現代時評《プーチン追い落としはあるのか》片山通夫 (文中敬称略)

最近のロシアにまつわる国際ニュースを読んでいて、明らかに流れが変わってきたような報道に接することが多くなってきた。プーチンを排斥するクーデターなど、プーチン後のロシアのありようへの言及だ。世論は心情的にウクライナに味方して、ロシアの指導者であるプーチンを排斥すればことは治まるという単純で希望的な見方をしているようにも見える。果たしてその見方は正しいのか今のところはなんとも言えないと筆者は考える。たとえば仮に世間でニュースになっているワグネルの創設者・ エフゲニー・プリゴジンがプーチン追い落としの先鋒になりそうだとか、いやロシア正規軍、はたまたチェチェンの某がクーデターを・・・と枚挙にいとまがない。

クーデターを伝える新聞

この国は過去にもクーデターを経験している。1991年8月、当時のソ連共産党の保守派がゴルバチョフ大統領を軟禁し、連邦制と共産党指導権の維持を図ったクーデターを起こした。しかしマスコミや市民がこのクーデターに反対し、ソ連共産党の解体に繋がった。

ロシア国防省の傘下にあるロシア連邦軍は今のところプーチンに忠誠を誓っていると思われるが筆者の見たところ、ロシア連邦に忠誠を誓っているのであり、プーチンに忠誠を誓っているのではないと思う。プーチンにとってはこれはある意味危険だ。ウクライナ侵攻の先兵たる連邦軍だけではなく、私兵のワグネル投入した。このワグネルと正規軍があまり仲がよろしくない。ワグネルがプーチンの跡を襲う可能性は非常に高い。正規軍とワグネルの仲はまったくよくないという報道が多いのだ。

そうすればロシア国内で内戦とまでは言わないが、クーデターとそれに伴う主導権争いが起こる可能性が高い。また今は口を封じられているが市民の批判も多そうだ。筆者がそのように考える根拠を幾つかの報道から見ることにしたい。

【ニュースリスト】

不正を追及した盟友は拷問されて死んだ 「プーチンは被害者に責任をなすりつける」 https://www.tokyo-np.co.jp/article/182960

プーチンの愛人と噂される元清掃員、大富豪になっていた…その驚きの資産額(ロシア報道) https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/01/post-100589.php

「ワグネル」創設者が造反「プーチン抹殺」の可能性!ウクライナ紙が報道

「ワグネル」創設者が造反「プーチン抹殺」の可能性!ウクライナ紙が報道

プーチン大統領の〝跡目抗争〟が激化
https://onl.la/X6192Xs

アメリカが「プーチンの嘘」を簡単に見破れる理由…ロシア・ウクライナ戦争で起こる「インテリジェンス革命」 https://gendai.media/articles/-/106806

ロシア外相、インドでの会合で失笑買う 侵略で虚偽の主張
https://www.cnn.co.jp/world/35200859.html

最側近の離反でプーチンの終末が近づいた 地下壕を転々とし、あだ名は“塹壕じいさん”https://www.dailyshincho.jp/article/2023/03060556/

クーデター防止か?→ロシアのショイグ国防相、異例の前線視察
https://www.cnn.co.jp/world/35200857.html

チェチェン独裁者、プーチン氏に長男紹介 健康不安説、権力継承にらむ?
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023030500158&g=int

ロシア「ワグネル」創設者、クーデターでプーチン「追い落とし」を狙う?
https://onl.la/imxRUP6

ロシアで公開禁止 プーチン氏批判アニメ、「不戦」訴えネットで注目
https://onl.la/19zQJg7

「戦争止めようとしている」 ロシア外相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023030400235&g=int

武装集団のロシア侵入 反プーチン政権姿勢のロシア人組織が関与主張
https://onl.la/nhd12af

授業で「反戦」の絵を描いたロシアの6年生を教師が通報…父親は逮捕、本人は孤児院へ https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/6-131.php

まだまだあるかもしれないが、ロシア国民の体制批判を助長する情報も縷々流されている。はたしてクーデターはあるのか?プーチン追い落としの陰謀があるのか?もしそのような事が起これば、世界はどのように動くのか?
ソ連崩壊時のような混乱が世界を覆う可能性は高い。
誰にもわからないところだが興味は尽きない。

いずれにしても戦争は終わってほしいモノだ。