現代時評《いよいよアマビエ頼み?》片山通夫

今月に入ってかなりの国でワクチンの接種が始まると聞く。
うまくゆけば喜ばしい話だ。アメリカでもロシアでも始めるとか。
しかし一部ではいささか拙速すぎやしないかと危惧する向きもある。ヨーロッパがそうだ。「欧州当局、コロナワクチンは時間かけ審査 拙速な認可に警戒の声」と及び腰。
なんでも、通常ワクチンの開発には10年がかりだとか。だからすでにあるワクチンの転用というスタイルもみられる。

ところでワクチンの開発には欧米の大学や製薬会社の独断場のように見える。先進国を自負する我が国はどこのあたりを走っているのだろう。
なかなかワクチン開発レースに姿が見えない。
富士フィルムと富山化学が開発しているというらしいが学術会議を民間にしようとしているレベルの我が国ではなかなか開発はすすまないだろう。肝心の開発グループであるはずの大学や研究所が「金を稼げる」研究にしか予算を割り振られないようだからだ。つまり直ちに儲かる研究を要求されているみたいだ。今、コロナのワクチンを開発できれば大いに儲かるはずだろうけど、残念ながら研究の人材不足や予算の不足などで思うように行かないのではないかと思える。

23年度以降の支援のあり方については政府内で議論が続いている。山中氏は「一部の官僚の考え」と断った上で、政府の支援がゼロになる案を耳にしたと指摘。「(政府の専門家会議など)透明性の高い議論での決定なら納得だが、違うところで話が決まってしまうと理由もよくわからない」と不満を述べ、意思決定の過程に透明性を求めた。 iPS研究予算「いきなりゼロは理不尽」 山中伸弥所長 支援継続を政府に求め
る。
上は日経新聞の2019年11月11日の電子版の記事である。ここでいうところの山中伸弥所長とはあのノーベル賞を受賞した山中氏である。そして研究所は京都大学・・・。

もうめちゃくちゃな政治である。目先の利益だけを追求する政治になり下がった。新型コロナウイルスのワクチン研究も同じ考えだろう。海外のワクチンを莫大な予算で買い取るが、自国の研究には金を出さない。
経済はよくわからないがきっと新自由主義とかいう奴だろう。
 こうなれば庶民は新型コロナウィルスの感染拡大に対し、アマビエ頼みしかないのかもしれない。
アマビエは、江戸時代後期に製作されたとみられる瓦版に類する刷り物に、絵と文とが記されている。肥後国(現・熊本県)の夜ごとに海に光り物が起こったため、土地の役人がおもむいたところ、アマビエと名乗るものが出現し、役人に対して「当年より6ヶ年の間は諸国で豊作がつづく。しかし同時に疫病が流行するから、私の姿を描き写した絵を人々に早々に見せよ。」と予言めいたことを告げ、海の中へと帰って行ったとされる。(ウイキペディア)

アマビエ

江戸時代の絵によると意外に可愛い姿をしている。

 

アマビエの絵を家の玄関や神棚に張っておこう!何しろ頼りにならない我らが政府なのだから。