アフガン韓国人人質事件
43日経ってようやくタリバンに拉致された韓国人人質事件は2人の犠牲者を出したが解決した。関係者はほっとしたことだろう。思い起こすのはイラクで起こった日本人人質事件だ。
ひとつのサイト(Academia e-Network Project)を紹介しよう。
「イラクで人質になった方々への敬意表明と激励の緊急アピール」 と題した署名活動のサイトがある。
そこには、
(前略)政府、一部マスコミの間で、これらの方々の「自己責任」を追求する意見が声高に叫ばれています。(中略) そもそも、5人は戦禍のイラクの悲惨な実態を世界に伝えるために、また、戦争・貧困・環境破壊に苦しむ人々を支援するためにイラク入りしたのです。フランスのルモンド紙は、人質となった方々のことを「犠牲となっている人々に手を差しのべた」、「戦争、暴力、非寛容を拒否する思想の伝達者である」と報じました。 アメリカのパウエル国務長官も、「危険を知りながら、良い目的のためにイラクに入った市民がいることを日本人は誇りに思うべきだ。」「『危険をおかしてしまったあなたがたの過ちだ』などと言うべきではない」と語っています。(後略)
それでは韓国では今何が起こっているか、知り合いの韓国人ジャーナリストに現在の韓国社会の反応を聞いてみた。
彼は一口で言うとと前置きして「無論既にバッシングも起こっています。税金の無駄使いだ。自己責任だ。しかし、それはネット上のことで、一般的には冷静な眼で事件を見ているし、二人の犠牲を出したが、何とか大多数が無事でよかったと考えている」と話す。
そこで韓国のサイトでアンケートの結果を送ってもらった。
2007.8.31.13時現在のempas.comサイトの調査。
1)国基督教総連合会と世界宣教協議会など国内宣教団体関係者によるアフガン拉致事件事後処理実務会議で、関係者らは今後も純粋な奉仕程度の小規模宣教活動は続けると言った。貴方はこれをどう思うか。
838人のうち、74%が反対と回答
2)はたして韓国政府は人質釈放のためにお金を払っていると思うか。
372人のうち、96%が払っていると思うと回答
SBS放送サイトを覗いてみると
1)政府は人質釈放のために費やした費用を本人や派遣機関(教会)に請求すると明らかにした。請求すべきかどうか。
87人中76%が請求すべきだと答えた。
このように、韓国の世論は、無謀ともいえる宣教活動に対して批判的な意見が多い。
また保守系新聞大手の朝鮮日報の社説は次のように説く。
「韓国にはプロテスタント、カトリック、仏教、イスラム教などの世界の主要な宗教や民族的な信仰など、無数の宗教が混在しているが、それらの間で深刻な衝突が起きたことはなかった。しかしそうした状況は、世界的に見ると非常にまれなケースだといえる。今世界では、レバノンやイスラエル、イラクなど、宗教や宗派の対立によって国が荒廃したり、1度に数十人・数百人の人命が失われるようなテロが頻発したりしている国は少なくない。そしてアフガニスタンもまた、その代表的な例だ。(中略)教会側は、国が被った外交上の不利益や経済的・物質的な損失、また国民が被った精神的な被害を無駄にしないためにも、今回の事態を今後同様な事件の再発を防ぐためのきっかけとすべきだ」
社説では無謀な活動(それが純粋に人道的なものであっても)は無謀だと説いていると、件のジャーナリストは言う。
今日31日の朝日新聞に「韓国内に自己責任論」と言う記事が掲載された。ネット上では「費用請求しろ」と書き込みが多いという。
この面から見ればネット特有の無記名の無責任意見ともいえるようだ。イラクでの日本人ケースと同じようなことが既にネット上で起こっている。
しかし、先に述べたように一般的には「冷静な眼」で事件を見ているような印象を受ける。今後、人質になった人たちが帰国した時にどのような反応が韓国社会で起こるのか注目したい。