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連載コラム・日本の島できごと事典 その35《野島断層》渡辺幸重

野島断層「ひょうご観光本部」HPより

 1995年(平成7年)117日・火曜日・0546分、マグニチュード7.3の兵庫県南部地震が発生しました。この直下型地震はマンションやビルを倒し、高速道路や鉄道、ライフラインを分断し、火災を起こし、神戸市を中心に死者6,434人・行方不明者3人・負傷者43,792人・住家被害約64万棟という甚大な被害をもたらしました(消防庁調べ、2006519日確定値)。これが「神戸・淡路大震災」です。 続きを読む 連載コラム・日本の島できごと事典 その35《野島断層》渡辺幸重

現代時評《コロナ無策政府によって失われる命》井上脩身

私の手帳の5月10日の余白に「L452R」「HLA-A24」の記載がある。L452Rは新型コロナウイルスのデルタ株、HLA-A24は白血球の型のひとつ。デルタ株はこの型の白血球をすり抜ける能力がある、という意味である。ネットにアップされた研究報告に、「日本人の6割がこの型の白血球を保有している」と記されているのに目が留まり、2~3カ月後に日本で大流行すると直感、メモしておいたのだ。 続きを読む 現代時評《コロナ無策政府によって失われる命》井上脩身

現代時評plus《五木の子守歌》片山通夫

五木村の橋の欄干のレリーフ

昔から気になっていた歌がある。五木の子守歌。筆者は熊本県や五木村に縁があるわけでもない。それでもなぜか気になっていた。今思うと高校の修学旅行で九州へ行ったときに聞いた歌だったのかもしれないが定かではない。

おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃおらんと
盆が早よくりゃ 早よもどる
(伝承者 吉松 保)
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現代時評《怒りを込めて振り返れ 嘘で始まった五輪》一之瀬明

コロナウイルスが蔓延している。日々感染者の数が更新されていることはテレビやインターネットのニュースサイトでご存じだろう。そして今日8月8日、オリンピックは閉会式を迎えた。続く24日からのパラリンピックはどうなることやらと心配である。コロナが今よりも収束していれば良いが、パラリンピックを中止すれば「差別になりそう」な・・・。 続きを読む 現代時評《怒りを込めて振り返れ 嘘で始まった五輪》一之瀬明

連載コラム・日本の島できごと事典 その33《霊場・松島》渡辺幸重

雄島の岩窟(宮城県の観光情報マガジン『GOGO MIYAGI!』より) https://gogo-miyagi.com/45

日本三景といえば、松島・天橋立・宮島です。奥州の松島は、松島湾内外に300近い島々を浮かべ、白から灰白色の岩肌と松の緑の景観から国内屈指の観光地になっています。江戸時代から景勝地として知られる松島ですが、その前は“奥州の高野(こうや)”と呼ばれ、死者供養の霊場だったことをご存知でしょうか。
松島湾北西部にある雄島(おしま)は「松島」の名称発祥の地で、後鳥羽上皇から送られた千本の松をこの島に植えたことから「千松島(ちまつしま)」と呼ばれ、さらに広がって一帯が「松島」と呼ばれるようになりました。 続きを読む 連載コラム・日本の島できごと事典 その33《霊場・松島》渡辺幸重

今日は立秋。

 

まだまだ暑い日が続きそうです。コロナも猛威を振るっていますご自愛ください。

秋きぬと眼にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行

現代時評plus《オリンピックの終焉が近い》山梨良平

新型コロナウイルス

今、一年遅れで東京オリンピックが開催中だ。コロナに追われてドタバタの様相が透けて見えてきた。無論日本政府やJOC内部の実行能力不足が主な原因。委員会内部の実相は詳らかではないので、表に現れた事象から推測するしかない。開会式の費用に見合う式典はあったのか?小池知事と菅首相が天皇陛下の開会宣言時に起立しなかった。この映像は世界に流れてしまった。 続きを読む 現代時評plus《オリンピックの終焉が近い》山梨良平

連載コラム・日本の島できごと事典 その32《日本初ネイティブ英語教師》渡辺幸重

トーテム・ポール型のラナルド・マクドナルド上陸記念碑(「ウィキペディア」より)

鎖国時代の1848年(嘉永元年)、一人のアメリカ青年が北海道北西側の日本海に浮かぶ焼尻島の白浜に上陸しました。もちろん密航です。青年の名はラナルド・マクドナルド。ニューヨークから捕鯨船に乗り込み、樺太沖から単独ボートに乗り換えて焼尻島に上陸したのです。彼の母親はネイティブアメリカンで、肌が有色のため差別を受けていたマクドナルドは、母方の親戚から自分たちのルーツは日本人だという話を聞いて日本にあこがれ、日本行きを決意したということです。 続きを読む 連載コラム・日本の島できごと事典 その32《日本初ネイティブ英語教師》渡辺幸重

連載コラム・日本の島できごと事典 その31《自然と共生する野生馬》渡辺幸重

ユルリ島の道産子(「根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会」HPより)

北海道東部・根室半島の付け根付近の南岸沖にユルリ島という無人島があります。絶滅危慎種の貴重な海鳥が多く繁殖し、希少な高山植物も多い自然豊かな島です。その島に人間が放した馬が野生化して棲んでいます。一般に人間が島に持ち込んだ外来動物は島本来の自然を破壊するものとして駆除の対象になりますが、ユルリ島の馬はいったん絶滅策がとられたものの最近、人の手によって増やそうという活動がみられます。「自然と共生する野生馬」だというのですが、それはなぜでしょうか。 続きを読む 連載コラム・日本の島できごと事典 その31《自然と共生する野生馬》渡辺幸重

現代時評《五輪開会と天皇政治利用》井上脩身

東京オリンピックが7月23日、開幕し、国立競技場で行われた開会式で、天皇が開会を宣言した。1964年のオリンピックでも昭和天皇が開会宣言をしており、東京五輪の名誉総裁として当然の任務を果たした過ぎないが、57年前の五輪と決定的に異なるのは、スタンドに観衆が一人もいないことだ。宮内庁長官の「(陛下が)感染拡大を懸念している」との拝察発言が全く無関係とは言い切れないだろう。その効果に着目し、天皇を政治利用しようとする動きが出てくる恐れもないとは言えまい。私は、この五輪が戦前回帰への起点になるのでは、との不安にかられるのである。 続きを読む 現代時評《五輪開会と天皇政治利用》井上脩身