晋三氏の憂鬱 《米国人が解放された》片山通夫

韓国の聯合ニュースは、北朝鮮にとらわれている米国人3人の件で、文大統領と電話会談し「3人とも健康で、今回の解放が今後の米朝会談に肯定的な影響を与えるだろう。文大統領の支援に感謝すると述べた。」と伝えた。また、朝日新聞は次のように伝えた。「ポンペオ米国務長官の訪朝にあわせて解放された米国人3人は米国に戻る途上の9日夜、我々の帰国について、米政府、トランプ大統領、ポンペオ国務長官、そして米国民の皆さんに深く感謝するという共同声明を国務省を通じて発表した」と。 晋三氏は心底憂鬱である。何しろ「私が司令塔になって拉致被害者を開放するよう・・・・」と大見えを切ったばかりだ。まさかこんなに早いテンポで米朝間が対話するとは思っていなかった。中東になんて行っている場合じゃなかったんだ。これで日本の拉致被害者家族は騒ぐかもしれない。いや、野党も。中国を頼みにしていても、訪中は年内だと。こっちは急を要するのに。

晋三氏の心中は穏やかではなかった。

そうだ!菅官房長官を平壌へやるか。

晋三氏はほとんどやけくそで付け焼刃を思い立った。

問題は官房長官が乗り気になってくれるかどうかだ。

晋三氏は呟いた。(無理だろうな)