化学機械メーカー、大川原化工機(横浜市)の噴霧乾燥器輸出をめぐる冤罪事件で、東京高裁から違法な捜査・起訴と認定された国と東京都は6月11日、上告を断念、警察・検察のでっち上げ事件であることが確定した。わたしはこの報道に接し、1952年に起きた菅生事件を思い起こした。共通するのは、法令の施行・改正に際し、存在しない事件をつくりあげて出世の道具にした点だ。「非国民」の弾圧のためには無実の者をも地獄に落とす戦前の特高警察の体質が、戦後80年のいまも公安警察に脈々と流れていることを示した組織的権力犯罪なのである。 “現代時評《大川原冤罪事件にみる特高警察体質》井上脩身” の続きを読む