現代時評《日本って悲しい国になってしまった》片山通夫

近隣諸国に見放されている気がしてならない。ここで改めて近隣諸国とは?と考えてみる。言うまでもなく、我が国は日本海を隔てて、ロシア、中国、北朝鮮、韓国と隣接している。そして沖縄の石垣島から西へおよそ100キロメートルで台湾である。
その台湾への支持もなんだかあやふや、曖昧模糊とした支持。何しろ中国に気を使っているのだから。きっと貿易関連、アメリカに同調、世界の風潮などが考えられる原因だ。いや、もしかして国際的な流行に乗り遅れるのを恐れたか?

一方、地理的には韓国が最短の隣国なのだろうが、安部政権時代には、嫌韓のオンパレードで書店ではまるで「お祭り」状態。韓国がわが安倍政権のいうこと聞かないので輸出を止めたら、韓国は他の輸入先を探し、挙句は自前で生産するという結果に陥った。これじゃ今まで輸出してきた国内企業は泣きを見ているのではないかと思う。
馬鹿のやることの馬鹿さ加減には驚いた。
北朝鮮とはミサイル騒動や拉致問題、中国とは台湾有事を画策(ホントかな?)していると騒ぎ新疆ウイグルの人権問題に(遠くから)吠える。何しろテロ国家らしい、北朝鮮は。世界の国で最も軍事力を行使している国の手下が我が国なのだから世話はない。
近隣諸国とは決して友好的でないことになる。

そんな日本政府は、「敵基地攻撃能力」を保有すると与党で決定した。はっきり言って近隣諸国のうち、中国や北朝鮮に対する先制攻撃概念を認めたということになる。これに喜んだのが、韓国や台湾ではないだろうか。韓国のハンギョレ新聞には「今後攻撃ミサイルの保有に向けた細部計画の作成を目指している。これまで知られているところでは、米国からトマホーク巡航ミサイル500機の購入、地対艦ミサイル射程を1000キロメートルに拡大、射程2000キロメートルの島嶼防衛用高速滑空弾の配備を順次推進し、2030年代には射程3000キロメートルの極超音速ミサイルの配備まで進める。いくら攻撃ミサイルが多くても、標的を見つけられなければ無用の長物だ。日本政府は、中国と北朝鮮の攻撃目標を見つけるために、超小型群集衛星数十基を低軌道に打ち上げる計画だ。朝鮮半島全域が日本の監視権とミサイル射程圏内に入る、かつてない状況が展開されるわけだ。」と書く。筆者の見たところ台湾は今のところ具体的な反応はないようだ。

ロシアはウクライナやNATOで手がいっぱいだ。中国はロシアの戦争後始末に注力していると思う。アメリカは武器を無償でウクライナに提供して、日本で元が取れると考えているようだ。

はてさて日本はいかにも悲しい国になり果てたようだ。