っておくがこの記録には東日本大震災のような地震の被害は含まれていない。。雨の降り方を少なくするとか、台風を消滅させるとかはできない。しかし「治水」などと言って、ダムを造ることが目的のダムなどに莫大な費用をかける必要は決してないが、国民の生活を守るための政策を迅速に取り入れてもらいたいものだ。

 北朝鮮の脅威に対応するためのイージス弾道ミサイル防衛システムを代表とする米国製品を、トランプ大統領に買わされているようなことをしないで、「国民ファースト」で予算の再配分を30年かけてしてみてはどうだろう。

 少なくとも、「政府・自民党の体質」にぴったりの政策だと思うのだが…。

具体的には次のようなことが考えられる。

1)災害のたびに国民の善意からの自発的なボランティアに頼っていないで、まず自衛隊を航空自衛隊と海上自衛隊とを再編し専守防衛隊とする。陸上自衛隊は解体して災害救助隊として再編し、飲料水、食料、医療なども含めた総合的な災害救助を行う。もちろん海外の災害にも派遣する。国内、海外を問わず迅速に派遣するために、現在の航空自衛隊や海上自衛隊の航空部門を一部割譲して航空部も併せ持つことになる。

 言ってみれば赤十字の別動隊。消防は救急、火災など現状の任務に限り、災害救助は救助隊に。これらの基地は過疎に悩む地方に置き、大都市には何も置かない。ただし迅速に国内すべてをカバーできるように配置する。そのために遊休地を積極的に活用する。

2)ある意味、土建国家になるが、電柱などライフラインの整備に相当の予算をつける。共同溝を整備して、ガス、電気、水道、通信などのラインは共同溝に入れる。

 これらの施策を実行するための予算を重点的に配分するための法律を作る。憲法に定められた健康で文化的な生活を送るためか否かだけで予算化できれば…。

 以上、夢のようなことを書いたが、政治家が過去のしがらみに絡まっていないで、この災害列島を「強靭で文化的な生活を送れるようにする」という目的だけで今後30年を過ごせれば安倍首相も、つまり自民党政権も歴史に名を残すことになるだろう。もちろんいい意味で!

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【地震/噴火 頻発】

青森・八甲田山で火山性地震「この二日間で計127回」
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/1/31501.html

チリでM6.8の地震 津波のおそれなし
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190930/k10012104541000.html

【南北朝鮮】

北漁船、水産庁船と衝突=沈没、乗組員60人救助-能登半島沖EEZ・海保
http:// https://sp.m.jiji.com/article/show/2279255

サハリンに強制動員された韓国人の遺骨14柱、故国に戻る
https://ux.nu/862uu

京都・ウトロ地区に韓国語版案内書を寄贈 女優ソン・ヘギョさんら
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191009001800882

朝鮮人慰安婦と日本人慰安婦のしっかり握られた手…韓国創作オペラ『1945』に大きな好評
https://ux.nu/wcRQo

韓国 検察が特捜部を大幅に縮小へ
http://www.news24.jp/articles/2019/10/02/10509017.html

日韓メディアの労組が共同宣言「ナショナリズムを助長する報道には加担しない」
https://ux.nu/49H3w

『反日種族主義』批判の日本人学者「朝鮮人が貧しくなったのに収奪・搾取なかった?」
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34513.html

東京五輪での旭日旗使用 禁止求める決議案可決=韓国国会
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190930002700882

チョ・ググ氏報道めぐりハンギョレ新聞の若手記者が決起 「文在寅政権の御用化」阻止を訴え
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishimarujiro/20190922-00143701/

【壊れ行く日本】⇒もう何でもあり・・・・

関電と“原発のドン”との“蜜月”関係…稲田元防衛相、高木元復興相へ飛び火
https://dot.asahi.com/wa/2019100700100.html

世耕氏側に600万円を献金 元助役雇用の原発工事会社社長
https://this.kiji.is/554240669592077409

関電だけじゃない 原発あるところに“第2の森山”必ずあり
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262856

関電、金品受領をほぼ記録せず
https://this.kiji.is/552831273530541153

関電・八木会長、引責辞任へ 金品受領問題で
https://www.sankei.com/economy/news/191009/ecn1910090006-n1.html

