monolog《俺のレンズにゃ味がある。003》片山通夫

leica 3f

つまり色々不満だったわけだ。Nikon Fには。それでもFからF3に移り、FMで落ち着いた。そのころ、ちょこっとスポーツ写真も撮っていたので、一眼レフは必須アイテムだったこともある。レンズはNikkorと当時安かった、コムラーというレンズメーカーの135ミリf3.5という変哲もないレンズを買った。無論中古品で。当時はそれが一番長いレンズだった。スポーツ写真を撮ることになって、もう少し長いレンズが必要になったので、200ミリf4のNokkorを手に入れた。頼み込んでコムラーを下取りに。今から考えると、よくあの時とってくれたなと思う。

ズミタール50ミリf2

そうこうしているうちにLeicaに目覚めた。カメラ店を見て回ることが多くなった。やはりどうしてもLeicaを手に入れたかった。おそらく「トランペットのショールームのガラスに顔をくっつてて見ている黒人の少年」のような姿だったのかもしれない。中古カメラ店を何度も訪ねて説明を聞いた。一番尋ねられたのは何を撮るかと言うこと。それによってレンズが決まりレンズが決まるとそのレンズに合ったボディが決まる。知らなかったけどM2とM3の違いがそこにあると言う。焦点距離35ミリのファインダーの有無である。ボクはまさかM型ボディを買う予算は持ち合わせていなかった。恐る恐るそれを告げ、バルナック型の3fを指さした。
かくしてボクはズミタール50ミリf2と言うレンズとそのボディを手に入れた。(続く)