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◆現代時評plus《自民党はどこへ行く 2・3》山梨良平
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自民党はどこへ行く 2
自民党の内部で大きな嵐が吹いている。その嵐は地獄から脱する為の生みの苦
しみの嵐か、それとも極右もしくは内部分裂への茨道なのか。安倍首相時代か
ら現在に至るまでの間、菅と岸田の二人の首相を自民党は支えた。この二人は、
安倍の専横を踏襲していた。党内がまだ「安倍時代の余韻」を浸る余裕があっ
たのだ。闇金議員もまた右派を辞任する議員も安倍時代に謳歌した夢を見続け
られた。つまり闇金議員などへの世論の風当たりもあまり目立っていなかった。
いや、国民から見れば不満や疑問はふつふつと湧いてきていた。
大多数の自民党議員は、国民の持つその不満や疑問をほとんど感じないままに
選挙に臨んだ。選挙前には自民党が247議席だったのがこの選挙で191議席に激
変した。公明党も32議席から25議席に落ち込んだ。結局与党は279議席から215
議席に落ちた。選挙を前に真摯に受け止めて党内の引き締めや闇金議員への厳
しい処分など目に見える改革をすれば良かったのだが、おざなりの処置に終始
したことがこの結果を生んだ。国民もようやく目が覚めたということだ。しか
しこの7月の参議院選でも同じことが起こり、野党に流れてはずの、国民の支
持は自民党や民主党など既成政党にもNOを突きつけた。参政党など極右と言
うか面白いことを発する政党に国民の支持は流れた。
分析を様々な報道機関や政党が行っているが、SNSに若者の票が流れたとい
う結果を踏まえて、既成政党はSNSなどを武器に戦略を練り直している現状
だ。おそらくまだ明確な戦略は練り切れていないと思われる。安部政権時代を
支えた一翼にネット右翼(派)がいた。彼らはおそらく変革を好まず、日本古
来の伝統を重んじたグループだったと思う。そして声が大きいのが特徴で、実
際の選挙演説でも安倍首相の言に反対するグループは批判の声を封殺した。事
態は極限にまで安部政権の自由を認めた。それは桜を見る会など些末な件だけ
でなく、憲法の解釈を変えて集団的自衛権の行使を合法化する、あるいは森
友・加計問題や桜を見る会の私物化という問題に表れているように傲慢さがあ
った。
それらの反省からか、旧統一教会信者の家族に暗殺された安部首相の死から事
態はゆっくりだが着実に動き出した。自民党では安倍の路線を踏襲する菅、岸
田両首相のあと、熾烈な総裁選が行われ、石破首相が昨年秋に誕生した。しか
し一方では自民党支持者が激減していた。それはこの稿に書いている安倍首相
への支持層が減ったということに他ならない。通常暗殺されれば同情で支持は
集まるのだが。
現代時評plus《自民党はどこへ行く 3》山梨良平
最近の大方の見方では、石破続投と言う世論が後押しをしてどうも石破氏の
続投が決まりそうだ。反石破の面々にとっては、「真夏の世の夢」だったよう
だ。無論、今後どのように動くかは予断を許さないだろうが、高市氏と言う目
はなさそうだ。彼女に「自民党を出て参政党と組めば」と言うような提言もあ
ったようだが、「なぜ私が?」と反発したとか。そのこと自身はそれでいいの
だが、総務相時代に決定的なミスを犯した。彼女はそのミスに対して「その話
は捏造だ」と国会で見栄は切ったが、説明はしなかった。これをどう評価する
かだが、裏金に関して誰も詳細な説明をしていない中での彼女のミスだから国
民は彼女にもNOを突きつけた。そして自民党内では裏金議員が幅を利かせ出し
て、石破おろしの戦闘を切り出した。どうも高市氏を担ぎ出そうというわけだ。
ところが世論は裏金議員にも当然全ながらNOを突きつけた。高市氏に関しては
「高市リスク」とまで揶揄されるようになっている。一方で「石破辞めるな」
の世論が「辞めろ」を上回った。
石破首相は今のところ静かに推移を見守っている。同時に高市氏も裏金議員
も「世論の行く末」を見守っているようだ。幹事長の森山裕氏の動きを見守っ
ていると言った方が正しいかもしれない。
幹事長記者会見 https://www.jimin.jp/news/press/211287.html
さて筆者の考えだが、大方の世論のように、ここは石破氏に続けてもらいた
いと思うのである。理由の最初には「高市氏のようなゴリゴリの安倍信者で保
守的な方はごめんこうむりたい」と言うわけである。無論他の裏金議員は言語
同断である。しかし石破氏しかいないと言う消極的な理由ではない。彼が一年
前に総裁選で言った公約で、筆者が気にいったことがある。それは米軍基地が
日本にあるなら、自衛隊基地をアメリカに置いて共同の作戦をスムーズに出来
るようにしたいと言ったことだ。勿論自民党の面々はどのように、この考えを
受け取ったかは知らないが、筆者は出来る出来ないはともかくとして彼の考え
方の柔軟さ、ユニークさに驚いたし気に入ったのが大きな理由だ。
所で石破おろしの面々は「選挙で大敗した。民意が示された。石破は辞任す
べきだ」との意見が当初自民党内で大半を占めたような「大声」だった。しか
し冷静になるにつれ裏金もしくは極右の連中が叫んでいることがわかってきた
というのが今の状況だと言える。
自民党内の石破おろしがどのようになるかは、今後の動きを注視したい。投
票の書面は総裁選前倒しを求める議員が署名・押印した上で、原則として議員
本人が党本部に持参することとし、病気などやむを得ない場合のみ代理の提出
を認める。都道府県連についても機関決定を経た上で、郵送などを通じて、書
面の提出を求める。石破継続は次善の策なんだろうな。
参考:弁護士の結城東輝氏は「行政トップがこの国はコロコロ変わるんですね。
それが選挙の民意なんだと言われれば解釈の1つかもしれないが…」と言い、
「2大政党制の夢がついえ多党制の時代が当面続くであろうという時に、恐ら
く1党が多数派を取る選挙はほぼ来ない。そうすると毎回誰かが選挙のたびに
責任を取って首相を辞め続けるという未来が来るんでしょうかと」と異論を口
に。石破首相については「続投してもいいんじゃないかと思う」と話した。
毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20250803/spp/sp0/006/251000c
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◇編集長から:片山通夫
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今月1日は防災の日だった。関東大震災が関東地方を襲った日。1923年(大
正12年)9月1日に発生したマグニチュード7.9の地震と、それに伴う大規模火
災や津波、土砂災害の総称。石破首相は自然災害に対処するため「防災庁」の
設置を国民に説いた。是非防災庁と言わず「防災省」と格上げして貰いたいも
のだ。災害ニッポンの手本となるように。
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