現代時評《憲法と靖国参拝》山梨良平

いささか長いが重要な資料なので最初に転載しておくので、読んでいただきたい。

靖国神社本殿(資料、GFDL/CC-by-sa-2.0-fr)  https://bit.ly/2YBvthM

2006728日】

「昭和天皇の靖国神社参拝に関するメモ」発見、波紋広がる

昭和天皇(1983年、資料)

19日(日本時間、UTC+9)、昭和天皇の靖国神社参拝に関する発言のメモとされるものを日本経済新聞社が入手し、20日にその内容が明らかにされた。このメモは、1988428日に昭和天皇が靖国神社参拝に関して行った発言を富田朝彦元宮内庁長官が記録したのたものとされる。

メモには、靖国神社に合祀されているA級戦犯について「私は 或る時に、A級戦犯が合祀され その上 松岡、白取 までもが」「松平の子の今の宮司がどう考えたの易々と 松平は平和に強い考(え)があったと思うのに 親の心子知らずと思っている だから私(は)あれ以来参拝していない それが私の心だ」と昭和天皇が発言したことが記されており、読売新聞や朝日新聞によれば昭和天皇が靖国神社へのA級戦犯合祀について不快感を抱いていたと見られている。 昭和天皇は戦後、1975年までに8回靖国神社を参拝したが、それ以降は参拝を行っていない。その間、1978年に「昭和殉難者」としてA級戦犯14人が靖国神社に合祀されている。

靖国神社参拝に関しては現在、日本国内で賛否が分かれている一方、中華人民共和国や大韓民国でも反対を求める声があり、小泉首相の参拝に関して両国が中止を求めるなどしている。

日本経済新聞によると、今回メモとされるものの内容が明らかにされたことに関して、谷垣財務相や麻生外相は発言を控えた他、二階経済産業相が「政治は慎重な反応をするべき」とするなどした。 毎日新聞によると小泉首相は、今回のメモ報道が自身の参拝に影響を与えることはないとしたほか、天皇の参拝については「心の問題だ」とし、天皇自身の判断だとする考えを示した。

中国国際放送局は、メモ報道により日本の靖国神社参拝論争が激しさを増しているとして、「首相の靖国神社参拝や今年9月の自民党総裁選に影響を与えるだろう」との日本の専門家の話を伝えている。朝鮮日報は、メモ報道が靖国神社参拝の立場にある小泉首相や安部官房長官に打撃を与えるだろうとしているほか、靖国神社からのA級戦犯の分祀の動きが強まるだろうと伝えている。(資料引用終わり)

3日は憲法記念日だった。

首相をはじめ、超党派国会議員の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」というばかばかしい名前のグループまでが靖国神社に参拝する。最も今年はコロナウイルス騒ぎで中止になったようだ。

この参拝は「春の例大祭」に合わせて行われるようだ。一方憲法は信教の自由を認めている。だから国会議員であろうがどのような信仰を持とうとそれは自由で侵すことはできない。しかしながら彼らが靖国神社に参拝することはいかに信教の自由といえども、かつての軍国主義の推進者などのA級戦犯を祀る靖国神社に参拝、それも大挙してゆくことがどれほど世界から奇異な目で見られているか、少しは考えたほうがいい。 少なくとも憲法99条には「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定められている。このことを知らないわけはあるまいが、私人だのなんだのと詭弁を弄しているのは見苦しいばかりだ。

昭和天皇の潔さを少しは勉強するべきだ。