「現代時評」カテゴリーアーカイブ

◇現代時評《国の品格》山梨良平

コロナの蔓延が半端ない状況だ。オリンピックの、パラリンピックの影響なのかもしれない。我々国民の気のゆるみも大きいと思う。なにしろオリンピックやパラリンピックというお祭り騒ぎもあって。

そんな9月が始まった。マスコミは「岸田氏の総裁選出馬」だの「自民党役員任期がどうの」だとか、「幹事長交代交渉」だのと姦しい。(しかしこの「姦」という漢字も意味も女性差別になりそう!)
挙句の果てに菅首相では衆議院選は戦えないとか言い出す輩、それも自民党議員の中から出ている。 続きを読む ◇現代時評《国の品格》山梨良平

現代時評《アフガン》片山通夫

 アフガンが大変なことになっている。米軍のアフガンからの撤退でタリバンが制圧した。タリバンも穏健派がいるようで、なんとなく平和裏に権限移譲されて、以前のように女性に対する圧政的で差別的な事態から抜け出て西欧の規範をアフガンにもたらすような印象を与えた。「アフガン報道官」は中東カタールのテレビ局アル・ジャジーラに「戦争は終結した」と述べ、15日の英BBCの電話インタビューに対しては、「数日のうちに平和的な権力の移行を望む」と述べ、崩壊したアフガン政権や外国軍部隊の協力者に対して「報復はない」とも明言した。 続きを読む 現代時評《アフガン》片山通夫

現代時評《コロナ無策政府によって失われる命》井上脩身

私の手帳の5月10日の余白に「L452R」「HLA-A24」の記載がある。L452Rは新型コロナウイルスのデルタ株、HLA-A24は白血球の型のひとつ。デルタ株はこの型の白血球をすり抜ける能力がある、という意味である。ネットにアップされた研究報告に、「日本人の6割がこの型の白血球を保有している」と記されているのに目が留まり、2~3カ月後に日本で大流行すると直感、メモしておいたのだ。 続きを読む 現代時評《コロナ無策政府によって失われる命》井上脩身

現代時評plus《五木の子守歌》片山通夫

五木村の橋の欄干のレリーフ

昔から気になっていた歌がある。五木の子守歌。筆者は熊本県や五木村に縁があるわけでもない。それでもなぜか気になっていた。今思うと高校の修学旅行で九州へ行ったときに聞いた歌だったのかもしれないが定かではない。

おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃおらんと
盆が早よくりゃ 早よもどる
(伝承者 吉松 保)
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現代時評《怒りを込めて振り返れ 嘘で始まった五輪》一之瀬明

コロナウイルスが蔓延している。日々感染者の数が更新されていることはテレビやインターネットのニュースサイトでご存じだろう。そして今日8月8日、オリンピックは閉会式を迎えた。続く24日からのパラリンピックはどうなることやらと心配である。コロナが今よりも収束していれば良いが、パラリンピックを中止すれば「差別になりそう」な・・・。 続きを読む 現代時評《怒りを込めて振り返れ 嘘で始まった五輪》一之瀬明

現代時評plus《オリンピックの終焉が近い》山梨良平

新型コロナウイルス

今、一年遅れで東京オリンピックが開催中だ。コロナに追われてドタバタの様相が透けて見えてきた。無論日本政府やJOC内部の実行能力不足が主な原因。委員会内部の実相は詳らかではないので、表に現れた事象から推測するしかない。開会式の費用に見合う式典はあったのか?小池知事と菅首相が天皇陛下の開会宣言時に起立しなかった。この映像は世界に流れてしまった。 続きを読む 現代時評plus《オリンピックの終焉が近い》山梨良平

