現代時評《ピンチはチャンス》山梨良平

先日(12月20日)ロシアのプーチン大統領が恒例の年末記者会見を行った。当然世界中のメディアの前で…。

その会見の中で彼は衝撃的な発言をした。「北方領土に米軍施設を置かないことについて日本から回答がなければ平和条約の締結は難しい」、続けて「(沖縄県)知事が反対しているのに米軍基地を強化しようとしている。日本には主権がないのか」と。世界のマスコミの前でである。

安倍首相をはじめ政府は驚いたことだと思う。シンゾー、ウラジミールと呼び呼ばれて散々蜜月をアピールしてきたのだ。安倍にとっては驚愕以外の何物でもないだろうか。もしこのプーチンの発言を折り込み済だというなら、とんだ国際感覚音痴だ。

しかし安倍には大きな武器がある。アメリカのトランプ大統領だ。安倍はこのプーチンの発言を受けた形で、充分以上にアメリカ製の武器を買う約束をしたばかりだ。プーチンに会う前にトランプと交渉すべきだ。つまり「歯舞、色丹には米軍基地を置かない」と。そのうえで「日米地位協定の改定」を持ち掛けるべきだ。せめてドイツ並みの協定に。そうすることによって、安倍がトランプに2年にも渡ってごまをすり膨大な武器を買う約束をしてきたことが国内で評価される。歴史に名を残すことになる。

あとは安倍の度量の問題だ。度胸の問題だ。トランプに詰め寄るのだ。もし辺野古をこのまま進めれば自分は首相の地位から引きずり降ろされる。もしプーチンに屈したら・・・。世界で唯一のトランプの支持者はいなくなると脅しをかけるべきだ。

そう!ピンチはチャンスなのだ。