現代時評《鉄道輸送の危うさ》片山通夫

ウクライナ危機、鉄道が支える「避難と物資輸送」 欧州各国、避難民輸送に「運賃無料」や車両提供

本年6月に防衛省が「自衛隊における鉄道輸送」と言う報告書を出した。
ウクライナの戦線で隣国ポーランド等からの武器弾薬は無論、首都キーウを訪れる西側の要人をはじめ、ポーランドへ脱出するウクライナの人々を輸送する鉄路の重要性に眼を向けた。
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最近、旧国鉄時代から比べるとJRの営業路線は極端に減少している。東海道は新幹線で、東京から九州鹿児島まで太くつながっているので人員の輸送は万全だろう。また在来線もそれなりに繋がっているので問題はないのではないかと思われる。この報告書では《各種輸送力のうち鉄道輸送は、北海道~九州におけるコンテナによる多種多量の装備品・補給品等の輸送が可能であり、安全性やダイヤの安定性の観点からも輸送力としての期待は大きい。》とある。貨物(この場合、戦車やロケット砲をはじめとする武器や弾薬)の輸送は出来るのか筆者にはわからない。地方の在来線は従来と違って一両編成が多いので重量の問題で線路が耐えるのかどうか筆者にはわからない。最も貨物列車が爆走する本線ばかりだと問題はないのかもしれない。

しかし日本海側の路線や北海道の路線が今や廃線の憂き目にあっている。効率や経済性を重要視した結果だ。
そもそも国鉄からJRに変わった時から、いやその以前からこの廃れようは予測された。所謂地方切り捨ての結果と言える。仮想敵国が都市部ばかりを直接攻撃したりするとは限らない。上陸作戦は北朝鮮による拉致事件を見ていても不法に上陸するのは地方の海からである。これにはトラック便での輸送で対応しなければ無理だ。
今も岩手県の6路線10区間が大幅赤字に該当。そのうち廃線、代替えバスと言う提案がなされるかもしれない。

そのような事態に落ち込まないためには、日頃から近隣諸国と外交的な連絡をしてゆかなければ意味がない。平時から、仮想敵国、同盟国などと色分けするから防衛費もかさむ。亡くなってしまわれたが、安倍元首相は史上最長の首相在任期間を記録するほどの時間があった。地球儀俯瞰だかなんだか知らないが、桁違いに多く海外へ出かけて得たのが何だったのか?およそ各国を色分けしたに過ぎなかった。それも中国やロシアのような結果でしかなかった。

余談だが、筆者は昔舞鶴や敦賀と言った港から2万トンクラスのフェリーで小樽へ渡ったことがある。無論航路や船舶の位置、時間は公表されていて「今どの辺を走っている」かを知ることができた。無論夜中も走る。
ふと夜中に「今はどこか」と思い調べてみたら能登半島の沖だった。月が出てなかったので真っ暗だ。本船の明かりだ海に映っていた。
そんな時小舟で本船に近づき忍者よろしくロープの先に鈎をつけて・・・。そういえばそんな映画もあった。
本船は敵に乗っ取られる危険を思ったことがあった。