20年ほど前 関電が小浜署幹部にビール券贈ったか
https://www.fnn.jp/posts/1708FTB

死人に口なしか。故人の元助役に責任なすりつけ逃げる関電の卑劣
https://ux.nu/ZtkQT

東電「津波想定」引き下げるため圧力 東北電力のメールで明らかに
https://dot.asahi.com/aera/2019100200014.html

文化庁審査委員辞意 補助金不交付「審議すべきだった」
https://ux.nu/Y70OY

福井県幹部も受領=高浜町元助役から10万円商品券も-福祉担当者ら就任時に
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100300489&g=soc

汚染水議論「ピーチクパーチク」 エネ庁幹部がFB投稿
https://www.asahi.com/articles/ASMB14VM4MB1ULFA020.html

日本郵便横山邦男氏解任が避けられない情勢
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-a072dc.html

NHK会長注意に謝意 元総務省次官の郵政副社長
https://ux.nu/1r3AP

表現の自由、塩対応 強気の安倍政権 過去には報道に「圧力」も
https://ux.nu/9xTb4

立憲・枝野氏、NHK経営委は辞任を=かんぽ報道
https://web.smartnews.com/articles/hvS7QNQVFSb

芸術に口出す権力を大衆が支持…ナチス・ドイツと同じでは
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/260393

関電以外は“目こぼし” 菅原経産相が狙う腐敗構造の矮小化
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262590

【忍び寄る戦争】

トルコ、シリア北東部への軍事作戦開始
https://ux.nu/nwnnM

【世界のニュース・話題】

「グレタ人形」ローマの橋につるされる 脅迫容疑で捜査開始
https://www.afpbb.com/articles/-/3248550

ノーベル賞候補に躍り出た16歳、グレタ・トゥンベリさんの驚くべきメディア戦略
https://bunshun.jp/articles/-/14306

トランプ政権は通話隠ぺいか トランプ氏は内部告発者を「スパイ」と
https://www.bbc.com/japanese/49848138

電気も水道もなし 北アイルランドの田舎で暮らす高齢女性、潮流の最先端に?
https://www.afpbb.com/articles/-/3243326

ナマケモノ、リラックスしすぎ 天敵いなくて木から降りて眠る
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/945004

米上院、弾劾裁判入りやむなし 下院訴追なら=共和党トップ
https://web.smartnews.com/articles/hvTGar6t5RM

「反逆」「内戦」 弾劾危機のトランプ氏、ツイートで猛反撃
https://www.afpbb.com/articles/-/3247239
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            片山通夫関連Website

            609studio サイト
           http://609studio.com/

           グラフ誌 Lapiz のサイト
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々の暮らしを折にふれて撮りためた素顔のサハリン。さり気ないアプローチでと
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現代時評《地震予知無視を許す原発刑事裁判》井上脩身

 テレビで緊急地震速報が流れたとき、多くの場合すでに地震が発生しているか、せいぜい発生の数分前だ。このアナウンスのさい、津波の恐れの有無も予報してくれるが、これでは家が津波の被害を受けないように塀をつくる時間があるはずがない。とるものもとりあえず高台に逃げるのが精いっぱいだ。原発も同様、津波が現実に襲ってくるまで何も対策をとらなくてもやむを得ない。東京電力福島第一発電所の事故をめぐる刑事裁判で、東京地裁が19日に言い渡した無罪判決はそう述べたにひとしい。原子力発電という、放射性物質を高度に使用する業者も、普通の市民と変わらないレベルの危機意識でよしとするこの判断が許されるならば、必ずや第二の福島事故が起きるであろう。

 裁判は、強制起訴によって業務上過失致死傷罪に問われた東電旧経営陣の勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長に対して行われ、3被告は一貫して無罪を主張。禁固5年が求刑されたが、長渕健一裁判長は「事故を回避する義務を課すにふさわしい予見可能性があったと認めることはできない」と、被告側の主張を全面的に認めた。

 公判での最大の争点は「最大15・7メートルの津波が原発に襲来する可能性がある」との試算についての判断。試算は、政府の地震調査研究推進本部(地震本部)が2002年に公表した地震予測「長期評価」に基づいて行われたもので、東電は08年3月に受け取っていた。3被告は担当者から「海抜10メートルの敷地を超える津波が原発に押し寄せる可能性がある」との報告を受けていた。(9月20日付毎日新聞)

