現代時評《台湾の話》片山通夫

コロナウイルスのおかげでどこへも行かずに自宅で一日過ごしていると、色んなことを考える。天気のいい日などは時には車で人の少ないところへ出かけるが、雨が降っている日などは、今まで読めなかった本や資料の整理とかして過ごすことが多い。もちろん朝から晩までというわけではない。ぼーっとして過ごす場合も多い。(メタボになりそうって言ったら友人が何をいまさらッて!?)

そんな中、インターネットでいわゆるサーフィンをすることがある。そのサーフィンで見つけたのが台湾の国営ニュースサイト「フォーカス台湾」だ。
http://japan.cna.com.tw/

国営だから台湾政権寄りなのを差し引いても結構興味あるニュースを日本語で提供している。この機会に中国の経済力などの陰に隠れた台湾を見てみたいと思うだけの興味がわいてくる。

台湾は今世界中で、新型コロナウイルスで興味を持たれているWHO(世界保健機構)には加盟していない。無論中国が「一つの中国」政策をとって、その政策を認めているからだ。いうなれば中国は台湾の加盟の邪魔をしているわけだ。そんな台湾が国際社会で認めてもらおうと涙ぐましい努力を重ねている。

台湾の正式名称は中華民国。その歴史は複雑である。1912年から1928年にかけて北京に存在したのは始まり。1おなじころラストエンペラーで有名な愛新覚羅溥儀の清朝があったが彼の退位で中華民国が正当な政府となった。その後は軍閥が群雄割拠する軍閥時代を経て蒋介石の時代になり日本が日中戦争を起こした。その後、共産党の毛沢東に追われ1945年、台湾に遷都し、言い方を変えると毛沢東に追われた蒋介石が台湾に逃れた中華民国は台湾を本拠地として現在に至る。

さて今となってはその小さな島国だが、新型コロナウイルスとの戦いで世界から注目を浴びている国でもある。
最初に定番の国の紹介をする。

総統: 蔡英文
首都: 台北市
通貨: ニュー台湾ドル
人口: 2378万 (2018年)
公用語: 官話

今年の1月イギリスのBBCは次のように伝えた。

「台湾総統選、蔡英文氏が圧勝で再選 中国は見誤った?」
そして《「平和とは、武力行使を辞さないとする台湾への脅しを中国が放棄しなければならないことを意味する。(中略)私はまた、中国当局が、民主主義的な台湾も、我々の民主主義に基づいて選出された政府も、脅迫や威嚇行為を認めないということを理解してくれると願っている」中国政府は1949年の分断以来、台湾での主権を主張。台湾は最終的に中国と統一されなければならず、必要であれば武力行使を辞さないとしている。》
これには香港の事態がそのまま反映されたというのが大方の見方だ。その
その台湾が今回の新型コロナウイルスの関して素早い対応をしていて、国際社会でその成果が認められつつある。

そのようなコロナウイルスに関して世界の中でも目覚ましい成果を上げているといわれて、台湾が持っている医療技術やノウハウを世界で共有することを阻もうとしているかに見える中国の台湾への圧力はいささか度が過ぎるように思える。端的な例は中国の感染者の数一つとっても台湾のそれは中国の数に含まれている。徹底的に台湾の存在を認めていない。このように中国は台湾を自国の領土の一つとして扱っている。しかし先に述べた様に、独自の政治体系を持ち、政府を持っている台湾を一つの省としてしか認めないのはかなり無理がある。

台湾政府がこのコロナウイルス騒ぎで独自の成果を打ち出した原動力は、おそらく蔡英文総統率いる台湾国民の意地があると筆者は理解している。意地の向こうには中国、そして世界が・・・、

そして、WHOに限って言えば台湾をメンバーに加える案を支持する地域や国が増えている。我が国の神戸市議会も国に加盟を支持するよう意見書を採択した。コロナウイルスに対峙する台湾の日々変わる情勢を知るためには次にサイトを見ていただきたい。

フォーカス台湾 http://japan.cna.com.tw/