連載コラム・日本の島できごと事典 その150《オガサワラシジミ》渡辺幸重

絶滅の危機に瀕するオガサワラシジミ(東京大学総合研究博物館サイトより)

LapizOnline】「○○シジミ」という名前が付いた動物の種類は何でしょうか。私は貝のシジミを連想してしまいますが、私たちがよく目にするのは蝶類すなわちシジミチョウの仲間です。そのうちの一つ、小笠原諸島(東京都)の固有種であるオガサワラシジミが今、絶滅の危機に直面し「国内で最も絶滅リスクの高いチョウ」と呼ばれています。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その150《オガサワラシジミ》渡辺幸重” の続きを読む

光と影が綾なすとき「羽」写真・片山通夫

光と影の綾なす一瞬

はじめに

【609studio】今更ながら気が付いたことがある。写真機は無機質な物体、つまり単なる機械で道具である。言ってみれば、暗箱にレンズをくっつけただけのものである。つまりその暗箱の前にある風景もしくは出来事をレンズを通してフィルムなりCCDなりに写している道具であると言うことだ。当たり前だが、記録はモノクロームでも、カラーでも自在に出来る。・・・とここまで書いてふと思った。 “光と影が綾なすとき「羽」写真・片山通夫” の続きを読む

Webサハリン物語《episode#14 密航》文・写真 片山通夫

樺太の地図を前に「密航」の様子を語る浪間三平氏(稚内で)

【609studio】この前まで通常の航海だった。しかし日本が戦争に負けてから、環境は一変した。サハリンの西海岸・日本海に面した町に「阿幸」と言う小さな漁村がある。旧鉄道省の記録によると「阿幸」は「おこう」と読み、樺太西線という鉄道が日本海に沿って、上りは本斗駅行き5本が運行されていて、下りは野田駅行きと久春内駅行き各2本と北真岡駅行き1本が運行されていた。 “Webサハリン物語《episode#14 密航》文・写真 片山通夫” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その149《裸の島》渡辺幸重

裸の島』の1シーン(「普通人の映画体験―虚心な出会い」サイトより)

【LapizOnline】--モノクロ画面には単調なメロディーが物憂げに流れている。風景は乾いた小島の畑。その中を、重い水桶2つをしなった天秤棒に下げた夫婦が天まで耕された急斜面の畑を登る。そして野菜に水を与える。ただただその作業が繰り返される画面が続いた。

映画『裸の島』(1960年、新藤兼人監督)にはセリフが一切なく、夫婦がただ黙々と働く光景が延々と続きます。瀬戸内海の孤島で暮らす家族の生活を描いたこの作品は1961年モスクワ映画祭でグランプリを受賞、世界60か国以上で上映されました。そのロケ地は瀬戸内海に浮かぶ面積0.0142平方キロの宿祢島(すくねじま:広島県三原市)です。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その149《裸の島》渡辺幸重” の続きを読む

609studioメールマガジン #1174

【609 Studio】email newsletter 2024年10月1日 #1174
──────────────
世界の話題、LAPIZ編集長のコラムなど多彩な話題満載!
なおLapizOnlineは609studioと統合いたしました。
また諸般の事情によりサハリンの話題は都合により当面休止いたします。 購読無料!
───────────────
◆現代時評《プーチンの夢は帝政ロシア?》片山通夫
───────────────
現代時評《プーチンの夢は帝政ロシア?》片山通夫

プーチンのソ連型ロシア

もう何年も前のことになる。筆者はヨーロッパへ向かうアエロフロート航空に羽田から乗った。アエロフロートはソ連の国策会社だった。当時はガチガチのソ連で、空港の係官も「笑顔を見せたら罰せられる」ような雰囲気だった。むろんアエロフロートの乗組員も笑顔は全く見せないし、早口のロシア語でアナウンスするだけだった。はっきり言って恐ろしかった。 “609studioメールマガジン #1174” の続きを読む

現代時評《プーチンの夢は帝政ロシア?》片山通夫

イメージ:ロシアの町

もう何年も前のことになる。筆者はヨーロッパへ向かうアエロフロート航空に羽田から乗った。アエロフロートはソ連の国策会社だった。当時はガチガチのソ連で、空港の係官も「笑顔を見せたら罰せられる」ような雰囲気だった。むろんアエロフロートの乗組員も笑顔は全く見せないし、早口のロシア語でアナウンスするだけだった。はっきり言って恐ろしかった。
現代時評はメールマガジンをお読みください。

明日から10月。

写真はイメージ

秋とはいえまだまだ暑い日が続きそうです。また南の方の海では熱帯低気圧が発達して台風になる公算も多いようです。能登半島は元旦の地震から先月の豪雨で大きな被害を受けました。お見舞い申し上げます。

さてLapizOnlineもおかげさまですべての記事を掲載出来ました。お礼申し上げるとともに、今後のご支援をお願いいたします。 “明日から10月。” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その148《佐渡金山》渡辺幸重

佐渡島の金山」採掘作業の様子(「日本の国内旅行ガイド700箇所」より)

今年(2024年)の7月27日、「佐渡島(さど)の金山」として佐渡金山遺跡(新潟県佐渡市)がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されることが決まりました。日本では「琉球王国のグスク及び関連遺産群」や「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連」などに続く21件目の世界文化遺産になります。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その148《佐渡金山》渡辺幸重” の続きを読む

現代時評《卑劣な差別者と闘う女性オバマ》 井上脩身

アメリカ大統領選はトランプ前大統領とハリス副大統領の対決となり、9月10日、両候補がテレビ討論会で相まみえた。いささか冗漫な論戦に飽き飽きしだしたころ、トランプ前大統領の口から信じがたい言葉が飛び出した。「移民がペットを食っている
というのだ。「移民は野蛮人」とばかりの下劣な差別発言である。大統領時代、非白人である中南米からの移民排除政策をとってきたトランプ前大統領といえども、「平等」が民主主義の根本原理であることを知らないわけではあるまい。にもかかわらず、平然と発せられた今回のペット発言は、彼が政治的な欠落者にとどまらず、人格的な欠落者であることを示している。このような人物が再び大統領に選ばれるならば、アメリカ史最大の汚点になるに相違ない。 “現代時評《卑劣な差別者と闘う女性オバマ》 井上脩身” の続きを読む