 報道によると、通常の刑事裁判の検察官に当たる指定弁護士は武藤元副社長について「担当者から15・7メートルの試算を聞いた08年6月には津波を予測。同7月には対策をとるよう進言があったのに先送りした」、武黒副社長には「担当部長から15・7メートルの試算を聞いた09年4~5月ごろには津波の予見ができたが、対策の検討や原発の運転停止の提案を怠った」、勝俣元会長についても「09年2月の会議で担当部長の巨大津波襲来の可能性の発言を聞いて以降、津波を予見できたが、対策をとらなかった」などとした。

 3被告への指定弁護士の主張を総合すると、東電幹部は08年6月~09年5月までの間に、津波に襲われることを予見したのに、その対策をとる義務を怠った結果、原発事故が起き、放射能の拡散による死傷者をだしたことになる。

  これに対し被告側は「試算の基になった長期評価は信頼性がないと聞いた」(武藤元副社長)、「試算は信頼性が乏しく、外部の専門家に検討してもらうことになった」(武黒元副社長)などと主張。「信頼できなかったので対策をとらなかった」というのだ。

 判決は「長期評価」の信用性について、海底の状況の違いを考慮していない▽専門家の評価も分かれていた▽原子力安全・保安院(当時)も「参考情報として扱っていた――などとして「信頼性に限界があった」と判示。この上に立って「原発の運転停止を決断せざるを得ないほどの具体的予見可能性があったとはいえない」として、指定弁護士の主張を退けた。

 以上が裁判の要約である。私は原発の法的判断について、「許されざる危険」の法理にたつべきだとの立場である。

 自動車運転が認められるのは、道交法などの法律に基づくもので、これを「許された危険」と呼ばれており、過失については具体的予見可能性があることが前提である。これに対し、原発のような極めて広範囲にわたって人々の生命・身体に危害を及ぼすものについては「許されざる危険」として、抽象的予見可能性があれば、過失犯に問われ得る、と私は考える。

 しかし、現実の裁判では「日本は地震国だからいつか地震が起きる」という抽象的予見可能性では立証としては不十分だろう。そこで、政府の「長期評価」が具体的予見可能性の根拠となり得るものかどうかをみてみたい。

 添田孝史氏の『東電原発裁判』(岩波新書)によると、政府の地震本部は過去の地震、衛星測位システムで観測した地形のひずみなどのデータを総合して、三陸沖から房総沖の海溝寄りではM8・2前後の地震が今後30年以内に20%の確立で起きると分析した。この評価について04年に土木学会が専門家にアンケートをとったところ、7割近くが支持した。

 東電経営幹部はこうした報告も受けていたはずだ。政府の「長期評価」を「信頼できない」とするならば、一体何であれば信頼できるというのか。「1週間後に地震が起きて、津波がくる」と言われても、信頼できない、いや信頼したくないであろう。となれば、実際に地面の揺れを知覚する以外に信頼できるものはない。

 飛び出してきた子どもを車ではねた場合、「まさか飛び出すとは思わなかった」という抗弁は通らない。だが、原発という政府推進産業ならば、「まさかほんとうに津波が来るとは思わなかった」という弁明がまかり通るのである。

現代時評《ドローンテロの恐怖》片山通夫

 イージス・アショアというバカ高いミサイル防衛システムがある。

 平成30年度の防衛白書には

「イージス艦(BMD対応型)のBMD対応部分、すなわち、レーダー、指揮通信システム、迎撃ミサイル発射機などで構成されるミサイル防衛システム(イージス・システム)を、陸上に配備した装備品であり、大気圏外の宇宙空間を飛翔する弾道ミサイルを地上から迎撃する能力を有しています。北朝鮮に、わが国を射程に収める各種の弾道ミサイルが依然として多数存在するなど、弾道ミサイル防衛能力の向上は喫緊の課題である中、イージス・アショアを導入すれば、わが国を24時間・365日、切れ目なく守るための能力を抜本的に向上できることになります」とあった。

 つまり「大気圏外の宇宙空間を飛翔するミサイルを地上から迎撃」するための武器なのだそうな。

参考⇒ https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2018/html/nc020000.html