現代時評《五輪開会と天皇政治利用》井上脩身

東京オリンピックが7月23日、開幕し、国立競技場で行われた開会式で、天皇が開会を宣言した。1964年のオリンピックでも昭和天皇が開会宣言をしており、東京五輪の名誉総裁として当然の任務を果たした過ぎないが、57年前の五輪と決定的に異なるのは、スタンドに観衆が一人もいないことだ。宮内庁長官の「(陛下が)感染拡大を懸念している」との拝察発言が全く無関係とは言い切れないだろう。その効果に着目し、天皇を政治利用しようとする動きが出てくる恐れもないとは言えまい。私は、この五輪が戦前回帰への起点になるのでは、との不安にかられるのである。 続きを読む 現代時評《五輪開会と天皇政治利用》井上脩身

現代時評plus《コロナウイルスは忖度してくれない。》片山通夫

《「知性や科学者を尊重しない権力者が、思い付きか個人的利害で決めた方向性を、法律上の根拠などはお構いなしに「やる!」と宣言し、それを忖度官僚たちが執行し、抵抗する国民には恫喝して従わせる。》と、あきれ、怒るのは慶大名誉教授の小林節氏。まるで江戸時代の「殿様と代官そして御用商人」だという。

筆者もどう表現したらいいのかなかなか的確な言葉を見つけられなかったが、さすが小林先生。バカ殿さまと悪代官と悪徳商人という構図だわ、これは。そしてこの三者が愚直な庶民を恫喝して従わせようとする。
今問題になっている西村再生相だがまさにこのたとえ通り。まるでシナリオ通りの悪徳代官。それにバカ殿。

ところで小林先生は彼らには「知性」がないとバッサリ。「知性や科学者を尊重しない権力者が思い付きか個人的利害で決めた方向性を、法律上の根拠などはお構いなしに」実行するという。そういえば安部前政権時代、官僚の忖度がはびこっていた。挙句の果てに一人の官僚が自殺したが、伝わるところ、まったく歯牙にもかけないようだ。

東京に緊急事態が宣言されている。おそらく政府は宣言を発するのは避けたかっただろうと思う。もちろんコロナが収束の道筋にあるというのではない。オリンピックが開催される中での緊急事態宣言だ。しかしコロナウイルスに限っては安部・菅政権にとって忖度してくれない。それでも開催する覚えなというIOCやJOC、それに何よりも菅政権をあざ笑うがごときまん延ぶりだ。まさにコロナとの戦いだが、残念ながら我が国に限って言えば完全に負けている。頼みの綱のワクチンも行き渡らない。ここは人が担当しているのだが、できていない。ワクチン不足も2か月も隠ぺいしていた。ほかにも重要な案件を隠ぺいしているのではないかとこの一連の政権には疑心暗鬼しか持てない。

知性を持ち合わせていない政治家は早々に退場すべきだ。

今話題の大谷翔平選手やオリンピック・パラリンピックに目を奪われないようにしなければ・・・。

 

◇現代時評plus《自民党員に告ぐ!》山梨良平

しかしえらい時代になったもんだ。つい先日、都議選で決して勝利できなかった自民党が、補完勢力ともいうべき他党の協力を得ることができそうだと読んだのかもしれないが、いささかひどい。いや、「酒の提供を続ける飲食店に対して金融機関への働きかけを要請する」と飲食店を恫喝した西村康稔経済再生担当大臣のことだ。

SNS等では「893か?」ともっぱらの評判だ。そもそも菅首相からして「恫喝人事」で有名だとされる。「いうことを聞かない官僚はやめてもらう」と言ってはばからない男だ。その手下ともいうべき西村大臣だ。さもありなんとインターネットでは評
判だという。

史上最長の在任記録を持つ前首相も月刊誌で「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の(オリンピック)開催に強く反対している」と批判したらしい。

なぜこのタイミングで国民の神経を逆撫でするのかまったくわからない。自民党はこの西村恫喝大臣の発言を重くみている。
何しろもうすぐ総選挙だ。菅首相になってから幾たびかの地方選や補欠選があったが全敗だ。このままでは秋にある選挙も危うい。危機感を持つのも当然だ。

それなのに先に述べたような暴言を発する大臣が現に存在する。およそ前安部政権時代から、国民の意思などまったく無視し、自分たちの都合のいいように税金も政策も自由に変え、解釈して来た。そのうえこのコロナが猛威をふるっている今も「反対する奴は反日」だとかたわごとをのたまうという男が幅を利かせている自民党という政党の限界を感じている党員はいないのか心配する。何しろ良い悪いはともかく、我が国最大のそして長年国政を担当してきた政党なのだ。目を覚ましてもらいたい。

自民党員に告ぐ!

