取材手帖・晴れの国《北前船が運んできた富・下津井》片山通夫

岡山・下津井湊

むかし下津井回船問屋・下津井

3月も半ばだが、まだ寒い時期に「備前の国・岡山」に行くことにした。だいぶ以前から下津井と言う港町に興味があった。本州と四国を結ぶ明石海峡大橋と瀬戸大橋、少なくともこの二つの橋は、明石と下津井の町を激変させたようだった。明石は何度もいった。東経135線が町を南北に貫き日本の標準時を定めた明石、また神戸と言う大消費地を控えた明石は瀬戸内海で獲れる海産物の町でもある。一方の下津井は横溝正史の小説に出てきたのでその名を知った。 “取材手帖・晴れの国《北前船が運んできた富・下津井》片山通夫” の続きを読む

【609 Studio】email newsletter 2025年6月3日 #1209

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◆現代時評《2000円の備蓄米》片山通夫
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いやはや大変な騒ぎだ。そして、従来からのコメ政策の粗(アラ)があからさ
まに出てきた。最初は前農相の失言、イヤ本音か、「江藤農相 辞表提出 『コメ
買ったことがない』発言。正直なのか馬鹿なのか、それとも鈍いのか…。
ご存じのよう「令和の百姓一揆」まで出現した米騒動の渦中で担当大臣の感覚
が、国民感情とかけ離れていることをさらけ出したわけである。
https://mainichi.jp/articles/20250331/k00/00m/040/218000c

そこへさっそうと登場したのが小泉進次郎新農相。備蓄米の競争入札をやめ
て随意契約に変更。たちまちマスコミにもてはやされて、彼の姿をテレビで見な
い日はないありさま。この国のマスコミも往年の翼賛政治に倣った以来の「翼賛
マスコミ」の域から脱し切れていない。今日2025年6月1日のテレビや新聞は「想
像通り《安いコメを買った、食べてみたが、遜色ない》との消費者の談・オンパ
レード。まるで重い病の著名人の死亡記事(準備記事)さながら…。

日本人に限ったことではないとは思うが、火急時に対する防備なのか「買いだ
め」の癖が治らない。それとも5㎏4000円も5000円もする米が2000円で買えると
なるとニュースにもなるのか…。
気になるのは過去の備蓄米の小売り量だが、農林水産省の発表では、5月11日
までの備蓄米の流通状況は、ことし3月に落札された21万トンのうち、消費の現
場に届いた量は2割程度だという。誰が留めているのかは実際のところわからな
いが、事実8割は流通していないというわけだ。

理由はそれぞれある。備蓄米は玄米だから精米しなくてはいけないし、昨今の
流通の逼迫でトラックの不足などらしい。そしたら随時契約分はなぜすぐに店頭
に並ぶのか理由がわからない。つまり小泉農相が先頭を切って指揮したからなの
か?所で興味あるニュースを見た。

【野村元農相、小泉氏に苦言 党内の手続き省略に「ルールを覚えて」】だと。
つまり農業界のルールをと言うわけだ。詳しくは以下のページをを見てほしい。
農水省やJAなどと自民党農業族が長年培ってきたルールを壊すなと言うことらし
い。この期に及んでまだ「旧来の陋習(老醜)」を守れだと。
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紀行・岡山の旅《岡山禁酒會館》片山通夫

不思議な名前の不思議な建物が不思議な場所に建っている。
大正12年築の木造洋風建築物らしい。
これは筆者の偏見と言うかどうかはともかく、岡山は「大正ロマンの香り」が感じられる。横溝正史の推理小説の舞台が、戦後間もなくの岡山県が舞台だというのが多い影響もあり、またそれ以前の「大正ロマン」を満喫させてくれる画家で詩人の竹久夢二の生家もやはり岡山県(邑久町)だったりしてなんとなく親しみを覚える。 “紀行・岡山の旅《岡山禁酒會館》片山通夫” の続きを読む

