とりとめのない話《風と気配と地蔵さんと》 その4 中川眞須良

風無し地蔵
なぜかお地蔵さん
辻、角に祀られている事が多い。 穏やか表情 生けられた花の微かな香り そして焚かれた線香の僅かな煙の末端とがお地蔵さんと人とを結ぶ絆である。それは時に人を立ち止まらせ思いを改めさせ進む道を再考するきっかけを与える時すらある。 “とりとめのない話《風と気配と地蔵さんと》 その4 中川眞須良” の続きを読む
編集長が行く《ひろしま美術館 ひだまりの絵本画家・柿本幸造 002》井上脩身
やさしい目の「どんくまさん」

柿本は「どうぞのいす」より少し早い1966年、至光社創業者の武市八十雄、同社編集者の蔵富千鶴子と話し合い、「不器用で失敗して迷惑をかけるけれど、それなのにどうしても憎めない、こんな主人公の絵本を作ろう」と、「どんくまさん」シリーズを始めた。武市がアイデアを出し、蔵富が文章を書き、柿本が絵を描くという分業方式だった。 “編集長が行く《ひろしま美術館 ひだまりの絵本画家・柿本幸造 002》井上脩身” の続きを読む
編集長が行く《ひろしま美術館 ひだまりの絵本画家・柿本幸造 001》井上脩身
~旅先で引きこまれた絵本の原画~

2023年末、広島を旅したさい、ひろしま美術館に立ち寄った。同館にはバルビゾン派以降の西洋絵画のほとんどの巨匠の作品を展示しており、久しぶりに名画に触れてみたいと思ったのだ。訪ねてみると、特別企画として柿本幸造という広島県出身の絵本画家の原画が展示されていた。 “編集長が行く《ひろしま美術館 ひだまりの絵本画家・柿本幸造 001》井上脩身” の続きを読む
とりとめのない話《風と気配と地蔵さんと》 その3 中川眞須良

風負い地蔵
「あかかべ地蔵」の名の碑が立っているが このお地蔵さんに初めて出会った時「風負い地蔵」と呼ぶことにした。その日は 新年を数日後に控えた曇天の暮 午後3時を過ぎたばかりというのに玄関の外灯に明かりが灯る家があちこちに、風はやや強く歩いていて手袋無しでは身体の芯まで冷える。白いものがチラついてもおかしくない空模様である。 “とりとめのない話《風と気配と地蔵さんと》 その3 中川眞須良” の続きを読む
連載コラム・日本の島できごと事典 その123《海に沈んだ島》渡辺幸重

大分市の西北2kmほどの別府湾内に400年ほど前まで瓜生島(うりゅうじま)という島があったという言い伝えがあります。瓜生島は東西3.5km、南北2km以上という大きさで、12の村があり、沖の浜と呼ばれる港町には家千軒が建ち、約千人が住んでいました。室町時代頃から豊後国最大の貿易港だったともいわれます。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その123《海に沈んだ島》渡辺幸重” の続きを読む
現代時評《弥生3月》片山通夫
旧暦では、和風月名(わふうげつめい)と言う「月」の和風の呼び名を使用していた。その和風月名によるとご存じのように弥生は3月のこと。 “現代時評《弥生3月》片山通夫” の続きを読む
びえんと《京アニ事件で思う死刑の是非 002》Lapiz編集長・井上脩身
遺族「死刑は望まない」

78人もが犠牲になるという凶悪事件で、禁固最長21年(延長があるとしても)という判決は日本ではおそらくあり得ないだろう。仮に死刑が廃止されたとしても終身刑以外の刑は考えがたい。事件の被害者や遺族がどう思っているかに
ついてネットで検索すると、朝日新聞の記者が2022年6月、事件に遭って負傷した女性を取材していた。 “びえんと《京アニ事件で思う死刑の是非 002》Lapiz編集長・井上脩身” の続きを読む
びえんと《京アニ事件で思う死刑の是非 001》Lapiz編集長・井上脩身

36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件で京都地裁は1月25日、被告男性に死刑を言い渡した。私は、死刑は廃止されるべきだと考える一人である。とはいえ、黒焦げになった京アニのスタジオを間近に目にし、何の理由もなくなく犠牲になった大勢の人たちをおもうと、死刑もやむを得ないのではとの思いが頭をもたげてくる。 “びえんと《京アニ事件で思う死刑の是非 001》Lapiz編集長・井上脩身” の続きを読む
LapizのSDGs《ゆったりとした生活》写真も 一之瀬明
広島県の鞆の浦という港町。町の人々は昔ながらの趣を残した町で生きている。
今やその趣を楽しむため人々はこの町を訪れる。そこには昔ながらの生活がある。歴史を大切に景観も大事に。
鞆の浦はその昔から北瀬戸内海を行き来する前船などの「風待ち・汐待ち」の港だった。そしてその面影は今も・・・。