現代時評《それに引き換え、わが国は・・・・》片山通夫

年末になってやたらみじめな気持ちの記事が多く目につくようになった。河野太郎外相は12月11日の記者会見で日ロ交渉についての記者の質問を「次の質問、どうぞ」と4回も繰り返し無視する行動に出たが記者会見は「無事」終了したようだった。 一方、恒例の米誌TIMEの「今年の人」に、サウジアラビアの殺害されたジャーナリスト・カショギ氏らが《真実の「監視者」》として選ばれた。

《真実の「監視者」》だぞ! また、アメリカの与野党の元議員44人が連名で論説を発表したというニュース。「上院は民主主義の守護者たれ」とある。CNNの報道によると《米上院の元議員らが10日付の米紙ワシントン・ポストに連名で論説を寄稿し、上院議員は民主主義の守護者であるべきだと呼び掛けた》。先の中間選挙で米上院は共和党が過半数を占めた。その事実を踏まえての論説だろう。「我々は危険な時代に入ろうとしている」と警告したうえで、現役または未来の上院議員に対し、確固とした意志と熱意で民主主義を守るよう求めている。

いわば「良識であれ」と説いているわけである。「米国史上の危機に際し、民主主義を守るために立ち上がってきたのは上院だと述べ、議員が党派心や自己利益のために国益を見失ってはならない」と戒めて締めくくっている。

さて冒頭にあげた我が国の現状だが、河野外相の記者の質問無視は、さすがの「連合艦隊記者クラブ」もブチ切れたのか、会見後、会見での誠実な対応を申し入れ、河野氏は「神妙に受け止める」と回答した。(朝日新聞)

これがアメリカだったらどうだろう。先のトランプの「出入り禁止」を見るまでもなく、メシアがこぞって大問題視したはずだ。「朱に交われば何とやら」ではないが、やはり最低の内閣だ。そしてそれを支えているのが自民党とそのシンパの国会議員だといえる。

とまれ、我が国も二院制を取っている。以前は参議院は「良識の府」と言われていたが、今やそれも死語。民主主義を守る参議院になってほしいものだ。ワシントンポストに提言が掲載されたように、民主主義を、憲法を守る良識の府になってもらいたいものだ。

今の内閣、国会議員、官僚、マスコミなどのやり方は、後世、必ずや、批判にさらされる時が来る。