現代時評plus《昭和100年(2025年)10月10日》片山通夫

石破茂首相

「2025年10月10日」は奇しくも昭和100年10月10日に当たる。そしてとんでもなく多彩な出来事が世界で起こった。ある意味「これでもか!」という程だった。最初に項目を紹介したい。(順不同)
まず、フィリピンでM7.4の強い地震。公明、連立離脱。米、11月から対中追加関税100%。ノーベル平和賞、ベネズエラの民主主義の「象徴」マチャド氏。
軍事パレードで新型ICBM 北朝鮮。石破茂首相が所感「戦後80年に寄せて」表明。トランプ氏のノーベル平和賞は洒落にしても悪すぎだが、氏はレアアース問題で中国に関税100%を来月からかけると息まく。それより30年近く続いた自公連立がここに至って快勝するというニュースに「驚きと納得」が筆者の頭に同時に起こった。「驚き」は下駄の雪とも揶揄された公明党がここにきて連立離脱を決めたことだ。窮鼠猫を噛むとも違うのだが、安部政権以来、自民党はあまりにも傍若無人過ぎた。公明党はそのたびに内心はわからなかったが、下駄の雪と世間から馬鹿にされてきた。

ところが下駄の雪にも意地があった。おそらく裏金問題でとばっちりを受けた先の参議院選で自民ともども惨敗したことが大きな原因だったと思う。この裏金問題を解決しない限りと党の地方組織や支持母体の創価学会からの相当な突き上げがあったと想像するに難くない。一方高市自民党はおそらく麻生御大の後ろ盾を過信していたとしか思えない。また高市氏も総裁就任挨拶に国民民主を最重要視したかのように一番に行った。連立を組む公明党としては面白くないだろう。仁義をわきまえない高市氏、並びにその高市氏にアドバイスも出来ない執行部に愛想がついたのではないか。それにしても事後の高市氏の記者会見はみじめを通りこして狂気だったようだ。《公明決裂→高市総裁が凄い形相で会見 怒り爆発 私が総裁だから離脱するのか!「一方的に離脱伝えられた」不満爆発」》とはデイリースポーツ紙。しかし公明党は即座にこれを否定し「一週間前から伝えてある」。嘘つきは治らないようだ。

そこで浮上してきたのが苦肉の策。自民党のベテラン議員が言う。「退陣表明した石破茂首相に、退陣を撤回してもらう。高市さんも総裁をそのまま続ける。それでしのぐしかない。そうなれば公明党は連立離脱を撤回してくれるかもしれない」。なんとも甘い虫のいい考えだがそこまで言わせるほど事態は深刻だということだろう。高市氏も麻生氏もこの案に納得出来るか?

それにつけても現首相の石破氏の戦後80年の所感の素晴らしい内容には高市氏の「怒り」とはうって変わって清々しささえ覚える。
昭和100年10月10日は忙しい日だった。

首相の所感全文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA10A3M0Q5A011C2000000/
https://www.youtube.com/watch?v=__Ah2xT0eDY

 

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