現代時評《「言わんこっちゃない」なんて言ってももう遅い》片山通夫

安部晋三氏が暴漢に銃撃されて亡くなった。その2日後に参議院選が行われた。結果はごらんの通り、改憲勢力が身長した。岸田首相は「(改憲)発議のための『3分の2』結集のために努力を続けて、できるだけ早く発議をし、国民投票に結びつけていく」と述べた。

自民党に投票された方は同党の改憲案を知っての投票だったのか疑問に思える。今更だが現在出ている同党の案を次にあげる。。
http://satlaws.web.fc2.com/0140.html
かなり激しい改憲案だ。しかしこの案がそっくりそのまま改正(悪?)されるとは、思ってはいまい。きっと100言って20でも通ればいいだろうという心積りなのかもしれない。いや、このような案がすでに国民の前に提示されて、そのうえで今回の選挙を戦い勝利をおさめたのだから、もうほとんど国民の大多数の理解を得られたと思い込んでいるかもしれない。
こうして現行の憲法をいじることに血道をあげる輩が多くなってきた。

話は変わるが、先日所用があって近鉄の大和西大寺まで行ってきた。駅中のショップが充実していることでも有名な駅だ。ふとものモールの花屋さんの前を通った。「献花」と書かれた仏花のようなものがやまほど売られていることに驚いた。価格も1000円から1500円だと記憶している。この価格が高いのかどうかは知らない。しかしあれほど売られているということは、今でも求める人が多いのだろう。奈良は保守的な地域だとは認識していたが驚いた。
非業の死に見舞われた安部氏には同情もしたい。しかしなんとなく落ち着かないのは筆者だけか。
彼にはまだまだ聞きたいことが山ほどある。それを端折ってしまった彼はやはりいささか無責任だと思う。最も突然襲われて亡くなるのはご本人にとっても理不尽だと思う。政治家は常に潔く説明する義務がある。先延ばしにして国民が忘れるのを待つようでは・・・・。

話を戻す。今後憲法議論が活発になるかもしれない。憲法は国民を縛るのではなく政府を縛るものだ。都合よく時の政府が解釈を変更するようなことでは国の形態が成り立たない。
そのあたりを見据えて行かねばなるまい。例外を、解釈の余地を残すような改憲は認めてはならない。まして非業の死を遂げた元首相に同情しての改憲などもってのほかである。