ONCE UPON a TIME 外伝 ”キューバへ行くのか?”片山通夫

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先に書いたように、アメリカとキューバは犬猿の仲。「キューバへ行くのか?」税官吏は驚いたように2度そう叫んだ。そしてボクのバックの中を徹底的に調べだした。特に何もないのでそれ自身は簡単に終わった。子細に調べたのは荷物よりもパスポートとチケット。(何を疑ってるのだろう?)
しかし怪しいところはないので、それも無事に終わった。最後に今も鮮明に覚えているが、彼は自分の手で自分ののど元を切るしぐさをした。「カストロ!」と言いながら。きっとそんなところへ行けば殺されるぞと言いたかったのだろう。
それでもようやくサンフランシスコの港でホテルを予約し町に出た。バスは明日出発。
ボクは「ホノルルでアメリカに入国した」と思っていたが、アメリカ本土にはまだ上陸していなかったので「入国はしていない」のだそうだ。
その夜ボクは船室で仲良くなった日本人とホテルの部屋で語りあかした。彼はウルグアイのモンテビデオへ明日午後に飛ぶらしい。キューバも人を驚かせるようだが、モンテビデオにも驚いた。