解釈憲法、公文書隠ぺいもしくは改ざんまたは残さない政治、首相夫人が「私人か公人か」などと閣議決定しなければならない政治、挙句の果てに恫喝で官僚を支配するを進めてきた政治家を自民党から除名しなければならない。しかしおそらくこういう輩を除名するほど党に力はないだろうから、心ある党員は自民党籍を離脱して新党を立ち上げるべきが来たと思う。

現代時評plus《一発逆転の秘策》片山通夫

今日7月8日、菅首相は東京に緊急事態宣言を発令した。お盆が明けた8月22日まで。同時に政府は五輪をごり押しするつもりのようである。一方自民党の野田聖子氏は「菅政権下で選挙全部負け」たと述べた。この発言をどの様に受け取るかは立場によって入り色あるとは思うが、筆者は衆議院選も近いことだし一発逆転の秘策をここで書こうと思う。

菅政権にとって、菅首相にとって差し迫る選挙は切羽詰まった問題だろう。そしてその前に悪評高い東京五輪が差し迫っている。おまけに「緑のタヌキ」と異名をとる都知事が(タヌキのくせ)虎視眈々と政権の失策を狙っているかのように見える。おまけに「ぼったくり男爵」御一行様が「特別扱い」を要求しながらやってきたわけだ。

先の都議選でもNHKがおこなった出口調査で「▼現時点で無観客の方針にすべき」が38%、▼「大会は中止すべき」が26%」だった。つまり今更やめられないかもしれないが、少なくとも「無観客」という意見が38%あった。

このような世論を踏まえると、東京五輪は中止して、コロナ対策をはじめとするすべての情報公開を徹底し、ワクチン接種を最大限に注力し、ぼったくり男爵御一行様を国外に送り出し、国民のに「今後は国民目線で政治を行う」ことを宣言して総選挙に臨むことだ。

ロシアのプーチン大統領は国民との直接対話をおこなっている。この手法を取り入れてオリンピック中止や政権への不満など国民の意見を吸い上げるシステムの構築を図ることだ。無論これはオリンピック開催までにおこなって、その結果をぼったくり男爵や自民党をはじめとする政治家等政治にかかわる人々に突きつけることだ。

その方法は電話でもいい。SNSでもいい。新聞やテレビというマスコミを介してでもいい。

勇気を振り絞ってやってみることだ。それで「NO」を突きつけられれば?野田聖子氏のいうように「いずれ全敗」なのだから同じ結果だと思う。

◇現代時評《「皆黙れ」では済まない。》山梨良平

先月最終の現代時評でLapiz編集長の井上脩身氏が「感染拡大五輪に突っ走しる」というコラムを書かれた。その中で井上氏は次のようにコラムを締めくくった。

スガーリン アベリンピックじゃ皆黙れ

見事な集約である。嘘と金でおこなった誘致から、コロナウイルスに翻弄されて右往左往するさまをたったこれだけの文字で言い表したのには頭が下がる。(詳しくは https://bit.ly/361Twcf

さて井上氏のコラムには及びもしないが、このコロナ禍のオリンピック開催に関して少しどころでなく気になる部分がある。
「皆黙れ」では済まない。ことは国民をはじめ参加する人々の健康、ひいては生命にかかる重大な問題なのだから。折からインド株だの英国株だのと感染力の強い変異種がはびこっているようなのだ。

