現代時評《怒りを込めて振り返れ 嘘で始まった五輪》一之瀬明

コロナウイルスが蔓延している。日々感染者の数が更新されていることはテレビやインターネットのニュースサイトでご存じだろう。そして今日8月8日、オリンピックは閉会式を迎えた。続く24日からのパラリンピックはどうなることやらと心配である。コロナが今よりも収束していれば良いが、パラリンピックを中止すれば「差別になりそう」な・・・。

まあ、先のことは神のみぞ知るだが、神にも祈りたい気分でもある。

コロナは年金生活者の筆者としても辛いものがある。スポーツにはあまり興味がわかない。昔は水泳程度はしていたが…。それで時間が山とある身だからオリンピックが「嘘で招致された」件をを調べてみた。
森前会長の舌禍で退任や開会式前日に演出トップがユダヤ人大量虐殺をネタにしていた問題で解任された事件などはここでは書かない。

まず最初は「フクシマについてお案じの向きには私から保証をいたします。状況は制御下(アンダーコントロール)にあります」誰がどこで言ったと思う? 安倍首相(当時)が2013年9月、国際オリンピック委員会(IOC)総会で吹いた大ぼら。
復興五輪などとフクシマの災害を招致に利用しながら、五輪の会場となる東京とは250キロ離れているから大丈夫と吹いたのは当時の竹田恒和・東京五輪招致委理事長。場所はブエノスアイレスでのプレゼンで。復興五輪で徹底的にフクシマを利用した。
しかし開会式では復興五輪のコンセプトは見当たらなかった。利用するだけだったわけだ。

会場の件だが当時の猪瀬知事は「神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪」と大見えを切ったが、当初予算は7300億円2019年末には1兆3500億円、新型コロナによる延期で1兆6440億円と、ほぼ倍。さらに関連経費をくわえると大会経費は3兆円を超え、五輪史上もっとも経費がかかる大会と成長?した。

まだある。「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」???暑さ対策は「打ち水」「朝顔」「氷風呂」それに「かぶる傘」。いっちょかみ(一丁噛み)の小池知事も噛んでいた。

安倍前首相は「人類が新型コロナに打ち勝った証として、完全な形で開催する」だと。安倍前首相が「コロナに打ち勝つためにしたことはアベノマスク」だった。

「国民の命と健康を守るのは私の責務で、このことより(五輪開催を)優先させることはない」とのたまわったのは誰あろう菅首相その人である。

まだまだ小さい事件はあるが紙幅の制限もあるのでこのあたりで筆ならぬキーボードを置く。      嘘で始まった五輪だった。

(年金生活者 寄稿ライター)