現代時評《日本は北朝鮮とどのようなつきあい方をして来たか?》片山通夫

最近朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からのミサイル発射が多くなった。一日に複数のミサイルが発射されることもある。いったい北朝鮮、もしくは東アジアで何が起こっているのかはうかがい知ることは困難だ。

通常の知る手段をとってみる。まず外務省の五十音順の国別で北朝鮮を探してみた。最後の項目の「その他の地域」で北朝鮮、台湾、パレスチナ、香港、マカオ、北極、南極の順にあった。これだけ見ても妥協と見栄と利害関係最優先の並び方だった。それに台湾(中華民国)も同様、正式国名があるのに載せてない。
また情けないことに経済的なデータなどはほとんど韓国のデータを丸写し。また政治家の往来は2004年の小泉元総理のピョンヤン訪問が最後。来訪は2006年金桂冠外務副相が最後。以後今に至るまで16年間往来がないことになる。
まあこんな関係である。日本海を挟んで隣の国なのに…。

一方2006年からの我が国の政権だが、2006年9月26日~2007年9月26日の間が安倍晋三元首相の第一次安倍内閣。次いで福田康夫内閣、麻生太郎内閣と続き、2009年9月から2012年までの間は民主党(当時)内閣。
その後、安倍晋三内閣が2020年9月16日まで続き菅義偉内閣、そして現在の岸田文雄内閣となる。
こうしてみると旧民主党内閣時代を除き自民党の安倍晋三内閣を経て現在に至っている。おまけに菅義偉内閣も岸田文雄内閣も1年しか経っていない。
安部氏は政権を担当するたびに「拉致問題は、北方領土は」自分が解決するとした。しかしながら彼はこれらの問題に具体的な手は一向にうってこなかった。なるほど、ロシアのプーチン大統領には27回もの会談を行ってきた。しかしロシアがウクライナに侵攻したとき、安部氏を特使としてプーチン大統領を説得するよう働きかけた向きもあったようだが、ジャーナリストの鮫島浩氏は「むしろ安倍氏は今回のウクライナ危機を受け、日本国内に米国の核兵器を配備する『核共有』の検討を提案している。安倍氏にはプーチン氏を説得しようという気はないようだ」という。プーチン大統領が2014年、ウクライナの親ロシア政権が倒れた直後にクリミア半島を軍事力で併合して欧米との緊張が高まった後も、安倍元首相は欧米の懸念をよそにプーチン大統領と首脳会談を重ね、蜜月をアピールした。「ウラジーミル、シンゾー」と呼び合い、「ゴールまで2人の力で駆け抜けよう」と熱烈にラブコールを送った安倍氏の姿は、ロシアのウクライナ侵攻を機に、記憶に蘇ってきた人も多いだろう。「外交の安倍」が彼の売りだった。
安倍晋三氏が凶弾に倒れた時もマスコミは「外交の安倍」とその経歴を褒めた。

筆者は思う。拉致問題にしろ、北方領土にしろ、具体的な提案も働きかけも安倍元首相はしてこなかった。その時々のムードと誰かにsuggestionを与えられたことを彼の言葉で言い換えて来ただけではないのか。
旧統一教会の信者の息子の凶弾に倒れた所を見ると、旧統一教会からのsuggestionで動いていたのではないかと疑いたくなる。

道理で北朝鮮へ行けなかった?!

参考:地球儀を俯瞰する外交
第198回国会(2019年)における安倍内閣総理大臣施政方針演説より一部を抜粋
《我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていく。そのためには、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層力強く展開することが必要です。この六年間、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えて、世界の平和と繁栄にこれまで以上の貢献を行ってきた。地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してまいりました。平成の、その先の時代に向かって、いよいよ総仕上げの時です。》