現代時評《近頃都で流行るもの》片山通夫

近頃都で流行るもの。

国葬談義に宗教カルト、いずれ劣らぬ低俗さ。安部元首相の国葬に国民の半数以上が反対と。盟友トランプも欠席と弔問外交の夢破れ、参加者集めに四苦八苦。カルトに浸食自民党。広告塔の安部元首相、言い訳ごまかしなんのその。それに引き換え英国国葬、カルトまみれの国葬にそっぽを向いた首脳たち。哀れ憐れの首相の岸田。地獄の門は永田町、今なお続く百鬼夜行の自民党。

英国女王エリザベス二世が亡くなった。国葬が行われ我が国から天皇皇后のお二人が参列する。なんでも招待状がこの二人だけに届いたという。報道によると遺体は国葬の行われるウエストミンスター寺院に安置され、中には75時間待ちの市民の弔問を受けているという。少なくとも国民に愛された女王だった。

岸田首相が当初この国葬に参加する予定だったようだが「見送る」という。天皇に届いた招待状は首相には届かなかったらしい。「招待されなかった」のに「見送る」とは理解しがたい表現だ。「敗退」を「転戦」、「敗戦」を「終戦」とごまかす手法を亡くなった英国女王国葬にまで及ぼす無神経さには驚く。興味深いエピソードがある。元世界的なサッカー選手のベッカム氏はエリザベス女王の死を悼み、女王の棺を弔問するため、一般市民の列に12時間並んだと報道にあった。一方我が国ではニュースキャスターの辛坊治郎氏はラジオ放送で「安倍さんが生きてらして、安倍さんが実施する立場なら(国葬の)招待状は絶対に(私に)来てると思うんですよ。今回、岸田さんは完全に無視だわ。だからこの政治家は最低だな」と述べたという。かたや12時間並び、かたやこのセリフ。嗚呼。

そういえば近頃都で流行るものの最たるものに旧統一教会という案件があった。自民党とのかかわりである。これは中央、地方を問わず旧統一教会に浸食されている政治の世界をリアルタイムで見せてくれている。自民党などが事態を矮小化・ごまかそうとする状況は相変わらずだが、本気で完全に断ち切る気があるなら、旧統一教会を「カルト宗教」と認定して解散命令を出す位の意気込みが必要だ。それには法改正が必要なら、ただちに国会を開いて必要な法改正もしくは立法を行うべきである。それができなければおそらく我が国は「カルト宗教に侵略され乗っ取られた国」になる。事態はそこまで来ている。なぜなら安部元首相が旧統一教会の持つ票の割りふりをしていたようだから、何をか言わんやである。

いずれもこの期に及んで言い訳は無用である。潔く腹を切れとは言わないが、腹をくくれ。

参考
地獄の門⇒13-14世紀イタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』地獄篇第3歌に登場する地獄への入口の門である。「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」の銘文でよく知られており、深い絶望をあらわす表現としても用いられる。

「二条河原落書」⇒夜討(ようち)強盗謀綸旨(にせりんじ)
召人早馬虚騒動(そらそうどう)/生頸還俗(げんぞく)自由出家
俄(にわか)大名迷者/安堵(あんど)恩賞虚軍(そらいくさ)
本領ハナルヽ訴訟人/文書入タル細葛(ほそつづら)
追従讒人(ざんにん)禅律僧/下克上(げこくじょう)スル成出者
器用堪否(かんぷ)沙汰モナク/モルヽ人ナキ決断所・・・

「二条河原落書」は鎌倉幕府滅亡後に後醍醐天皇により開始された建武の新政が開始されてから2年後の、建武元年(1334年)8月(建武2年(1335年)8月説も存在、後述)に、建武政権の政庁である二条富小路近くの二条河原(鴨川流域のうち、現在の京都市中京区二条大橋付近)に掲げられたとされる落書(政治や社会などを批判した文)で、写本として現代に伝わる。 (ウイキペディア)
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