 先頃、サウジアラビアの石油施設が攻撃されて炎上した。世界の報道によると、ドローンで攻撃されたようだ。知っての通り、ドローンは非常に低空を飛ぶ。それに他の飛行物体よりも安価だ。車一台の価格で数機のドローンを飛ばせるだろう。筆者の知り合いにドローンで空撮をしている方がおられる。聞けばカメラがついて20万そこそこだとか。自動車での自爆テロに比してドローンでのテロは今回のケースを見ても非常に簡単なようだ。それに被害も大きい。過去に自動車爆弾で石油施設を炎上させるほどの被害を与えたことがあったか。下手をすればこのテロが引き金になって、アメリカ・サウジアラビアとイランが全面戦争に入るかもしれない。そんな非常事態を招いてしまった。

 かつて、自爆テロはなかった。時限爆弾や地雷などによるテロでも敷設者は安全な場所にいた。だから初めて自爆テロが2007年にアフガニスタンで起こった時は衝撃だった。今回のドローンによる攻撃は全くの想定外のことだったろう。だからなのかサウジアラビアは、迅速に韓国に対して「防空システム」の提供を申し入れた。これはもしかして2017年12月の韓国・中央日報に掲載されていた「軍が韓国型ミサイル防衛(KAMD)の核心武器である天弓(M-SAM)ブロック2を来年から量産する。新型国産地対空迎撃ミサイルの天弓ブロック2は200発以上生産される可能性」のことかもしれない。同記事によると「金泳三(キム・ヨンサム)政権から金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権まで続いた「プルゴム(エゾヒグマの意)事業」(1次1995-98年、2次2003-2006年)を通じてロシアから導入した技術を基礎としている。盧泰愚(ノ・テウ)政権が旧ソ連に貸した資金を返せなくなったロシアは韓国に武器と技術で代わりに償還する案を提案、金泳三政権がこれを受け入れてプルゴム事業が始まった。軍関係者は「天弓の性能は韓国軍が保有しているパトリオットミサイル(PAC3)より優れている」と述べた。価格はパトリオットより安い。業界関係者によると、PAC3は1発あたり100億ウォン(約10億円)程度だが、ブロック2の場合は50億ウォン程度」と安価だ。

 いずれにしてもサウジアラビアは韓国から安価なミサイル防衛システムに興味を示したのは確かだ。サウジアラビアはアメリカと強固な同盟国だ。その同盟国がアメリカの防衛システムでは役に立たないと判断すれば、他国から購入を検討する。

 一方我が国は「大気圏外の宇宙空間を飛翔する弾道ミサイルを地上から迎撃する能力」を有するというイージスアショアは産経新聞によると総額6千億円超 関連施設など含めると想定の3倍に(衛省試算)」なるらしい。

 一基数十万円のドローンで原発を攻撃されたらと思うとぞっとする。安倍首相は原発事故に関して答弁したように「そんなことは起こらない」と言い張るつもりなのだろうか。

 参考 http://urx3.nu/0skT

吉井英勝議員「海外(スウェーデン)では二重のバックアップ電源を喪失した事故もあるが日本は大丈夫なのか」

安倍首相「海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が発生するとは考えられない」

現代時評《飛鳥時代への思い》片山通夫

 その昔・・・まだ神話の時代のことである。伊弉冉(イザナミ)と伊弉諾(イザナギ)のお話。伊弉冉は火の神様を産んでやけどを負い亡くなって黄泉の国へ行ってしまった。島根県東出雲には黄泉の国への出入り口「黄泉比良坂(よもつひらさか)」がある。伊弉諾は伊弉冉恋しさに黄泉の国へ行ったがあまりにも変わり果てた伊弉冉の姿に驚いて逃げて帰ってしまった。根性なしである。そして筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で禊を行った際、天照大御神、月読命に次いで鼻を濯(すす)いだときに産まれたと古事記には書かれている。

 その素戔男(スサノオ)だが高天原で大暴れしてついには追放されて地上に降り立った。最初に降り立ったのが朝鮮半島の新羅の国だと日本書紀には書かれている。素戔男は手ぶらで倭の国へ行くのは少し体裁が悪いのか、当時倭の国よりも文明が進んでいた新羅へ降り立って、手土産を見繕った。筆者の憶測だが、まだ弥生時代で青銅器文化しかなかった倭の国に鉄器文化を手土産にしたと思われるのだ。

