現代時評plus《石破首相側のブラフ?》片山通夫

新潟日報号外

ややっこしい、いや正当な「ブラフ」か、突然、石破おろしの自民党内に、解散風が吹き出した。「総裁選の前倒しが決まったら『選択肢は3つある』と石破首相は周囲に語っているとか。ひとつは、ギブアップして退陣する。ふたつ目は、自分も総裁選に出馬する。みっつ目には、解散総選挙に踏み切ると言う選択。石破氏の選択技は多い。ところが反石破派にはあまり選択はなさそうにも見える。現執行部に反旗を掲げているのに解散になった時「党の公認が得られるか」、「選挙費用は?」と悩ましいことになりそうだ。

新潟日報号外

筆者は断然石破続投の側に立つ。理由は反石破に立つ諸氏は、きっとこのままでは石破長期政権になる可能性を感じたからだと思う。対米関税交渉は、赤沢大臣のフットワークの良さで何度も訪米し、結局満点とは言わないが、あの気分屋のトランプと互角に渡り合った。日本の自動車メーカーやそれに連なる国民は、きっと石破支持の世論を盛り上げるのではないか。

反対に自動車業界や国民世論に反旗を翻すことが、反石破派に出来るかどうか。そこへ石破首相の周辺が「解散風」を吹かせば、非公認、選挙資金不足等の憂き目にあう危険で縮みあがることになりかねない。今後「石破執行部のブラフ」はじんわりと効いてくる。

ところがこの筆者の論に異論が出てきた。やはり選挙で惨敗した政権の総裁は潔く身を引くべきだ。そのうえで改めて、前倒しされた総裁選に立候補すべきだと言うことらしい。
しかしながら、今や自民党と言う自浄能力がまったくと言って良いほどない政党の党首を選んで、その勝利した者が総理の職につくと言うコップの中の嵐を、大多数の国民はむざむざ外から眺めるだけのことは出来ない。
安部政権以来どれだけの不正を重ねてきたか、国民は決して忘れていない。

安部政権下の無謀ぶりや、近くは闇金問題などに揺れ動く自民党は解党レベルの改革の取り組みをしなければならないのに、この期に及んで未だ長老党内政治にうつつをぬかしている連中には愛想が尽きる。
もし石破氏以外が首相になれば、どのような政治を行うのか、そのピジョンも見えてこないのに、総裁選前倒しとは、ちゃんちゃらおかしい。

説明も責任もとれない政治家には退場願いたい。

参考:新潟日報の号外を山崎 雅弘氏のXで教えていただきました。
⇒7年前の出来事ですが、日本という国が最低限の倫理を備えているなら、この時点で麻生太郎が財務大臣を辞任し、超党派の第三者委員会が佐川と関係者の徹底的な追及調査をしていたはずです。国の根幹に関わる大スキャンダルですから。でも実際は?
麻生も含め、誰も責任をとっていない。底が抜けた国。@mas__yamazaki
:戦史/紛争史研究家。政治問題の論考も新聞・雑誌に寄稿。主な著書『ウソが勝者となる時代』『底が抜けた国』『詭弁社会』『第二次世界大戦の発火点』『この国の同調圧力』『ある裁判の戦記』『歴史戦と思想戦』『戦前回帰』『動乱期を生きる(対談)』など。『歴史群像』誌に毎号寄稿。
著書→http://amzn.to/2cs7181

 

 

赤沢訪米が教えてくれた、「米国に支えられた石破政権」は本当だったということ
天木直人

赤沢大臣が最後の訪米に出かけた。
あれほど嫌っていた文書化だったのに、最後は米国に押し切られて文書化させられるのだ。 なぜ米国は急に文書化を求めてきたのか。
それは、日本が約束した対米投資約80兆円について、赤沢大臣が日本国民に米国の意図とは異なる発言を繰り返したからだ。
これは許せないと、約80兆円は米国が好きなように使えるようにする、そのことを文書にして確約しろと米国が迫って来たのだ。
赤沢大臣はすぐ飛んで行って、いつものように密約してくるつもりだった。
しかし、米国の用意した対日投資の合意文書案があまりにも露骨だったため、これでは日本国民が反発する。
だからまず官僚たちを派遣して、案文交渉をさせたのだ。
米国に対しては、米国の要望を満たす文章だが、日本国民に対しては日本側の要求をのませたと言い張れる、そのような、官僚が得意な玉虫色の文書作りの交渉が、一週間ほどかけて無事終わった。
その連絡を待って赤沢大臣は訪米したのである。
その対米投資の文書化と引き換えに、自動車関税などの大統領令署名にこぎつける。
赤沢大臣の訪米の意図はここにあったのだ。
大統領令の署名を勝ち得てやっと関税合意が完了した。
これでシャトル訪米外交は終わった。
困難な日米関税交渉は石破政権で見事に乗り切った。
そう、赤沢大臣はアピールして石破政権続投の正当性を国民、世論に訴える。
これが、今度の赤沢大臣の訪米についての目的だったと私は見ている。
こう書いて、このメルマガを終えようとした。
その矢先に、7時のNHKニュースが速報を流した。
トランプ大統領が関税合意に関する大統領令に署名したと。
赤沢大臣とラトニック商務長官がこれから共同記者会見を行うと。
私の読み通りだ。
あまりにも出来すぎた芝居だ。
これで石破続投の可能性ががぜん出てきた。
やはり石破政権はトランプ政権が望む日本の政権だということだ。
石破政権続投で対米従属はさらに加速していくだろう。
そして誰もそれを阻止できない。阻止しようとしない。

 

島根県 丸山達也知事

総裁選前倒しに関して「前倒しになった場合、解散も辞さない」「前倒しに賛成した議員は公認しない」といった動きがあることについて、島根県の丸山知事は「異常な動きだ」と批判しました。

島根県 丸山達也知事
「全く大義がない解散総選挙を持ち出して、(総裁選)前倒しを阻止しようという動きがあることが異常だと思う。無茶苦茶、異常」

丸山知事は、選挙は政策の是非を問うもので、党内手続きを経て出た結論の是非を国民に問うのはおかしいとしました。

さらに。「前倒しを賛成した人に対して、公認をしないとかいうことを、総理周辺が本当に言われているのだとすると、政権は末期だと思う」

その上で、丸山知事は、衆院選・参院選が厳しい結果だったことを踏まえ、総裁選は行い、その中で、政策の是非を総括し、政策論争をすべきとしました。

島根県 丸山達也知事
「政党組織の中で紙をまとめる総括ではではなく、総裁選挙の中で、どこのどういう政策を改めて、どういう政策を追加して、党内議論をちゃんとして、選挙(総裁選)を経て、政策の見直しをどうるかという議論をしてから、やはり、新しい国会に臨むべきだ」