ONCE UPON A TIME 《サハリンの肖像》File No.013
ONCE UPON A TIME 《サハリンの肖像》File No.012
ONCE UPON A TIME 《サハリンの肖像》File No.011
書籍紹介《「消えたヤマと在日コリアン」を読んで》片山通夫

まず筆者の簡単な経験を述べたい。それがこの書を筆者が読む「読み方」の説明になると思うからである。1999年秋に初めてサハリンへ行った。「その島にとり残された」朝鮮人が多数いると聞いたからだった。筆者がいわゆる「朝鮮人問題」を知り取材を始めたのはサハリン残留朝鮮人が最初だった。
私たちは今なお、いやここ数年ますますヘイト問題に直面する。原因等は様々いわれているが、本旨とは違うのでここでは書かない。しかし本書からはその遠因を知ることができると思うので、本書をそんな角度からも読まれることを強くお勧めしたい。
さて、こう書いては誠に失礼だが丹波地方はかなりの田舎である。歌にも「丹波篠山、山家のサルが・・・」とうたわれているほどだ。そんな「ヤマの町」に在日コリアンがいた。本書によると丹波地方は戦前には珪石やマンガンを産出したという。珪石は耐火煉瓦の材料に用いられる。その煉瓦でコークスを焼いたた。コークスは蒸気機関車や鉄鋼業などを中心に、近現代においても交通機関や重厚長大産業に重要な燃料となっている。つまり戦争のせいで海外から石油など諸燃料を輸入できなくなった日本は戦争遂行にあたり、石炭産業を奨励せざるを得なかった。そして高温で石炭を焼く炉の製造には珪石は欠かせない鉱石だった。 “書籍紹介《「消えたヤマと在日コリアン」を読んで》片山通夫” の続きを読む
ONCE UPON A TIME 《サハリンの肖像》File No.010
ONCE UPON A TIME 《サハリンの肖像》File No.009
ONCE UPON A TIME 《サハリンの肖像》File No.008
本日・6/17のLAPIZ ONLINE
Lapiz2021夏号Vol.38
連載コラム・日本の島できごと事典 その28《要塞地帯法》渡辺幸重
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宿場町シリーズ《有馬街道、小浜宿》文、写真 井上脩身
歌劇の町の酒造りの村 ~種痘免許を持つ医師がいた~

手塚治虫が『陽だまりの樹』をかきだして40年になると何かの記事でみて、この連載漫画をよんでみた。幕末の動乱に巻きこまれながら、種痘の普及につとめた医師、手塚良庵の物語だ。良庵は緒方洪庵の適塾に学んだという。適塾のホームページを開いてみて、適塾が運営する除痘館が摂津・小浜村の山中良和に種痘医免許証を出していることを知った。小浜は現在の宝塚市のほぼ中央に位置し、治虫が5歳のころから住んだ村だ。調べてみると小浜には有馬街道の宿場があり、山中家は宿場内で造り酒屋を営んでいたことがわかった。宿場跡は宝塚大劇場から東に1キロしか離れておらず、治虫も宿場跡を訪ねたにちがいない。歩きながら良仙と山中良和が治虫の頭の中で重なり合ったかもしれない。そんな思いにかられ、小浜宿跡をたずねた。MORE