 当時倭の国は文化的には相当遅れていたと思うのだ。

 筆者は今更ながらだが、司馬遼太郎氏の「街道をゆく」のシリーズを読んでいる。その2巻目に「韓(から)のくに紀行」という巻がある。朝日文庫版の16ページに「大阪はこの原野に人間がほとんど住んでいなかったころ、百済からの移住者がきて拓き、そのころ百済郡という郡さえ置かれた。それが、今の生野区とか、鶴橋、猪飼野あたりらしい」

 ここにいう「百済からの移住者」たちはおそらく新羅に攻め滅ぼされた百済国の人々だったと思う。いわゆる渡来人たちである。

 ところで日本書紀一書(第四)に「素盞嗚尊の行いはひどいものであった。そこで、神々が、千座の置戸の罪を科せられて追放された。この時素盞嗚尊は、その子五十猛神をひきいて、新羅の国に降られて、曽尸茂梨(ソシモリ) の所においでになった。そこで不服の言葉をいわれて「この地には私は居たくないのだ。」と。 ついに土で舟を造り、それに乗って東の方に渡り、出雲の国の簸の川の上流にある、鳥上の山についた。」とある。

 わが国は友好国百済を助けんと唐・新羅軍と白村江で戦ったが完敗。ほうほうのていで逃げ帰った。この時百済人たちも倭国を頼って渡来した。時は天智2年8月(663年10月)のこと。

 つまり日本書紀に書かれている「新羅の国に降り曽尸茂梨(ソシモリ)」というところにいたとなっている。まさか白村江の戦いの最中でもあるまいし、それ以前の時代でもあるまい。というのは、もし百済を助けて「日本が勝っていたら」スサノオは堂々と出雲へ渡ってきたはずである。「この土地にはいたくない」というのは、土船に乗って早々に我が国へ渡ってこなければならなかったからであろう。新羅に負けたからだと思う。

 さて、我々は今、最悪の日韓関係に直面している。古代から朝鮮半島とは浅からぬ関係だったことを思うと、一時の誤りだと思いたいが、近代、特に1900年代からの両国の不幸な関係は一筋縄では解決しそうにない。

 けれど悠久の弥生・飛鳥時代に思いを馳せることができれば、新しい局面を迎えることができるかもしれない。何しろ百済人(渡来人)の血も我々には流れているはずだからだ。

現代時評《嫌韓というブーム》片山通夫

 安部政権があおっているのではないかとも思われるほど昨今のマスコミ、大手紙や週刊誌、特にテレビの「ワイドショー」と称する番組が多い。嫌韓記事や番組のことだ。

 まさに安倍政権への忖度記事や番組のオンパレードだ。

 『週刊ポスト』9月13日号が「『嫌韓』ではなく『断韓』だ 韓国なんて要らない」というタイトルで韓国批判記事を掲載した。

 まさに「嫌韓ブームに乗った」安直な記事なのだ。我が国は過去の過ち、つまり朝鮮(当時)を植民地にして大陸への侵略の足掛かりにした歴史をすっかり忘れてしまった結果が、この「週刊ポストの特集」に代表される嫌韓ブームなのだろう。はなはだしいのはこの記事の中で「ソウルは3日で占領できる」などと書いていることだ。

 いつの間にか、不戦の誓いはおろか、70数年前に戻って「戦争に向かって」突き進む時代になってしまっている。一週刊誌の記事だと侮ってはいけない。大なり小なり、このような風潮がもてはやされる時代になってしまっている。その代表が週刊ポストであり、丸山某が繰り返す「戦争で取り戻す領土」なのだ。

  「戦争は悪である」という意識が薄れてきたのだろう。いったい誰が「ソウルを3日で占領」するのだろう。自衛隊という若い兵士なのか。それとも「週刊ポストの記事にやんやの声援を送ってきた」匿名の読者?戦争や嫌韓をあおっているマスコミの連中?

