現代時評plus《第三次大戦の様相を帯びる》一之瀬明

イスラエルがイランを攻撃した。そしてイランはイスラエルに報復と言う名の攻撃を加えてこの両国は戦争状態に陥った。かねてからイスラエルはイランを何度も攻撃を加えるチャンスを待っていたように思える。
6月10日のニューズウイーク日本語版は【イランがイスラエルの数千点に上る機密文書を公開へ…核戦略を含む「宝の山」の文書の内容とは】と報じた。 “現代時評plus《第三次大戦の様相を帯びる》一之瀬明” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その171《日本軍の住民虐殺》渡辺幸重

天皇の軍隊に虐殺された久米島住民・久米島在朝鮮人 痛恨之碑

自民党の西田昌司参議院議員が「(ひめゆりの塔の説明は)歴史の書き換え」などと発言したこと、参政党の神谷宗幣代表(参議院議員)が「日本軍は沖縄の人を殺したわけではない」と擁護したことが問題になっています。現職国会議員が戦前の大日本帝国の価値観を押しつけようとする姿には唖然としますが、沖縄戦において日本軍が沖縄の民間人を虐殺した事件は体験者によって多く語られ、史実として定着しています。その一つが「久米島(くめじま)守備隊住民虐殺事件(久米島事件)」です。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その171《日本軍の住民虐殺》渡辺幸重” の続きを読む

取材手帖・晴れの国《北前船が運んできた富・下津井》片山通夫

岡山・下津井湊

むかし下津井回船問屋・下津井

3月も半ばだが、まだ寒い時期に「備前の国・岡山」に行くことにした。だいぶ以前から下津井と言う港町に興味があった。本州と四国を結ぶ明石海峡大橋と瀬戸大橋、少なくともこの二つの橋は、明石と下津井の町を激変させたようだった。明石は何度もいった。東経135線が町を南北に貫き日本の標準時を定めた明石、また神戸と言う大消費地を控えた明石は瀬戸内海で獲れる海産物の町でもある。一方の下津井は横溝正史の小説に出てきたのでその名を知った。 “取材手帖・晴れの国《北前船が運んできた富・下津井》片山通夫” の続きを読む

紀行・岡山の旅《岡山禁酒會館》片山通夫

不思議な名前の不思議な建物が不思議な場所に建っている。
大正12年築の木造洋風建築物らしい。
これは筆者の偏見と言うかどうかはともかく、岡山は「大正ロマンの香り」が感じられる。横溝正史の推理小説の舞台が、戦後間もなくの岡山県が舞台だというのが多い影響もあり、またそれ以前の「大正ロマン」を満喫させてくれる画家で詩人の竹久夢二の生家もやはり岡山県(邑久町)だったりしてなんとなく親しみを覚える。 “紀行・岡山の旅《岡山禁酒會館》片山通夫” の続きを読む

取材手帖・晴れの国《路面電車のある街》片山通夫

JR岡山駅前の路面電車

路面電車はのんびりしていて楽しい。札幌、函館、富山、松山、高知等で乗ったことがある。最近高知では乗ったことがないが、「維新號」なんて路面電車が走っているかもしれない。(走っていました!!)勿論車掌は「脱藩じゃ」と叫びながら…。そういえば松山には「坊ちゃん電車」なるものが道後温泉と松山駅をそれらしいいでたちの車掌さんが同乗している。 “取材手帖・晴れの国《路面電車のある街》片山通夫” の続きを読む

現代時評plus《ヤルタ会談の再来》山梨良平

80年程も以前、ヨーロッパではナチスドイツがヨーロッパを戦場に当時のソ連まで戦争の手を伸ばしていた。アジアでは朝鮮や台湾を植民地にした日本が、中国や東南アジアにまで侵略していた。ルーズベルトのアメリカもヨーロッパ戦線に参加した。世界は第二次大戦のさなかだった。 “現代時評plus《ヤルタ会談の再来》山梨良平” の続きを読む

紀行・岡山の旅《横溝正史という記号》片山通夫

昔、横溝正史と言う作家が、戦災を避けるために岡山県に疎開した時期があった。そこで生まれたのが本陣殺人事件(1946年)、獄門島(1947年)、八つ墓村(1949年)、犬神家の一族(1950年)などと言うおどろおどろしい推理小説群だった。彼の書く推理小説は岡山県の山村や瀬戸内海に浮かぶ小島を舞台にした戦前からの因習が絡む戦後の世界が主だった。人間の愛憎、物欲などが描かれた小説は人々に強烈な印象を与えた。筆者などは先に挙げた小説以外はあまり評価できないという生意気な分際だ。いずれにしろ、時折大阪から岡山を通って、鳥取や島根に向かう途中の中国山中は、現代でこそ高速道路も通って、列車も東京から「サンライズ出雲」という特急電車が岡山経由で通っている。

いずれにせよ、岡山県を語る時、出雲からの「出雲街道」とともに、外すことができないのが、この横溝正史と言う小説家である。

 

紀行・岡山の旅《穏やかな海と深い山地》片山通夫

はじめに・・・。

岡山は「晴れの国」と言う。なんでも1989年(平成元年)から岡山県のトータルイメージを表現する言葉として、広報活動をはじめ幅広く使っているようだ。

ではなぜ「晴れの国」なのかと言うと、
その1 晴れの日が多い。
その2 温暖な気候。災害が少ない。
その3 美味しいものが多い。
その4 自然がいっぱい。  が理由だと言われている。 “紀行・岡山の旅《穏やかな海と深い山地》片山通夫” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その170《軽石来襲》渡辺幸重

軽石漂着のSNS報告の推移(「JAMSTEC 海洋研究開発機構」サイトより)

小笠原諸島・硫黄島の南約50キロメートルにある海底火山「福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)」が2021(令和3)年8月13日に噴火しました。噴煙の高さは約1万6千メートルにも及び、一時は新島ができるほど大規模なものでした(のち海没)。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その170《軽石来襲》渡辺幸重” の続きを読む