現代時評《アルジャジーラに花束を!》片山通夫

アルジャジーラがイスラエル国内から追放されたというニュースが流れた。時事通信(2024年05月05日配信)によると「イスラエル政府は5日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラの国内での活動停止を全会一致で閣議決定した」と言うことらしい。
馬鹿なことをしたものだ。勿論イスラエル政府のこと。そんなことをしても当然のことながらアルジャジーラは「ガザ内に残り、イスラエルの大量殺害を非難する数少ないメディアだ」となるだけだ。

アルジャジーラ:アラビア語と英語でニュース等を24時間放送している衛星テレビ局。本社はカタールのドーハにある。タグラインは、「一つの意見があれば、もう一つの意見がある」。 英語ではAl JazeeraもしくはAljazeeraと綴られる。

このニュースに接して考えさせられるのは《国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)英国支部は5月3日、ロンドンで2024年の「報道の自由度ランキング」を発表したこと。調査対象の180カ国・地域のうち日本は70位と前年68位から2つランクを落とした。主要7カ国(G7)の中で最下位だ。》というニュース。我が国の大手マスコミや政府は「北朝鮮関連」、「尖閣列島関連」にはヒステリックな報道だが、人権関連のニュースや報道の自由に関しては、とても動きが鈍い。

ここで問題になるのはいつも記者クラブシステムの存在だった。日本にも各国の支局や特派員事務所はある。そして特派員協会がある。日本国内のニュースや政府の指針などを海外の政府や国に知ってもらい理解を深めるにはとてもいいシステムだ。しかし筆者の記憶によると在職に史上最長を誇った故安倍晋三氏も現職の岸田首相もこの協会での記者会見には実績がない。そして内閣記者会と言う提灯記事を書くしか存在価値のないクラブで「政府広報」を流すのみだ。

一説には海外の記者からの容赦ない質問に答えられない、官僚の書いたペーパーを読むだけしか脳のない首相会見は恥をかくだけだという話もある。つまり制度も記者も、政治家も全て劣化しているのが我が国の現状だ。
一方《アルジャジーラ局のイスラエルとパレスチナ自治区の責任者はロイター通信に対し、「(決定は)危険で政治的動機に基づいている」と非難。取り消しを求めて裁判所に訴える可能性を示唆した》とある。

※「アルジャーノンに花束を」をもじりました。原作とは全く無関係です。もともとはダニエル・キイスによる小説で、かつてTBSがドラマとして放映した。