 いずれも実体のない連中が売らんかなの浅はかな考えで無責任にあおっているだけだろう。

 しかし責任で恐ろしい時代になったものだ。

現代時評《頭を冷やそう》片山通夫

 安倍首相は「日韓請求権協定に違反するなど、国と国とのですね、信頼関係を損なう対応が残念ながら続いている、韓国側が続けているわけでありますが、日本はその中にあってもですね、現在の北東アジアの安全保障環境に照らせば、日米韓の協力に影響を与えてはならないという観点から対応してまいりました」と23日に記者団に語った。

 厚顔無恥とはこのことを言うのだろうか。しかし安倍首相だけのせいにしてはならない。いやできない。安倍に忖度する我が国のマスコミも大きな責任を負わなければならない。マスコミの安倍よいしょ記事に踊らされている大多数の国民のほとんどが「すべて韓国が悪い」との大合唱だ。徴用工問題もGSOMIA破棄も韓国の責任だと言ってはばからない。

 しかし少し待ってほしい。頭を冷やして振り返ってみたい。

本当に韓国政権の韓国人のせいなのか。

 もともとは日本の植民地政策にあったのだが敗戦後も日本は韓国を始め迷惑をかけた国や国民に真摯に向き合ってきたかが問題だ。日本は奇跡的に敗戦の焼け野原から立ち上がっていわゆる経済大国になった。しかしそこには朝鮮戦争(1950年6月25日 – 1953年7月27日)という朝鮮半島を舞台にした過酷な戦争で大儲けした日本があった。

 そこで日本は真摯に歴史に向き合えればよかったのに、経済第一という政策に走った。経済が強くなるといわゆる「札束」で物事を問題を解決しようとする。だから勢い傲慢になる。歴史を金で買う国に落ちぶれたのだ。それも自分に都合のいいだけの歴史を。

 慰安婦問題、徴用工問題をはじめとする日韓の問題はすべてここに起因するのではないだろうか。安倍首相をはじめとする「歴史修正主義者」たちの言動を振り返ってみればいい。彼らは韓国の文大統領や国民の反応や言葉が「ありえない判断」「日韓請求権協定で解決済み」とおうむ返しに行っているが全く「心」が感じられない。それでは相手は心を開くことはない。

 本当にこのままでは軍事衝突の危険もゼロではない。早々に安倍一派の退場を願うばかりだ。

現代時評《虚しさが極まった夏》:山梨良平

靖国神社

 74回目の夏である。この戦争の犠牲者は、植民地だった朝鮮の犠牲者を含むと、350万にのぼる。その他、中国や南方諸島、東南アジアなどを含むと気の遠くなるような犠牲者の数となる。無論、沖縄、広島、長崎を始め東京や大阪などの空襲の犠牲者も忘れてはいけない。

 そんな多大としか形容のしようがない犠牲者を慰霊する74年目の夏が今年の夏なのだ。

そして今を生きる私たちは彼ら、彼女たちの命と引き換えの人生を今歩んでいる。それは、民族、国、住んでいる地域の差こそあれ、まったく同じ犠牲の上に立っているという敬虔な気持ちを忘れてはいけない。

 しかるに安倍首相は時折「日本国民を代表して」あちこちで挨拶を述べる。今年6月23日の沖縄の「慰霊の日」では

先の大戦において、ここ沖縄は、苛烈を極めた地上戦の場となりました。20万人もの貴い命が失われ、この地の誇る美しい自然、豊かな文化は、容赦なく破壊されました。全ての戦没者の無念、ご遺族の方々の言葉に表し得ない悲しみ、沖縄が負った癒えることのない深い傷を思うとき、胸ふさがる気持ちを禁じ得ません。

ところが昨年同日の首相の挨拶は次のとおりである。

先の大戦において、ここ沖縄は、苛烈を極めた地上戦の場となりました。20万人もの尊い命が無残にも奪われ、この地の誇る豊かな海と緑は破壊され、沖縄の地は焦土と化しました。多くの夢や希望を抱きながら斃れた若者たち、我が子の無事を願いながら息絶えた父や母、平和の礎(いしじ)に刻まれた全ての戦没者の無念を思うとき、胸の潰れる思いです。

 この同じような挨拶は誰が書いたのかは知らないが、安倍首相本人ではないことは明白だ。「云々」を「でんでん」としか読めない馬鹿にこのような漢字交じりの文章を書けるわけがない。

 そして昨年の挨拶のコピーは広島でも長崎でも使われたと、もっぱらの評判だ。

 筆者は思う。このように「国民を代表して」慰霊のための挨拶をする場合、コピー然とした挨拶があっていいものだろうか。このような挨拶の使いまわしを平然とする首相の神経を疑う。そして原稿を書いた(はずの)人物が如何に首相を馬鹿にしているかが感じられる。

