現代時評plus《悩ましい日々》片山通夫

【初めに】

コロナウイルスから派生したと思われる新種が南アメリカあたりから出て、イギリスで多数発見されたという。一方わが国でも海外渡航歴のない方からも発見された。コロナウイルスがここまで蔓延すると一年前に誰が想像しただろう。まさに青天の霹靂。私は全くの素人であり、過去に取材先にはアフリカ諸国を避けていた経緯がある。野口英世氏博士の研究で名高い黄熱病やエボラ出血熱など感染症に対する恐怖があったことは事実。

ところで唐突にもワクチン担当相に河野氏が就くことになった。ワクチンの輸送や保管、会場設定といった接種をめぐる実務全般の管理だ。任務は厚労省だけでなく、ワクチンの輸送を扱う国土交通省、保管する冷凍庫に関わる経済産業省などに幅広くまたがるため、担当相には調整力が求められるが、独善が多い今までの彼の言動を見ると調整力に期待できるか疑問符が付く。決して彼が適役だとも思えない。東京オリンピック・パラリンピックを開催すると固い決意の菅首相だが、もし河野担当大臣が「失敗」すれば、オリンピックどころではないことになる。菅首相も姑息な手段に転じた。「失敗すれば」すべてを担当相に押し付けて、オリンピック開催もコロナの収束もできない無能大臣として後世にその名を残すことになる。

【ワクチン接種】

閑話休題、すでに海外の諸国ではワクチンの接種が始まっている。わが国でまだいつになるか不明で、一説には6月以降という話だが「政府は6月末までに全国民分の確保を目指すが、予定通り確保できるかも未知数だ。」と産経ニュースは伝えている。
コロナの蔓延が顕著な現在、ワクチンの接種開始は早いほうがいい。調べてみた。我が国のワクチンの接種のシステムは、都道府県が行う。しかし実際は市町村の保健所の元、指定された病院が行うようだ。例えば筆者の住んでいる町では24の病院が存在するが、指定は今のところ半分の12病院だとか。通常、かかりつけの医者が当該患者の情報を持っているが、市内の大小病院に任せることになっているようだ。

国はマイナンバーカードとワクチン接種の連携を口走っていた。個人情報の塊になりそうなマイナンバーカードと接種を行政が結び付けようとすればするほど、ワクチンの接種率は落ちそうだ。ワクチンは基本的に全国民が接種しなければ意味がない。

今国がしなければならないことは、ワクチンの安全性と必要性を丁寧に説明して行くことであり、スムースな接種ができるようにすることである。アレルギーなどを持つ人に対するケアができるのは、やはりその人の主治医(かかりつけの医者)であり、そこでワクチンの接種ができるようにすべきである。またワクチンと聞くと恐れる人も多々あると思う。そのような人とひざを交えて話すことのできるのは顔見知りの主治医しかいない。
国民は人間であり機械ではない。機械的に接種することでは行政への信頼は薄れる。

【治療薬の開発】

筆者が常に考えてることがある。規制緩和なのか、新自由主義なのかは知らないが大学(学術会議なども含む)、研究所(ジャンルを問わず)、図書館、博物館、病院、学校などは基本的に個人の力では維持管理できない。こういう「直ちにお金を生まない」機関・機構を維持するための助力を惜しんではいけない。
一例だが、ロンドンに大英博物館がある。植民地から強奪してきたであろう様々なものが展示してある。研究員が大勢いるという。入場料は無料である。維持費は当然国が負担している。

話が飛んだ。今必要なのはワクチンもそうだが、治療薬まに関しては、また聞きだが島根県の大学が治療薬の開発に成功したという。また徳島県の企業がコロナウイルスを99,9%死滅させることのできるLEDの開発に成功したという。国は、行政は、「国民の生命財産を守る義務」があるから、これらの技術や努力に最大限の助力を惜しんではならない。まさに「国民の生命・財産を守る」ことになるからである。

【悩ましい日々】

コロナ禍で外出もままならない中で、悩ましい日々をおくっておられるだろうと思い、少し自分の考えを整理するためにも、この拙なる文を書いてみた。ご高覧に預かれば幸せである。
それにつけても悩ましい毎日だ。