現代時評《体質ぴったりの政策を!》片山通夫

 台風19号の被害にあわれた人々にお見舞いの言葉をお届けしたい。まだまだ被害は増えてゆくような報道もあるので、十分な対策をおとりになるよう祈っております。

 ところで、政府・与党のこの事態をどうも真正面から対応していないように感じられるのは、筆者だけなのか?

 ここに気象庁が発表している《災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)》というデータがある。約30年にわたる記録だ。  

 毎年、大雨というか豪雨や台風などの自然災害で被害を受けている。はなはだしい年では、10件も発生している。言っておくがこの記録には東日本大震災のような地震の被害は含まれていない。。雨の降り方を少なくするとか、台風を消滅させるとかはできない。しかし「治水」などと言って、ダムを造ることが目的のダムなどに莫大な費用をかける必要は決してないが、国民の生活を守るための政策を迅速に取り入れてもらいたいものだ。

 北朝鮮の脅威に対応するためのイージス弾道ミサイル防衛システムを代表とする米国製品を、トランプ大統領に買わされているようなことをしないで、「国民ファースト」で予算の再配分を30年かけてしてみてはどうだろう。

 少なくとも、「政府・自民党の体質」にぴったりの政策だと思うのだが…。

具体的には次のようなことが考えられる。

1)災害のたびに国民の善意からの自発的なボランティアに頼っていないで、まず自衛隊を航空自衛隊と海上自衛隊とを再編し専守防衛隊とする。陸上自衛隊は解体して災害救助隊として再編し、飲料水、食料、医療なども含めた総合的な災害救助を行う。もちろん海外の災害にも派遣する。国内、海外を問わず迅速に派遣するために、現在の航空自衛隊や海上自衛隊の航空部門を一部割譲して航空部も併せ持つことになる。

 言ってみれば赤十字の別動隊。消防は救急、火災など現状の任務に限り、災害救助は救助隊に。これらの基地は過疎に悩む地方に置き、大都市には何も置かない。ただし迅速に国内すべてをカバーできるように配置する。そのために遊休地を積極的に活用する。

2)ある意味、土建国家になるが、電柱などライフラインの整備に相当の予算をつける。共同溝を整備して、ガス、電気、水道、通信などのラインは共同溝に入れる。

 これらの施策を実行するための予算を重点的に配分するための法律を作る。憲法に定められた健康で文化的な生活を送るためか否かだけで予算化できれば…。

 以上、夢のようなことを書いたが、政治家が過去のしがらみに絡まっていないで、この災害列島を「強靭で文化的な生活を送れるようにする」という目的だけで今後30年を過ごせれば安倍首相も、つまり自民党政権も歴史に名を残すことになるだろう。もちろんいい意味で!