菅首相をはじめ関係する大臣や知事は異口同音に「安全・安心」と呪文のように唱える。外紙はIOC会長を「ぼったくり男爵」と書いた。それほど金のかかる男爵でありIOCらしい。そういえば誘致にかかった費用の全容は闇の中だ。
私が忘れられないでいるのは森前会長が「犠牲はやむなし」と新型コロナウイルス感染症の脅威が続く中での発言だ。

(時事通信2021年02月10日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021001155&g=spo)
森氏は一連の女性蔑視の発言で辞任したが、この「犠牲はやむなしの精神」は今も脈々と政府やJOC内部で生き続けているようだと思える。
そして万一コロナがオリンピックやパラリンピック開催中に大爆発しても誰も責任をとらないシステムが構築されているように感じる。その一例が菅首相、万全を期すとはいうが決して自らの責任で開催するとは言わない。いや開催件はIOCにあるとさえ公言した。今年6月7日の読売新聞は「東京五輪、首相「私自身は主催者ではない」…開催の判断基準を明言せず」と菅首相の言葉を記事にした。(読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20210607-OYT1T50249/

JOCも東京都も逃げ腰だ。なんでもIOCとの契約で終始すると莫大な違約金を払わなければならないというわけだ。

みんな関係者は逃げ腰だ。しかし決して「皆黙れ」とはゆかない。

現代時評plus《ワクチン騒動 その2》片山通夫

現代時評plus《ワクチン騒動 その2》片山通夫

先月現代時評で《ワクチン騒動》なる拙文を書いた。菅首相はワクチン担当大臣まで新設、厚労省や経済再生担当大臣達を動員して万全のコロナ対策を講じてきた・・・つもりであった。ところがここにきてワクチンが接種会場を運営する自治体や鳴り物入りで新設した防衛省の接種会場などに行き渡らなくなったという話だ。 続きを読む 現代時評plus《ワクチン騒動 その2》片山通夫

現代時評《感染拡大五輪に突っ走る菅首相》井上脩身

――背景に安倍氏の「完全な形」発言――

東京オリンピックは観客を入れることになった。21日、政府、東京都、IOCなどの五者協議で、観客上限を1万人にすることに決定。菅義偉首相はG7後、有観客開催を決意したと思われるフシがあり、首相の意向にそった結論となった。政府の「新型コロナウイルス感染症分科会」の尾身茂会長ら専門家有志の「無観客提言」や、中止・延期を求める国民世論を全く無視しての強行開催である。その背景に、安倍晋三前首相の「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして、完全な形で開催する」との発言があることは明かであろう。「完全な形」に見せるため、観客数をさらに増やす可能性があると私はみる。 続きを読む 現代時評《感染拡大五輪に突っ走る菅首相》井上脩身

現代時評《ワクチン騒動》片山通夫

 今更だがワクチンといえば猛威を振るってる新型コロナウイルスに対するワクチンを指す以外にワクチンはないほどである。ところが聞き及んだところによるときっと一部の話だろうと思うのだが、関東ではあまり接種が進んでいないとか。何しろ知り合いの知り合いからの情報なので確認のしようがないのだが、65歳以上の方のワクチン接種の話である。

その話を簡単に書くと「狂犬病の予防注射を老犬に打つとなぜかは知らないが老犬が死亡するケースが多い。しかるにコロナワクチンを65歳以上の我々に打つということは、老人は早く死ねということだ。そんな手の乗るものか」
そういえば自衛隊が開設している「東京大規模接種センター(東京センター)」だが、対象者を都内在住者から近隣の県在住者に代わり今や全国に拡大された。先に述べた知り合いの知り合い情報を裏付ける話だと妙に感心した。都知事は「東京に来ないで」と言っているのに、何ともちぐはぐな国と都だ。

筆者の友人も「何となく不安」だと口にしていた。偏見かもしれないし偶然かもしれないが、男性のほうが女性よりもワクチンに対する恐れがあるように思える。筆者の女性の友人達は知った限り、みんな早く二回目の接種を済ませて遊びに行こうと相談している。ぶつぶつ言ってるのは男ばかりだ。

