現代時評《突っ込みどころが多すぎ・・・》山梨良平

茶番が終わった。自民党総裁選のことである。ここでいう茶番とは岸田新総裁の言を指す。
曰く「我が国は民主主義の危機にある。こうした強い危機感を感じ、我が身を省みず誰よりも早く立候補を表明した」、「私たちは生まれ変わった自民党をしっかりと国民に示し、支持を訴えていかなければならない」
これは新総裁選出後の自民党両院議員総会での挨拶である。

彼は「民主主義の危機」「生まれ変わった自民党を国民に示す」必要に言及した・・・と、ここまではいい。一瞬これじゃまもなく始まる衆議院選挙では野党連合は負ける可能性もありそうだと思った。しかしその後の党役員人事を見ていて「相手変われど主変わらず」そのままだと「安心?」した。これじゃ「民主主義の危機」や「生まれ変わった自民党を国民に示す」こともできずに、世にいう3A人事である。
蛇足ながら説明しておくと、3Aとは安倍、麻生、甘利。
麻生が自民党副総裁、甘利が同幹事長。安倍が陰で糸引く人事だ。もっといえば金を扱うポジションは「安倍一派」が握ったわけである。これで岸田内田閣の財務相と官房長官が同一派の息がかかった人物がなると完全に「国庫に群がる連中」内閣だ。つまりこのあたりを選挙の争点にすれば野党連合の勝利も夢ではない。まさに敵失が転がり込んできたわけである。

それにしても突っ込みどころが多すぎ・・。なんせ「ドリル小渕」、「口利き甘利」、「下着泥高木」おまけに「安倍の皮をかぶった高市」に至っては・・・・。