取材手帖・晴れの国《路面電車のある街》片山通夫

JR岡山駅前の路面電車

路面電車はのんびりしていて楽しい。札幌、函館、富山、松山、高知等で乗ったことがある。最近高知では乗ったことがないが、「維新號」なんて路面電車が走っているかもしれない。(走っていました!!)勿論車掌は「脱藩じゃ」と叫びながら…。そういえば松山には「坊ちゃん電車」なるものが道後温泉と松山駅をそれらしいいでたちの車掌さんが同乗している。 “取材手帖・晴れの国《路面電車のある街》片山通夫” の続きを読む

【609 Studio】email newsletter 2025年5月27日 #1208

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【609 Studio】email newsletter 2025年5月27日 #1208
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◆現代時評《英語ファースト大統領令の罪》井上脩身
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 スペイン北部のサンティアゴ市(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)で「ガ
リシア文学の日」の5月17日、「ガリシア語を守ろう」と訴えるデモが行われ
た。スペインではスペイン語が広く使われているが、同市が属するガリシア州は
「ガリシア語はガリシアで生きる者にとってのアイデンティティー」として、ガ
リシア語を公用語に指定しているのだ。この2カ月前、トランプ氏は大統領令で
英語を公用語に指定した。アメリカでは1割の人がスペイン語を使っているが、
トランプ氏は、「英語を使えない者はUSAから出て行け」とばかりに″英語フ
ァースト″政策を強行した。少数の人たちの言語を許容するのか、封殺・排除す
るのか。世界はいま大きな岐路に直面している。 “【609 Studio】email newsletter 2025年5月27日 #1208” の続きを読む

現代時評《英語ファースト大統領令の罪》井上脩身

スペイン北部のサンティアゴ市(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)で「ガリシア文学の日」の5月17日、「ガリシア語を守ろう」と訴えるデモが行われた。スペインではスペイン語が広く使われているが、同市が属するガリシア州は「ガリシア語はガリシアで生きる者にとってのアイデンティティー」として、ガリシア語を公用語に指定しているのだ。 “現代時評《英語ファースト大統領令の罪》井上脩身” の続きを読む

現代時評plus《ヤルタ会談の再来》山梨良平

80年程も以前、ヨーロッパではナチスドイツがヨーロッパを戦場に当時のソ連まで戦争の手を伸ばしていた。アジアでは朝鮮や台湾を植民地にした日本が、中国や東南アジアにまで侵略していた。ルーズベルトのアメリカもヨーロッパ戦線に参加した。世界は第二次大戦のさなかだった。 “現代時評plus《ヤルタ会談の再来》山梨良平” の続きを読む

紀行・岡山の旅《横溝正史という記号》片山通夫

昔、横溝正史と言う作家が、戦災を避けるために岡山県に疎開した時期があった。そこで生まれたのが本陣殺人事件(1946年)、獄門島(1947年)、八つ墓村(1949年)、犬神家の一族(1950年)などと言うおどろおどろしい推理小説群だった。彼の書く推理小説は岡山県の山村や瀬戸内海に浮かぶ小島を舞台にした戦前からの因習が絡む戦後の世界が主だった。人間の愛憎、物欲などが描かれた小説は人々に強烈な印象を与えた。筆者などは先に挙げた小説以外はあまり評価できないという生意気な分際だ。いずれにしろ、時折大阪から岡山を通って、鳥取や島根に向かう途中の中国山中は、現代でこそ高速道路も通って、列車も東京から「サンライズ出雲」という特急電車が岡山経由で通っている。

いずれにせよ、岡山県を語る時、出雲からの「出雲街道」とともに、外すことができないのが、この横溝正史と言う小説家である。

 

紀行・岡山の旅《穏やかな海と深い山地》片山通夫

はじめに・・・。

岡山は「晴れの国」と言う。なんでも1989年(平成元年)から岡山県のトータルイメージを表現する言葉として、広報活動をはじめ幅広く使っているようだ。

ではなぜ「晴れの国」なのかと言うと、
その1 晴れの日が多い。
その2 温暖な気候。災害が少ない。
その3 美味しいものが多い。
その4 自然がいっぱい。  が理由だと言われている。 “紀行・岡山の旅《穏やかな海と深い山地》片山通夫” の続きを読む