現代時評plus《自民党はどこへ行く 1》山梨良平

石破氏を引きずり降ろそうと言う動きが自民党の内部でかなり活発に起こっている。先月の参議院選後の結果と報道各社は伝えている。なんでも選挙敗退の責任を石破首相にとれということらしい。驚くことに既に後任の首相やそれに続く重要なポジションまでささやかれているという話だ。

週刊ポストはこう書いた。

石破茂・首相の続投か、退陣を求める勢力が「総裁リコール」(臨時総裁選)を実施させるのかで大揺れのなか、早くも“次期政権の幹部ポスト”の陣容が出回っているというのだ。

石破リコール工作》次期政権“入閣リスト”に旧安倍派幹部らの名

世耕弘成氏が官房長官、西村康稔氏が外相、萩生田光一氏が幹事長候補…「裏金議員内閣」の様相に。(8/20(水) 6:48配信)

すごい顔ぶれだ。まさに「裏金議員内閣」。この顔ぶれが先の選挙を負けさせたということにまだ気が付かないのかと思うがまさかともおもう。では冗談かとも考えるが、いやいや案外本気だとも。
このような顔ぶれが「打倒石破」に動き出しているということならば、自民党の近い将来は危うい。いやもうない。無論裏金議員も必死だろうと思う。しかしまともな説明も責任も果たさない面々が、仮に石破首相を引きずりおろしに成功したとしても、先は見えないだろう。はっきり言って世論と自民党内の乖離が大きい。

自民党はどこへ行く?

安倍時代の残渣のような「裏金議員」たちがどのようにあがいても、世論が当時のようについてゆくのだろうか。裏金を裏で作って口を拭ってぬけぬけと生きてゆけると、今も思っているのだろうか。
世論が「石破おろし」を支持していると考えているのだろうか。仮に自民党が割れて、裏金議員たちが自民党に残った場合、どこの党と連立を組むのだろうか。

いや、それ以前に総裁には誰がおさまるのだろうか。
「私なりに腹をくくった。もう一回、党の背骨を入れ直す。そのために戦う」と参議院選後に発言した高市氏はフライングと捉えている自民党内では評判で、それまで相当数支持されていた同氏の評判はがた落ちだと言われている。何しろ同氏の仲間が次々を落選し、その後のフライング発言である。この人もあせっているのだろうか。

高市氏が少数与党の自民党を背負ってゆけるのかは疑問だが、一部では今回の選挙で躍進した参政党ごと自民党に取り込めば良いのではとの話もあるようだが、党内ではどんびきらしい。それはそうだろう。参政党の神谷宗幣代表の問題発言の数々を目の当たりにすれば「普通の感覚では」とても政権与党として如何に少数であっても組める相手ではない。

いつまでも安倍時代の残渣を引きずって、元も子も無くしそうな塩梅だ。賢明な自民党議員や支持する国民が今後どのように行動するのか。ここが正念場の一丁目一番地のように思える。思い切った手術を施さねばなるまい。

改めて聞く。自民党はどこへ行く?

参考:時事通信の8月世論調査によると、7月の参院選を踏まえ、石破茂首相は辞任すべきだと「思わない」(39.9%)が「思う」(36.9%)をわずかに上回った。ただ、自民党支持層に限ると、「思わない」65.9%に対し、「思う」は24.6%。反対派が賛成派を圧倒した。