現代時評plus《今、地方放送局が面白い》片山通夫

最近、以前でいう所のUHFのテレビ放送をよく見るようになった。なんてったって阪神タイガースの試合を「途中できらないで」最後まで放送してくれるからに尽きる。ここでいう地方の放送局とはサンテレビを指す。ご存じ出ない方もおられるのでちょっとまじめに説明しておきたい。詳細は下段に。

ところがそのタイガースの試合の合間に、CMが当然入る。「東京キー局のCM」よりも格段に面白い。サンテレビは欄外に掲載したように神戸が本拠地だ。だから同じ本拠地のタイガース一辺倒なのはわかる。そのうえCMが実にローカルなのだ。言っちゃ悪いがキー局から流れるCM程洗練されていない。言い方を変えれば泥臭い。それもまた楽しい。

筆者が気に入ったCMに、淡路島の温泉ホテル、防災機器それに電気製品の量販店などの合間に、あまりなじみのないメーカーやお店のCMも放送される。神戸の人にはなじみがあるのかもしれないが。この放送局は兵庫県全域と大阪府全域を主な放送対象地域としている。ということは、阪神、東播磨、西播磨、但馬、丹波、淡路の6地域をカバーしているというわけだ。

当然ニュース番組も全国ニュースは無論、各地域の天気予報み含む身近な出来事も教えてくれる。筆者などはこの季節だったら秋祭りや明石の魚ン棚の魚の話、淡路の釣り情報、日本海沿岸の漁港のカニ漁の解禁、丹波の牡丹鍋などの情報を楽しみにしている。それにつけても阪神タイガースだが、地域のニュースとしては尼崎商店街の情報も捨てがたい。

東京キー局から流れる番組はいささか食傷気味だ。だってどのキー局の放送でも同じニュースを飽きもせずに流しているか、よく似た芸能人の愚にもつかない終わ霊番組やクイズ番組で新鮮味がない。その点、サンテレビKBS京都は地域密着型で楽しい。今、地方放送局が面白いのだ。

サンテレビジョン:
会社名は株式会社 サンテレビジョン。兵庫県の文化福祉の向上と産業経済の振興に寄与する事を創業の主旨として、1968(昭和43)年3月8日「兵庫テレビ放送」を設立。 同年4月15日「株式会社サンテレビジョン」に社名を変更、1969(昭和44)年5月1日に開局。 事業の発展に伴い、1981(昭和56)年3月1日「神戸ポートアイランド博覧会」の開幕と軌を一にして地域情報産業の新しい核となるため、海上未来都市ポートアイランドの社屋に移転。 2004(平成16)年12月に地上デジタル放送を、2006(平成18)年10月にはワンセグ放送を開始。 2011(平成23)年7月24日にはアナログ放送を終了し、完全デジタル放送となった。 2014(平成26)年5月1日に開局45周年を迎えた。 2019(令和元)年5月1日に開局50周年を迎えた。 2021(令和3)年6月14日に新社屋に移転。