 8月15日に行われた政府主催の全国戦没者追悼式をみて、政治評論家・本澤二郎氏は次のように述べたと日刊ゲンダイ紙が書いている。

 安倍首相は『歴史と謙虚に向き合う』と口では言いますが、原稿を棒読みしているだけで、まったく心がこもっていない。日本が加害者だったという意識はないのでしょう。侵略ではなく自衛のための戦争だったと本気で信じているのだと思う。歴史に正しく向き合い過去に学ぶ気持ちがないから、隣国に対して居丈高に拳を振り上げる。失政を隠すために外に敵をつくるのは権力者の常套手段ですが、悲惨な戦争の記憶が薄れた国民もそれに安易に乗っかってしまう。非常に危険な最近の風潮です。

 「虚しさが極まった夏」と言える74回目の夏だった。

現代時評《国の矜持》片山通夫

 参議院選が終わった。安倍首相は夏休みとばかりにゴルフ三昧だそうな。まあご自分の小遣いでやられるのはご勝手にだが、戦闘機の爆買いや、外遊のたびのバラマキはもう少し国民の懐具合や生活事情を見てからにしてもらいたいものだ。

 先週の木曜日26日、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員2人を含む26人が重軽傷を負った事件は発生から3年を迎えた。関係者はまだまだ癒されないだろうとおもう。

 そこでふと思った。知的障害者を始め、様々な持った人を抱える家族はおそらく公的なもっと手厚い保護を望んでおられるだろうと。

 もし自分の子供が何らかの障害などをもって生まれたならば、親である自分が生活を共にできる間はまだしも、自分が亡くなった後のことを思えば、いてもたってもおられないと思う。

 我が国の体裁(大国たる見栄??)を考えるなら、戦闘機の爆買いやバラマキは決して良い策だとは思えない。すべての国民が平穏にその人生を終えることができるような政策をとることが、大国の矜持だと思うのだが。

現代時評《参議院選後の地獄がやってくる》片山通夫

 参議院選が終わった。結果はご承知の通り。細かいことはさておき、この後我が国は修羅場を経験するような予感がする。まず対米貿易。5月のトランプ訪日時に日米首脳が会談して「貿易交渉、8月に発表」と彼は話した。

 とりもなおさず安倍は選挙後に持ち越させたわけだ。その選挙が昨日終わった。トランプはこの選挙が終わるのを首を長くして待っていたことだろう。彼の言う「貿易赤字」を解消する機会がやってきたわけだから…。次は自分の選挙だ。国内的に立場を強くしておきたい。ましてイラン情勢が極度に不安定だ。米軍をホルムズ海峡に投入しなければならないかもしれない。しかし戦争は避けたい。米軍に犠牲者が出れば選挙どころの話ではなくなる危険がある。そこでうまいことを考えた。「有志連合」という連合軍の構成である。

 今後安倍は対イランへの融資連合への自衛隊の参加をもくろみ、農作物の輸入に関して大きく譲歩するだろう。その時日本の農家は壊滅的な打撃を受ける。一方自動車の対米輸出はもう作物の関税撤廃とバーター取引のごとく交渉するのではないか。

 参議院選の結果は出た。かろうじて改憲勢力の力はそぐことはできたが、これも薄氷を踏む思いだ。結局死んだふりをした国民が馬鹿を見ることになりそうだ。

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◆現代時評《打ち出の小づち》片山通夫
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 安倍首相が26日に通常国会閉幕に際して会見でこう言い放った。
現行の年金制度維持する考えを示して「打ち出の小づちない」

 これは老後の生活費が2千万円(一説には2千9百万)不足するとされた問題で、国民の年金への関心が高まる中、「負担を増やすことなく、給付だけを増やすことなどできない。年金を増やす打ち出の小づちは存在しない」と述べたようだ。
 
 この男、国民の生活よりも「トランプにゴマをする」、「外交の安倍を気取る」ことにだけ、頭が回るようだ。いったいトランプからいくらの武器を買わされたのか、また用もないのに外国へ出かけて金をばらまいたのか。
 例えば北方領土に関して言えば、まんまとプーチンにしてやられて、何千億だか、上納したようだ。
 ワシントンポストは次のように伝えた。
《北方領土問題を巡る日ロ交渉に関する特集記事を掲載、日本が目指していた20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)におけるロシアとの平和条約大枠合意の希望はついえたとした上で、安倍晋三首相が「2島プラスアルファ」という大きな譲歩をしたにもかかわらず、プーチン・ロシア大統領は逆に態度を硬化させたと指摘。プーチン大統領が日本の経済協力に向けた意欲を引き起こすため、取引が可能との印象を与えてきたとも強調した。》

