現代時評《中国非難 安易に乗るな」片山通夫

昨今中国への非難論調が、マスコミ、政治家、それに乗っかった右翼的な人々などが多くなった。安部政権以来、岸田政権に至る現在まで、何かと言えば中国非難である。仮想敵国ではなく立派な「敵国扱い」だ。汚染水(処理水)放出に関して、中国は日本からの魚介類の輸入を全面禁止措置をとった。いうなれば国民挙げてとは思わないが、ここぞとばかり中国嫌いの高市早苗議員など時流に乗るのに過敏な政治家を交えて中国に対して非難ゴウゴウである。高市早苗議員は真贋は不明だが「反対にこちらからも中国産を輸入禁止に」と叫んだとか。「ホンマかいな」と疑うレベルである。いったい我が国と中国の貿易高を彼女は把握しているのだろうか。ジェトロの調査発表で2022年度の輸出は前年比10.3%減の1,848億3,070万ドルと、過去最高を記録した前年から減少に転じたが、2011年(1,942億9,627万ドル)に次ぐ過去3番目の金額となった。これを全面禁止にすると我が国は代替えの輸出入先をすぐに決められるか大いに疑問である。つまり確実に干上がってしまう。国民も落ち着いて、思慮の浅い議員の口車に乗らないで自分の頭で考えて欲しいものだ。マスコミもそのような政治家の言動には真っ向から否定してもらいたい。
もう中国は戦前(1945年)以前の中国ではない。
今や立派な技術大国であり資源大国でもある中国を真正面から見る必要がある。理解する必要がある。いたずらに敵視するのでなく。