
どこにでも書いてあるように、ボクも最初に書いておこう。立杭焼は兵庫県丹波篠山市の焼物、陶器である。歴史は古く起源は平安時代末期にまで遡るといわれて、六古窯の一つに数えられる。六古窯とは、瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前の六つの窯を指す。この内の丹波が立杭焼である。
この立杭焼には古来の登り窯とてつもなく大きいのが一基据え付けられている。。説明によると、年に一度火を入れるということだ。この窯は1895年(明治28年)に築窯され、丹波篠山市今田町上立杭に現存する丹波焼の登窯で兵庫県の有形民俗文化財に指定されているという。
ボクが立杭焼を知ったのは、大昔のカメラ雑誌に、土門拳氏がこの丹波焼をテーマに作品を載せられたのを見たからだった。確か窯の付近に、せっかく焼き上げられた陶器を「気に入らない」とその場で割ってしまわれた破片とか、火口から見える高温の炎につつまれた陶器など、とても印象に残った作品群だった。無論、窯は登り窯であり何日も焼き続けるということも知った。その時陶器を焼くということの凄まじさを知った。同時に土門氏の撮影に臨む姿勢も。
ボクにとって丹波立杭焼は「鬼の棲む世界」だと思った。
そういえば大江山は近い。