「カメラが欲しい」
無性にカメラが欲しいと思う時がある。無論手元に何台ものカメラがある。欲しいと思うときは自分で様々な理由をつける。「この手のタイプは持っていない」とか、はたまた「これでないとあんな写真は撮れない」とか・・・。白状するとみんな「手に入れるための理由」でしかない。
半世紀以上前(1959年)に生まれたハーフサイズのオリンパスペンというカメラがあった。Penと名付けるだけあって、小さくて軽いカメラだった。これ以降、ハーフサイズのカメラが多く発売されたと記憶する。
そのオリンパスというメーカーから、デジタルカメラでPenという名前のカメラが出たのは昨年の夏のことで半年以上前になる。筆者はこのカメラが発売当時から気になって仕方がなかった。「気になる」というのはつまり「欲しい」ということとほとんど同義語である。
筆者の撮影スタイルは基本的には「いつでも、どこででも、写せる」ということにある。ここでいう「写せる」というのは、どんな状況ででも写真作品として鑑賞に耐えうる作品を作れるということである。ここが辛いところだが、いつでも「極上の作品」が出来るか否かは保証の限りではない。
例えば、とてもきれいで突飛な形の雲が空に浮かんでいたとしよう。カメラを持っていなければその雲は撮影できない。また、夜の都会で歩道を歩いていた時、映画のシーンに見られるような恋人同士のシルエットが車のヘッドライトの手前に浮かんだ時、やはり高感度のカメラで撮りたいものだ。
このような状況に「いつでも遭遇できる」とは思わないが、「いつ遭遇するか」わからないので、やはりカメラは常に持っていなければ。そんな状況で撮影できる(ハズ)のカメラにぴったりだと思ったのが、このオリンパスペンのデジタル機だ。
Penというからにはメモをするように撮れなければ意味がない。つまり持ち運びに重さを感じさせないものが必要だ。また、頑丈でなければならない。肝心の時に壊れてしまっていては意味がない。レンズは明るいほうがいい。暗い場所でも写るということが重要だ。最近の一眼レフのように、図体ばかりが大きいのは、写される人に威圧感を与えるので全く論外だ。スイッチを入れればすぐに撮影可能でなければ意味がない。シャッターを押せば瞬間にシャッターが落ちなければ・・・。
それにもっとも重要なことだが「カッコよく」なければ意味がない。何しろ筆者の信条は「写真はカッコで撮る」ということなのだから...。
ことほど左様に、カメラを選ぶということは難しいものだ。だから、何台も買い替えてしまう。手元に残るカメラの山(というほどのものではないが)。
決してオリンパス社の肩を持つわけではないが、このPenというカメラ、とても優れモノだ。サードパーティからレンズマウントのアダプターが種々出ていて、往年の名レンズと言われているライカのレンズはもちろん、Nikon、Canonなどのレンズ、挙句の果てにボレックスなどの16ミリ映画用レンズもアダプターを介して使えるという話。往年の名レンズでデジタル写真を撮るとどのような表現になるのかこれも興味深い話だ。
かくして筆者の夢(いや、欲)は際限なく「こんなカメラが欲しい」という志向に向かう。
嗚呼。