現代時評《超法規の国、ロシア》山梨良平

ウクライナにロシアが侵攻してはや一年が経とうとしている。この一年、男をあげたのがウクライナのゼレンスキー大統領、反対に男を下げたのがロシアのプーチン大統領だ。
プーチン大統領の考えや行動には、怒りとともに呆れるが、中でも筆者が「これは!?」と思うのが傭兵組織ワグネルの起用である。ワグネルの創始者は周知のように、元はプーチン大統領の料理人だったとか。いわば一番プーチン大統領に近い立場だったのだろう。敵の多い大統領にとっては料理人は一番信頼できる人間でなければ採用しないだろう。

そのワグネルがこともあろうに刑務所で兵士募集を始めた。もちろんプーチン大統領のも黙認もしくは許可のもとにだろう。漏れ聞こえてくる話では、半年間戦争に参加すれば背負っている罪を帳消しにして給与まで払うということらしい。ということは凶悪犯も半年後には無罪放免で野放しになるということである。市民にすればとんでもない事だと思われる。

いや、市民はもちろんだろうが、ロシア国防省の面々、つまり正規軍の立場から言えば面目丸つぶれということ以外に考えられない。警察と国防軍とは様々な面で繋がっているはずだ。事件が起きて必死で捜査して犯人を逮捕し、裁判にかけ、刑務所に収容した囚人を如何に私兵と言えども、いや相手が私兵だからこそ開放を黙認できるはずがないと思う。

ところが先日突然刑務所での徴兵をやめると発表した。何処からかクレームがきたのか、ワグネルの傭兵資金が枯渇してきたのか、正規軍からクレームが届いたのか、プーチンが正規軍のクーデターを恐れたのか、理由はわからない。筆者が考えるに、おそらくこれらすべての理由からだと思う。規律を重んじるはずの軍隊が超法規のワグネルをいつまでも野放しにしているプーチン大統領に苦言を呈したのかもしれない。それにしてもワグネルの資金は何処から出てるのだろう?

影の声が聞こえてきた。安倍政権時代の我が国もあまり変わらん?
河井夫妻事件!