ところで台湾のワクチン話。コロナ対策優等生だった台湾だが、5月に入って感染者が増えだした。台湾も当然ワクチンの入手を目指して努力していたが、「中国の妨害で」買うことができなかったらしい。その状況を訴えるとわが国が東日本大震災の時に200億円もの支援を受けたという理由で英製薬大手アストラゼネカ製のワクチン124万回分を台湾に提供した。それより先に中国が自国製のワクチンを提供すると表明したが台湾は「恐ろしい」と受けとらなかった。
「アストラゼネカ製のワクチンには副反応についての深刻な症例報告がある。当然、こちらの日本人社会からは、まるで“毒見役”だ」と在台湾日本人が声をあげたという情報も。日本に礼を言う意味で「在台南市日本人から接種したい」という台南市当局。どこまでが本当なのかわからないが、中国が絡むとワクチン問題も複雑になってくる。

はてさてワクチン騒動はまだまだ続きそうだ。

参考

ファイザーー製、モデルナ製、アストラゼネカ製の3種類のワクチンの違いとは

日本からのアストラゼネカ製ワクチンに、台湾在住日本人は「中国製打ちたい」の声

ファイザー製で感染予防効果を確認

現代時評《大人の振る舞い》山梨良平

驚くべきニュースを見た。台北中央社電子版が 2021/05/27 14:06に伝えた。
《中央感染症指揮センターの陳時中(ちんじちゅう)指揮官は26日、中国側が台湾に新型コロナウイルスワクチンを寄贈する意向を示していることについて、「中国が打っているものは、われわれは怖くて使えない」と述べた。行政院(内閣)の羅秉成(らへいせい)報道官は同日、中国からワクチンを購入することには高いリスクと懸念があるとの見方を示した。》
https://japan.cna.com.tw/news/afav/202105270002.aspx

このニュースは何を意味するかは自明の理である。先のニュースの後追いで、 2021/05/27 18:33には《独ワクチン交渉頓挫、書類に「わが国」表記で=台湾コロナ指揮官》というニュースも流れた。 つまり北京政府の差し金でドイツでのワクチン交渉がとん挫下というもの。
https://japan.cna.com.tw/news/apol/202105270006.aspx

これらのニュースで思い起こすのが《台湾は「地球上で最も危険」》と書いたのは英誌エコノミスト。
5月1日発売号で、「世界で最も危険な場所」台湾問題を特集した。台湾の蔡英文総統は発売前日の4月30日に、台湾は「権威主義の拡張の挑戦に直面している」とした上で「民主と自由の価値を固く守る」と表明した。
エコノミストは、台湾が「世界で最も危険な場所」と主張する最大の理由を、台湾が「米国と中国が力を争う試合場になっている」こととした。

確かに米中の覇権争いのはざまで小国・台湾はその存在を脅かされている。台湾海峡はウイキペディアの記述によると次の通り。
⇒最も狭い海峡北部で幅は約130km。東シナ海と南シナ海を結ぶ主要航路でもある。海峡中心部のやや台湾寄りにある澎湖諸島と、中国大陸沿岸に点在する島々のうち金門島、馬祖島は台湾側が実効支配している。国共内戦に敗れた中国国民党が台湾へ退避(台湾国民政府)して以来、台湾を自国領土とみなして併合・統一をめざす中華人民共和国側と、台湾側が政治的・軍事的に対峙してきた。台湾にとって実質的な海の軍事境界線であると共に、台湾を中国から守る最大の防衛境界線でもある。
台湾海峡とその上空では、中台の海軍・空軍が活動するほか、アメリカ海軍やフランス海軍、カナダ海軍の軍艦が通過している。こうした第三国軍艦の台湾海峡航行に対して、中華人民共和国は抗議や警告を行っているが、アメリカ海軍は「国際法の許す限り、いかなる場所でも飛行・航行する」、フランス政府は「事故も反応もなく、台湾海峡を年に1回程度航行している」と述べている。