一方、トランプから買い取った、もしくは買い取る予定の武器の総額はいったいいくらになるのだろうか。その上に日米安保は不公平だと…。この上なお金を引き出すつもりのようだ。

 この男の小づちは外国だけに向いている。原資は国民の血税だろうに。

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◆現代時評《参議院選挙、その後が恐ろしい》片山通夫
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 トランプが天皇の主催する晩さん会に出席して、大相撲を見て、
安倍とゴルフして、マスコミから「安倍首相“おもてなし外交”
に1兆円兵器大人買い 米メディアも批判」とある。「安倍首相
ほどトランプ大統領を喜ばすのに腐心した国家首脳は、他にはい
なかったのではないか」、「日本のリーダーは、最も大切な同盟
関係を維持するためなら、やれることは何でもやるとまでみられ
ている」ワシントンポスト、「安倍首相、おべっかの積み上げ。
 結果はいかに?」、「米中貿易戦争のあおりを日本が受ける可
能性や、北朝鮮のミサイル問題など、課題が山積みである」。  
   AERA.dot http://u0u0.net/QHS8
                  
 日米貿易交渉でトランプが「大部分は7月の日本の選挙の後ま
で待つことになる。大きな数字を期待している」とツイートした。
これは何を意味するかというと、今更ながらの参議院選の争点に
なることを隠すことだ。
 逆に言えば「日本との交渉では大きな進展がある。農業や牛肉
はとりわけそうだ」と交渉が順調に進んでいるとの認識を示した
トランプの交渉上手の勝ち。つまり安倍はまんまとトランプの手
のひらで転がされているわけだ。

 おまけに年金問題がまた持ち上がってきた。麻生という馬鹿な
財務相が得々と口を滑らせた。「2000万円発言」である。金融庁
は「95歳まで生きるには、年金だけでは足りず、65歳からの30年
で、金融資産などおよそ2,000万円を取り崩す必要がある」と試
算した。  

 安倍政権は金融庁のこの報告を選挙前に隠すこと(なかったこ
とにすること)に躍起のようだ。今回の「年金じゃ足りない」発
言をめぐっては、首相周辺から、参議院選挙への影響を危惧する
声が上がっているというわけだ。

 私たちは、あまり期待できない野党を当てにするよりも「安倍
政権を崩壊させる(引きずり下ろす)」ことに力を注ぐことにし
たいものだ。

 それには来月行われる参議院選で、変な話だが、当てにできな
いけれども野党の候補を圧勝させることだ。ここでは残念ながら
野党の力を借りなければならない。しかしとりあえず安倍を退陣
させることができれば、次の政権に注意を喚起させることができ
る。

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◆現代時評《暴走・逆走感知システムの開発を急げ!》片山通夫
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 さながら国を挙げてのキャンペーンである。高齢者の運転する車の暴走・逆走事故が後を絶たないからしかたがないのだろ
うが・・・・。

 事故の原因のほとんどが、アクセルとブレーキの踏み間違いだという。勿論逆走は別だか…。

 暴走する車の場合、たいていアクセルとブレーキの踏み間違いが原因だと取れる報道が多い。ならばアクセルを踏み込めば
ブレーキがかかるという仕様にはできないのだろうか。今時の車はほとんどコンピュータ制御で動いていると思うのだが。
 前や後ろのバンパーに障害物を感知するセンサーがすでに取り付けられている。このセンサーとブレーキを連動させて車の
進行方向に障害物がなければ車はゆっくりスタートする。あればブレーキがかかる。もし急激にアクセルが踏まれれば、踏み
間違いだと判断してブレーキがかかるというシステムは、物理的な大改造しなくてもコンピュータの制御でできると思うのだ
が…。

 今一つ、自動運転だのなんだのという前に逆走しようとする車にも同様のシステムで逆走する車の侵入は止められると思う
のだが…。ETCのシステムで料金ばかり取ること考えないで、逆走車にブレーキをかけるもしくはアナウンスさせるくらい
簡単だと思うのだが…。

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