「樺太夢幻」008

豊原(ユジノサハリンスク)から大谷(ソコル)を過ぎて北へ行くと落合(ドリンスク)という町に出る。そして落合から左へ、つまり西のほうへ進むと内淵(ブイコフ)という炭鉱がある。ここは樺太時代には帝国燃料興業が開発した炭鉱だった。帝国燃料興業は樺太人造石油を合併し、樺太内淵に工場を建設し内淵石炭を用いて直接液化を行なった。

人造石油:石油原油以外の原料からつくられた石油の類似物。石炭の低温乾留、石炭と水素の高温・高圧反応などの製法がある。石油資源不足の際に製造された合成石油をいう。