現代時評《恥ずかしくない?》片山通夫

「大阪都構想『否決』、マスコミ『疑惑の報道』がミスリードした結果だ」(高橋洋一嘉悦大学教授・内閣官房参与の11月2日のTwitterの言葉。)これは投票日の一週間前の10月26日、毎日新聞一面に「市4分割 コスト218億円増 大阪市財政局が試算」という記事への批判だと思われる。「虚報→フェイク」だといわずに「ミスリード」というところが語るに落ちた感がする。果たしてそうだったのか。一般に大阪人は経済に敏感だ。ある程度のことは笑ってすますところがある。ただ自分のもしくは自分が籍を置いている組織の金となると厳しい目を向ける。
大阪市営地下鉄の民営化までは黙ってみていた。市民サービスの低下を予想できなかったためと思われる。しかしおそらく水道の民営化は大きく反対するだろう。毎日使う水の安全に関してはシビアだと考えられる。政治家の「市民サービスの低下」が殺し文句だろう。さすがの維新も市民に背を向けて政策は実行できない。

先の書いた「マスコミ(この場合毎日新聞)の疑惑の報道」は高橋内閣参与のやけくその一言だったのだと思う。しかしこの言葉に敏感に反応したのが、当の「ミスリードした」と言われた毎日新聞だ。
11月1日住民投票で否決が示されたその日のうちに、「大阪都構想関連に公金100億円超 府市13年以降に 人件費や選挙など」と追撃スクープを出した。ぐうの音も出まい。かえって経済に敏感な大阪人の神経を逆なでしたように思えるのだ。

書くのも恥ずかしいが維新の馬場議員は国会の代表質問で、毎日新聞を口撃、おなじみの維新の足立議員は「仮に否決されても、否決は無効になる。」とツイートしたようだ。
恥ずかしいだろう。恥ずかしくない?それを厚顔無恥っていうんだ。