現代時評《消費税減税ショック》山梨良平

れいわ新撰組の主張に消費税5%へという主張がある。国民の目から見れば野党は共産党を除きこの主張に目をそらせていた。立憲民主党なども歯牙にもかけなかったように思える。ところがここにきて、コロナウイルス問題で、国民生活を保護するためという名目で、自民党からも、財務省を管轄する財務大臣の口からも消費税の減額が話題に上ってきた。

筆者の記憶によれば、自民党という政党は、ある意味狡猾だから、自党に有利となれば電光石火のごとくその政策をわがものにする能力にたける。野党がもたもたしている間に、手柄顔で減税に踏み切る可能性がある。

ところで最大野党の今月20日の時事通信は次のように伝えた。
新型コロナウイルス感染拡大への対応をめぐり、立憲民主、国民民主両党は19日の政府・与野党の「連絡協議会」で、足並みの乱れを露呈した。立憲は共同会派としての政策提言にこだわったが、国民は消費税率5%への引き下げを独自に主張。さらに、れいわ新選組が、協議会への参加を立憲に断られたとして、猛反発した。

最大野党の立憲民主党が消費税減税に足踏みしている状況で、国民民主党が5%減税提案に踏み切るということは、れいわ新撰組への秋波ともとれる。
野党の足並みの乱れの隙をついて政府与党が消費税5%への期限立法を提案すれば安倍自民党の支持率はうなぎ上りの可能性を秘めている。昨年秋の消費税10%で景気が下落した。その失地回復も兼ねることができそうだ。

ともあれ、オリンピック開催権獲得に全世界のまえで「アンダーコントロール」と大嘘を吐きまんまと開催権を手に入れた、北朝鮮のミサイルにモリカケ問題も助けられた。現下の景気の失速も新型コロナウイルスに助けられそうだ。しかるに先に述べた様に野党の体たらくには反吐が出る。恐ろしいほどついている安倍政権に対抗する意思などみじんも感じられない。政府与党が消費税減税に打って出れば野党の存在などみじんも感じられないだろう。

消費税減税はもたもたしている野党にとっては大きなショックになる。