現代時評《皇位》片山通夫


 皇位とはそのまま、御座居」(みくらい)の意味で、天皇の玉座である高御座に居るという意味である。前天皇から皇位を受け継ぐことを皇位継承、または「皇位を踏む」ともいう。古代では「日嗣(ひつぎ)」が皇位と同義語である。諸外国における国王・皇帝の地位を意味する王位・帝位に相当する。

ウイキペディアに知識を求めたらこのように書かれていた。つまり天皇の位置ともいえる。今、我が国は平成から令和へと時代が変わった節目で、国中が大騒ぎである。筆者は皇室にこのように国民の眼が向くのはとても素晴らしいことだとは思う。しかしその皇位に穏やかならない噂が流れるのは決して面白くない。これは天皇や皇族にとっても同様のことである。あらぬ噂を週刊誌ネタにすべきではないと思うのである。

 まさか天皇は神聖にしてとは思ってもいないが、その天皇の皇位継承に穏やかならない噂を聞くことがある。例えば、大政奉還されて幕府から政権を受け取った孝明天皇と明治天皇の続柄。孝明天皇暗殺の噂など穏やかならぬ話が巷を駆け巡った。無論、150年もの前の出来事である。しかし一部の政治家とそれを支える人々の間では、明治に回帰することは夢だと公言してはばからないとも聞く。こうなるとまさか陛下の暗殺などは論外だろうが、皇位の継承という点からいうと女性天皇や女性宮家などの実現は全く不可能だと思えるのである。

 憲法第1条には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と書いてあって、第2条で「世襲」と明記されている。どこにも天皇は男子に限るとは書かれていない。

 勝手に解釈するとはまるで安倍内閣の「閣議決定」だ。