「ハイチ大地震と中国」:片山通夫
もう15年たった。阪神淡路大震災からである。一方、海外ではカリブ海の島国・ハイチで未曾有の被害をもたらしそうな大地震が起こった。犠牲者数は5万とか20万とか言われていて定かではなさそうな情報が交錯している。アメリカはオバマ大統領が「決して見放さない」と再三に渡って言明、米海軍が原子力空母カール・ビンソンを出動させ、世界最大級といわれる病院船も派遣し救援活動に積極的だ。
フランスは旧宗国の面目をかけ、サルコジ大統領が現地に乗り込むという報道もあった。そんな中、中国は「大国の威信」を示すチャンスとばかり、かつてない迅速な救援活動に勤しんでいるようだ。
我が国は残念ながらといってもいいほど反応が鈍かったように思えた。阪神淡路大震災の教訓は、おそらく「迅速かつ正確な救援活動」だ。無論出来るだけ大量の救援物資が必要であることは言うまでもない。
新聞などの報道によると「出遅れた日本」のイメージが強い。調査チームの派遣発表の14日午後には既に他国は支援活動に入っていた。無論、ハイチまでの距離も遠いので、緊急救助活動は他国に任せて、今後欠かせない復旧支援に力点を置くという方策も重要だ。
しかし、08年5月の四川大地震を教訓に迅速な対応をした中国の行動は称賛に値する。ただ中南米諸国の中では中国と距離を置いて、台湾と国交を結んでいる国が多い。ハイチもそうである。
中国が純粋に人道的な立場で迅速かつ正確そして大量の支援をするならそれは歓迎すべき行動だ。しかしながら一部で観測されているように「ハイチを取り込む」という意図がその底流にあるとしたら、それは人の弱みにつけ込んだ「唾棄すべき救援活動」だといえる。
四川大地震の教訓と中国国民の地震への意識の高さが中国政府に迅速な救援活動をさせたというのならそれは歓迎すべき行動なのだが...。