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09年の肖像「ブイコフの証人」:片山通夫

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  昔、サハリン南部が樺太と呼ばれていた頃、内淵という町があった。現在はブイコフと呼ばれている。その町は、樺太最大の炭鉱の町だった。帝国燃料興業株式会社という国策会社が運営していた。石炭から石油を製造していたという。

 そのブイコフに一人の朝鮮人の男が住んでいる。所謂サハリン残留朝鮮人二世だ。彼はこの町で生まれ育った。
 だから、ブイコフの町、そして炭鉱会社の歴史にも詳しい。筆者は、彼を訪ねてブイコフへ良く行く。町の歴史は無論、人々の動向に至るまで彼に聞けば何でも分かる。何度も、筆者は彼に炭鉱の歴史や炭鉱そのものを案内してもらった。

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 あそこの空き地に「シンワ(親和?)寮」があった。この炭坑は朝鮮人が掘ったものだ。ほら、ここに当時の看板があるだろう。この「第二」は朝鮮人抗だった。(写真)

 彼が指差す一つ一つが、この町の歴史である。写真を撮り、メモをして、ときどき「ちょっと待って...」と叫びながら筆者は彼の後を追う。

 彼の名前は孫ウヒョン。年齢を聞いたが「まだ青年だ」・・・。
それじゃ記事にならないのだが...。