さてコロナ以前と比べて、中台関係は熾烈な情報合戦に変化してきた。原因は変な表現だが、「コロナが武漢から」という説があり、他方、コロナ対策では優等生の台湾がWHt愛人Oにオブザーバー参加も認められていないという現実がある。西側諸国はEUをはじめアメリカや日本もWHOへの台湾の参加を推し進めているが、残念ながらWHOはこれを認めていない。当然、中国の反対があるためだと思われる。以前より中国は「原則を重んじる」国だと自他ともに認めてきた。つまり台湾は中国の一部だというわけだ。
政治の世界で他国を侵略したりすることはいかにそれが「原則」であったとしても、やはり認めることは困難だ。まして武力で威圧するのはもってのほかだと思う。ウイグル族、朝鮮族、チベット族などを抱える多民族国家の「大人」のすることではないとともうのだが。

最後に東日本大震災では台湾にとても助けてもらった。詳しくは次の記事をお読みいただきたい。生半可な支援ではなかった。

《東日本大震災での「台湾からの支援」が圧倒的だった2つの理由》
⇒https://diamond.jp/articles/-/264915

大人(たいじん):徳の高いりっぱな人。 度量のある人。 大人物。 「大人の風格を備えた人」⇔小人

現代時評plus《和歌山モデル》片山通夫

 先月、米紙「ワシントン・ポスト」に、和歌山県の新型コロナウイルス対策を絶賛する記事が掲載された。県は政府の反応を待たずに知事の強力なリーダーシップの下で迅速な検査と感染ルートの追跡を徹底した結果、封じ込めに成功したとたたえている。
「和歌山モデル」と呼ばれるそれは、迅速な判断と行動によってウイルスの流行を抑制し、感染の連鎖を絶つことができるといった教訓をもたらした。

地元紙熊野新聞がこう伝えたのは 2020年4月9日のことである。そこには県民の知事に対する信頼があった。
ちなみに今高齢者のワクチン接種率を見ても、政府の集計では、16日時点の1回目の接種率は、全国平均が2.57%のところ和歌山県は9.47%。県によれば接種対象の30万9000人のうち、2万9270人が1回目の接種を終えたという。
和歌山に次ぐ高知県は8.43%、山口県は6.57%。医療崩壊が深刻な大阪府は1.72%、東京都は2.31%となっている。 続きを読む 現代時評plus《和歌山モデル》片山通夫

現代時評《五輪じんわり中止にシフト?!!》片山通夫

アベノマスクをする安倍前首相+サイズも小さい。総額260億円とか?

《五輪開催「感染1日100人以下に」都医師会長が返上アシスト》東京五輪の安全な開催基準は「都内の新規感染者数を100人以下にする」――。東京都医師会の尾崎治夫会長が厳しい目標に言及
し始めた。(日刊ゲンダイ

小池都知事は狡猾だという印象が筆者にはあった。東京都知事というポジション、五輪という世界的なイベント、そのイベントの主催都市の知事という立場はある意味「首相や他府県の知事そして政府そのもの」を「自分に有利な方向」に持ってゆこうとしているかに見えるのだ。都民ファーストなる言葉も筆者にとっては空々しく聞こえる。 続きを読む 現代時評《五輪じんわり中止にシフト?!!》片山通夫

◇現代時評《台湾からの報道を垣間見る》片山通夫

(台北中央社)英誌エコノミストが最新刊で台湾を「地球上で最も危険な場所」と指摘したのを受け、蔡英文(さいえいぶん)総統は先月30日、自身のフェイスブックを更新し、中国の脅威は確かに存在するものの、政府は「考え得る各種のリスクを管理し、必ず台湾の安全を守れる」と強調した。

台湾からのニュースは最近きな臭くなってきた。またフォーカス台湾は「台湾の駐日代表、米大使公邸を訪問 断交以来初」と報じ、一方で「中国が侵攻したら台湾の国家承認を米元官僚がバイデン政権に提言」とも伝えた。

