◆現代時評《自浄システムを失った自民党》片山通夫

新年明けましたおめでとうございます。本年も現代時評をよろしくお願いいたします。
昨年末に、杉田水脈総務政務官が更迭された。彼女に日頃の言動に政権の維持がむずかしくなってきたようだ。一つは2018年の月刊誌「新潮45」への寄稿文の中でつづった、LGBTQなどの性的少数者に対する「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり生産性がない」と書いた件だ。もう一つは、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」とした、16年の国連女性差別撤廃委員会に出席した際の自身のブログでの発言だ。(毎日新聞 2022/12/27電子版)

よほどの信念からの発言と見えて各方面から非難を受けても撤回、修正そして謝罪をしな
かった。障がい者が殺傷された「やまゆり園事件」は記憶に新しい。この犯人も謝罪・撤回されない事実が、「優生思想」の杉田議員と同根だといえる。杉田氏が「差別する意図はない」とマスコミや国会など公けの場で言い切ればそれがそのまま世間に認められる危険がある。自民党も彼女を比例単独の公認候補に優遇した。自民党には自浄システムは今やないことが明らかになった。差別主義者を党の公認候補で優遇する自民党に思も呆れる。
今年からは少なくともとんでもない発言を知る「壺政治家」や「金満政治家」は公認候補として認めないことが重要だ。

しかしむなしい。