現代時評《三方一両損》山梨良平

落語に「三方一両損」という話がある。ご存じでない方のために説明すると「財布を拾った職人、落とした持ち主、そして裁く奉行(名奉行・大岡越前)の3者が、それぞれ自分の一両を損する形で物事を解決する話を指す。落とした大工と拾った左官が互いに金銭の受け渡しを拒否して争い、裁判に持ち込まれた際、大岡越前が自らの資金を加えて解決したという話。
参考 春風亭小柳枝師匠の落語。
「三方一両損」は、単なる金銭トラブルの解決策にとどまらず、ビジネスや人間関係において、すべての人が完全に満足する結果が得られなくても、お互いが少しずつ譲り合うことで、より良い関係を維持しながら問題を解決する知恵として教訓だと知るべきだ。

このほど自民党と手を組んだ日本維新の会はこれまで「身を切る改革」というキャッチフレーズを連呼して有権者を騙して来た。今回の「連立騒動」で完全に化けの皮が剥がれてしまったので、今後は「身を売る改革」という事実に沿ったキャッチフレーズに変更すべきだという評価もある。連立巡り維新は「政治とカネ、副首都構想、社会保障改革」を主張していたがいつの間にかこの主張は霧散霧消し、議員定数だけになった。

維新もそれに乗った自民も悪代官そのもの。