台湾からのニュースはフォーカス台湾 

先月菅首相が訪米しバイデン大統領と会談したが成果はあまり芳しくはない。
バイデンにとっては「中国と良好な関係」を当面築けないような中、アジアの同盟国・日本がやってきた。晩さん会ならぬハンバーガーランチもそこそこに台湾防衛の声明を成し遂げたのだから大成功だった。台北は喜び東京は「えらいことになった」とわかっているのか否か…。
何しろ台湾海峡有事の時の「軍事協定」のようなものを菅首相は簡単に、いやもしかしたら、わかってて訪米したのかもしれない。

一方盛んに報道されているのは「台湾パイン」。中国への輸出が90%を占めていたが突然中国が害虫検出を理由に輸入を停止して輸入を打ち切ったのがこの3月。このニュースが報道されると日本ではSNSで「台湾パインを食べよう」という呼びかけが瞬く間に広がった。そして最新の情報では「屏東産パイナップル、日本大手スーパーへの販売量が倍増の見通し/台湾」と文字が躍ってい
る。

地震国日本は大きな地震のたびに台湾や韓国に助けられてきた。特に台湾とは国交こそないが互いに「経済文化代表処(大使館に相当)」を置き、文化・経済だけでなく政治的な窓口になっている。

今更有事の際に「台湾を見殺し」には出来まい。しかし中国との経済的な結びつきも重要だと考える経済人も多いと思われ日本政府も無視できまい。この難しい局面をうまく舵を取るには相当広い見識と決断力・説得力が、日本国民相手だけでなく、アメリカなど関係諸国、そして何よりも台湾に対して必要だ。

そのような政治家がわが国に存在するのか、残念ながらはなはだ疑問である。

現代時評《コロナ、この一年》山梨良平

報道を見ると世界の先進国ではコロナウイルスに対するワクチン接種が相当進んでいるように見受けられる。昨年からのこの一年あまり、わが国は一体何をしてきたのだろうと暗澹たる気持ちだ。

例えば「新型コロナウイルスワクチン接種率の推移【世界・国別】」という報告がある。(上記の表)

図は今年の4月29日の報告だ。とにかくほとんど接種されていない。最初に医療従事者に接種するといいながら人口比でたったの2%。思えば政府は2020年4月7日に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」で閣議決定し、これにより布製マスクの一般家庭への配布が開始された。また、マスク配布については、全国の医療機関にサージカルマスクを、高齢者施設や障害者施設や全国の小学校・中学校向けに布マスクをそれぞれ優先的に配布することも決め、予備費約233億円と、2020年度補正予算案に計上した233億円を合わせた計466億円を計上した。
英国在住の作家黒木亮氏の報告によると「英国がワクチンの大規模接種の計画立案に着手したのは昨年1月10日で、まだ国内で最初の感染者が確認されていない段階」だった。河野太郎氏がワクチン担当大臣に任命されたのが今年1月18日なので、ほぼ一年前のことである。
つまりまだワクチンそのものが完成するのか全く不明の時に、英国タスクチームを政府内に結成した。アベノマスクの時代だ。

この夏のバカンス期には米国、英国とEU間の往来も視野に入れている。また台湾は国交のあるパラオとの団体観光往来を再開下のが4月1日。シンガポールや香港との観光往来を構築し、他にニュージーランド、オーストラリア、中国を候補に挙げる。

一方わが国は厚労省のホームページによると5月1日現在《令和3年2月17日から令和4年2月末までの予定》と掲載されている。ところが7月には政府はオリンピックを開催すると意気込んでいる。
今なおワクチン接種率が2%しかないわが国が実際にオリンピック・パラリンピックを開催できるものかは、私に言わせれば全くの夢物語だ。一日も早い撤退の決断を即す。

この一年の安倍政権、菅政権の半年はコロナに関してオリンピック・パラリンピックに関していかに無駄な時間と費用を費やしてきたか。政府関係者は万死に値するといえよう。。

最後にとんでもないニュースが届いた。

日本のワクチン接種遅れに批判強まる-大量のEU製が承認済みと発覚
Bloombergが伝えた。