現代時評plus《自民党はどこへ行く 3》山梨良平

 最近の大方の見方では、石破続投と言う世論が後押しをしてどうも石破氏の続投が決まりそうだ。反石破の面々にとっては、「真夏の夜の(悪)夢」だったようだ。今後どのように動くかは予断を許さないだろうが、高市氏と言う眼はなさそうだ。彼女に「自民党を出て参政党と組めば」と言うような提言もあったようだが、「なぜ私が?」と反発したようだ。そのこと自身はそれでいいのだが、総務相時代に決定的なミスを犯した。彼女はそのミスに対して「その話は捏造だ」と国会で見栄は切ったが、説明はしなかった。これをどう評価するかだが、裏金に関して誰も詳細な説明をしていない中での彼女のミスだから国民は彼女にもNoを突きつけた。そして自民党内では裏金議員が幅を利かせ出して、石破おろしの戦闘を切り出した。高市氏を担ぎ出そうというわけだ。ところが世論は裏金議員にも「首相になっても靖国神社に参拝する」と公言する彼女にもNoを突きつけだした。高市氏に関しては「高市リスク」とまで揶揄されるようになっている。一方で「石破辞めるな」の世論が「辞めろ」を上回った。

石破首相は今のところ静かに推移を見守っている。同時に高市氏も裏金議員も「世論の行く末」を見守っているようだ。幹事長の森山裕氏の動きを見守っていると言った方が正しいかもしれない。
幹事長記者会見  https://www.jimin.jp/news/press/211287.html

さて筆者の考えだが、大方の世論のように、ここは石破氏に続けてもらいたいと思うのである。理由の最初には「高市氏のようなゴリゴリの安倍信者で保守的な方はごめんこうむりたい」と言うわけである。無論他の裏金議員は言語同断である。しかし石破氏しかいないと言う消極的な理由ではない。彼が一年前に総裁選で言った公約で、筆者が気にいったことがある。それは米軍基地が日本にあるなら、自衛隊基地をアメリカに置いて共同の作戦をスムーズに出来るようにしたいと言ったことだ。勿論自民党の面々はどのようにこの考えを受け取ったかは知らないが、筆者は出来る出来ないはともかくとして彼の考え方の柔軟さ、ユニークさに驚いたし気に入ったのが大きな理由だ。

所で石破おろしの面々は「選挙で大敗した。民意が示された。石破は辞任すべきだ」との意見が当初自民党内で大半を占めたような「大声」だった。しかし冷静になるにつれ裏金もしくは極右の連中が叫んでいることがわかってきたというのが今の状況だと言える。

自民党内の石破おろしがどのようになるかは、今後の動きを注視したい。投票の書面は総裁選前倒しを求める議員が署名・押印した上で、原則として議員本人が党本部に持参することとし、病気などやむを得ない場合のみ代理の提出を認める。都道府県連についても機関決定を経た上で、郵送などを通じて、書面の提出を求める。
 注視したい。

参考:弁護士の結城東輝氏は「行政トップがこの国はコロコロ変わるんですね。それが選挙の民意なんだと言われれば解釈の1つかもしれないが…」と言い、「2大政党制の夢がついえ多党制の時代が当面続くであろうという時に、恐らく1党が多数派を取る選挙はほぼ来ない。そうすると毎回誰かが選挙のたびに責任を取って首相を辞め続けるという未来が来るんでしょうかと」と異論を口に。石破首相については「続投してもいいんじゃないかと思う」と話した。
毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20250803/spp/sp0/006/251000c