現代時評《被災地からの警告その1》山梨良平

東日本大震災の被害の一部・福島県松川浦漁港

最近各地で地震が多い。能登半島地震は結構広い範囲で被害が出た。また茨城県東方の海域でも群発地震と呼ぶのか何度も結構大きい地震が起こっている。そうかと思えば今度は九州宮崎県でも、和歌山県でも・・・。一体どうしたんだろうと心配になる。また今月7日には「愛媛 伊方原発3号機 運転停止求めた訴え退ける 大分地裁」というニュースも。
よくわからない理由で裁判所は判決を下す。一般的に地震のメカニズムはあまり完成された科学的根拠はなさそうだ。しかし、さし止め裁判では大抵訴えた側が敗訴する。元日の活断層が束になって動いたといわれている能登半島地震では、「奇跡的に」志賀原発は助かった。4メートルを超す地盤の隆起も志賀原発は避けられた。輪島の漁港並みの隆起が起っていれば、原発の取水口が干上がり、海水を取り入れることが出来なくなって・・・。

その危険に加算されてこの地震ではっきりしたのは避難路がズタズタになっていたこと。一般的に原発はなぜか、いや最近はテロ対策など外部の人為的攻撃に対しての対策が叫ばれていた。地震に対しては「万全の」安心感を政府や電力会社は周辺の住民に与えていた。しかし今や「避難路は無いに等しい」状態だと露見した。規制委員会は今なお自然に対するリスクを軽視しているように見受けられる。規制委員会の山中委員長は「能登半島地震への対応に問題はない」と述べる。「現在の指針や自治体が策定する地域防災計画で対応できる」と述べるだけだった。

どこからのどれだけの圧力が規制委員会にあったのかはわからない。しかし住民(国民)目線での発言では決してなさそうだ。最後に東京新聞2024年2月3日の記事を紹介しておきたい。
《原発立地の町長が姿勢一転「安全性アピールは難しい」と再稼働に慎重発言 震度7の石川・志賀 稲岡健太郎氏》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/307209

来週に続く