現代時評《災害救助隊を創設せよ》片山通夫

 災害が続く。今年になってからでも台風12号、20号、21号、平成30年豪雪、平成30年7月豪雨、大阪府北部地震、そして先日の北海道の大震災・・・。半年余りでまさに災害列島の名に恥じない災害の多さだ。おまけに火山も活発な状況だ。
こうしてみると北朝鮮のミサイル以上に危険な列島に住んでいることになる。

余談だが、あのミサイルは少なくとも成層圏に達しているとか。そうでないとアメリカまで届かないし、アメリカも北朝鮮相手にあのように躍起になるわけがない。ということになると、我が国の防衛能力に限界を感じる。ましてや先制攻撃で適地をたたくなんて、常に相手の能力より上回る必要がある。軍拡競争に陥るし、無限に資金が必要だ。恐ろしいことに今我が国はそんな状況に陥っている。アメリカからあまり役に立たない武器を莫大な費用をかけて買いあさっている、いや押し付けられている。
安倍政権がアメリカから買うもしくは買おうとしている武器の総額がいくらになるのかは知らない。しかし、少なくとも毎日新聞の報道2018722日)によると「イージス・アショア 2基2500億円 2~3割増額」とあり、2500億円にはなるという。
今年度の消防庁の予算を見てみる。補正予算を入れて154億円程度である。

 これは勿論単年度の予算総額だが、防衛省の予算(5兆2986億円・H31 年度要求額)と比して、桁違いに大きい。成程、災害の度に自衛隊員の活躍に被災された方々から感謝されている。しかし彼らにとってはあくまで臨時の活動だ。限界があろう。

 筆者は考える。最近の我が国の自然災害の状況を見てみると、自衛隊をこのように使うことが正しいのかどうか。アメリカやロシアなどでは「緊急事態に対応する行政組織」が存在する。これに倣って、ぜひ災害救助を目的とした行政組織を作るべきだ。名前はどうであれ、幸いにして安倍政権が何と言おうと、北朝鮮との緊張は緩んで来ている。

 この機に防衛予算を削り、消防庁を改変して「災害救助を目的とした省」を作るべきだ。各都道府県にある消防局も傘下に収め、機材を充実させ、人を殺す軍隊・兵士でなく、人命を助ける救助隊を配置するのだ。

 活動の範囲は地球全体に及ぼすのだ。国境なき医師団の様に・・・。 その活動が国際的に認められれば、そんな活動をしている国を誰が、どこが攻撃するというのだ。
ぜひ、この構想を実現化してほしい。災害を防ぎ人命を助ける。こんな理想を誰が反対するのだ?

参考:アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency、略称:FEMA(フィーマ)は、大災害に対応するアメリカ合衆国政府の政府機関である。天災にも人災にも対応する。アメリカ合衆国国土安全保障省の一部であり、緊急準備・即応担当次官 (Under Secretary of Emergency Preparedness and Response) の下に置かれている。

 FEMAは、洪水、ハリケーン、地震および原子力災害を含む、その他の災害に際して、連邦機関、州政府、その他の地元機関の業務を調整することを請け負っている。また、家屋や工場の再建や企業活動・行政活動の復旧にあたって、資金面からの支援を行う。

 各州や連邦政府直轄地等(ワシントンD.C.)には緊急事態管理局やアメリカ合衆国消防局という下部組織が存在する。