現代時評》《ヤバいぞ!日本人ファースト》一ノ瀬明

80年前の9月2日我が国はアメリカその他の連合軍に無条件降伏した日であり、3日には東京湾に浮かぶ米戦艦ミズーリ号上において降伏文書に調印した。(写真左)
つまり無条件降伏が確定したともいえる。

参考のために記載するが、この調印された2通の降伏文書のうち、連合国側の1通は米国の国立公文書館(National Archives)に保管され、もう1通は日本側のもので外交史料館で所蔵している。原本は節目に一般公開されており日本側所蔵の原本が近年公開されたのは、戦後70年となる2015年8月31日から9月12日。場所は外交史料館の展示室にて「一般命令第一号」と共に特別展示された。普段は、日本側所蔵の文書のレプリカ(完全謄本)が展示されている。

近年、日本がアメリカと戦争をしたと言う事実も知らない若い人たちが多いと聞く。学校教育の中でも既に取り上げられないのだろうかと疑問に思う。こうした風潮や無条件降伏の事実などは、「日本人ファースト」に繋がる恐れがあり、その考えはかなり危険を感じる。明治維新で我が国は外国の先進的な文明に目を奪われ、アメリカやフランスなど欧米諸国に視察団や留学生を送って、かの国々のあらゆるジャンルで模倣をし、「富国強兵」を旨とした。

日清・日露戦争で勝利を得てそれこそ「日本人強い!」と自画自賛して自信を持った。そして資源も兵站の保証もなく、中国大陸や南方へ手を伸ばした。
そして「原爆2個」をヒロシマ,ナガサキに落とされて、いやその前に沖縄では米軍から「鉄の暴風」と呼ばれる攻撃を受けた。この事実の前に我が国は先に述べた「無条件降伏」と言う憂き目にあった。

1868年の明治維新から、1945年の無条件降伏までたった77年だった。その間に、朝鮮、台湾も植民地にし、関東大震災時には朝鮮人、中国人を虐殺し、南京でも未曽有の虐殺を行い、中国東北部には日本の傀儡国満州国を造り、国際連盟を脱退し、乱暴の限りを尽くした。

そして今年は既に戦後80年となる。明治維新から160年足らずで、我々は何を学んできたのだろうか。